新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医師働き方改革見直しの署名活動:署名しておりませんが、同意見です

2019-03-18 05:46:18 | 医局制度改革・医学教育改革

おはようございます。

 

土曜日は少しイベントがあり、そちらの方に参加しておりました。少しでも人のお役に立てているのであれば嬉しい限りです。

 

昨日はトヨタで定期整備をやっていただいたのですが、新しく変わった営業担当さんが外来中に電話をかけてきたので、

「忙しいので後にしてください」

といって、切ろうとしたら、まだ話し続けられ

「忙しいので切りますよ」

「あ、定期整備の話です」

「切ります」

といって切りました。

 

少し常識を疑いました。多分、自分たちも営業中に関係ない電話がかかってきたら仕事中なのでと切ると思うのですが・・。僕がそのまま話していたら、外来の患者さんもびっくりですよ・・・(汗

 

先日、医師の働き方改革の話が出ておりましたが、医師の署名活動の話がNHKニュースになっておりました。

 

医師働き方改革議論 署名活動も

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20190315/0026942.html

医師の働き方改革に関する議論が大詰めを迎える中、厚生労働省が示している時間外労働の上限では「医師の健康が守られず安全な医療を提供できない」として、現場の医師などが見直しを求める署名活動を進めています。

医師の働き方改革をめぐって、厚生労働省は今月末までにその内容をまとめる方針で、15日も専門家会議で大詰めの議論が行われました。
厚生労働省は医師不足の病院などでは休日や夜間などの時間外労働を例外として、年1860時間、月平均に換算して155時間まで認める案を示していますが、過労死ラインとされる月平均80時間を大幅に上回っています。
(中略)


このうち33歳の産婦人科医は「年1860時間もの時間外労働が認められれば、プライベートの一切無い生活になり、激務の診療科は担い手がいなくなってしまう」と話していました。
グループの代表を務める千葉県の鈴木真医師は「いまと変わらない医療を提供し続けるには医師の長時間労働に頼らないしくみづくりが必要だ。医療現場からこれだけの声が上がっていることを国は認識して欲しい」と話しています。


まぁ、そうなりますよね。

 

僕は署名はしておりませんが、長時間労働に頼らなくて良いシステムを作り上げる必要はあります。

 

署名をしていない医師も同じように考えていますので、ここに記載されている4000名よりも多い人数が同様の意見を持っていると思っていただいた方が良いと思います。

 

さて、土曜日のイベントも終わり(スライドは終了ずみフォルダに移動)、次は今年の血液学会総会の演題準備に入ります。

 

アカデミックな部分も頑張っていきたいと思います。

 

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医師働き方改革:こんな改革ならいらないと思う

2019-03-14 21:59:09 | 医局制度改革・医学教育改革

こんばんは

 

今月は学会の準備などに追われております。1年おりましたので、来年度は学会発表しないと・・・と。

ある程度準備はできましたので、これで良いかどうかを来週確認して・・・というところです。

 

さて、最近話題の医師の労働に関してですが、こんな基準だったらいらないと多くの医師が思っているのではないでしょうか?

メディ・ウォッチからです。

研修医等の労働上限特例(C水準)、根拠に基づき見直すが、A水準(960時間)目指すわけではない―医師働き方改革検討会(2)

https://www.medwatch.jp/?p=25360

 お伝えしているように、厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」(以下、検討会)の議論が大詰めを迎え、3月13日の検討会では、これまでの提案・議論を整理した「報告書」案が提示されました。

 本稿では、▼初期臨床研修医や新専門医取得を目指す専攻医▼高度技能の取得を希望する医師―を対象にした特例水準(いわゆるC水準)に関する議論を見てみるとともに、全医療機関が「直ちに(今から)取り組むべき事項」を確認します。

研修医などでは、短期間に集中的に多数の症例を経験する機会が必要

医師の健康確保と地域医療の確保との両立を目指し、2024年4月から医師(勤務医)の時間外労働について、次のような上限を設けてはどうか、との提案が厚労省から行われています。

【原則】(A水準)
▽年間960時間以下・月100時間未満
▽やむを得ず月100時間を超える場合には「産業医等による面接に基づく必要な措置(就労制限など)をとる」ことを義務化し、あわせて連続勤務28時間以内・勤務間インターバル9時間以内などの努力義務を課す

【地域医療を確保するための特例】(B水準、地域医療確保暫定特例水準)
▽年間1860時間以内
▽連続勤務28時間以内・勤務間インターバル9時間以内などを義務化するとともに、やむを得ず月100時間を超える場合には「産業医等による面接に基づく必要な措置(就労制限など)をとる」ことを義務とする

【技能向上のための特例】(C水準)
▽年間1860時間以内
▽連続勤務28時間以内・勤務間インターバル9時間以内などを義務化するとともに、やむを得ず月100時間を超える場合には「産業医等による面接に基づく必要な措置(就労制限など)をとる」ことを義務とし、さらに初期臨床研修医(C1)については更なる配慮を行う

(以下略)


本当に抑制したいのか?

 

それとも妙な強制力(だけ)を発揮して無理やり医師を働かせるようにして、長期的に医療の崩壊を望んでいるのか。

 

それとも想像力が欠如した人ばかり(加えて現場にいない人ばかり)が会議にいるのだろうか?

 

まぁ、あまり期待するところはないですね。

 

むしろ状況は悪化しそうだなぁと・・・。将来医師になる優秀な人材はいなかったりして

 

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医学教育の質の改善が必要:教育提供体制の改革が必要・・・全く同意見です

2016-07-14 05:39:28 | 医局制度改革・医学教育改革

おはようございます。

 

7月から更新頻度を上げると書いておきながら、上がっていないので朝書いております。

僕は医師でありますが、後輩の教育も含め「良い医師を育てる」ことにはすごく興味がありますし、大切なことだと思っています。大学の質が低下しているのではないかという意見は、少なくとも当大学には当てはまります。

そのような記事がありましたので、ご紹介します。

 

東大理1、順位低下で山梨大以下に…優秀な医学部生の才能を「殺す」大学の質低下

http://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%e6%9d%b1%e5%a4%a7%e7%90%861%e3%80%81%e9%a0%86%e4%bd%8d%e4%bd%8e%e4%b8%8b%e3%81%a7%e5%b1%b1%e6%a2%a8%e5%a4%a7%e4%bb%a5%e4%b8%8b%e3%81%ab%e2%80%a6%e5%84%aa%e7%a7%80%e3%81%aa%e5%8c%bb%e5%ad%a6%e9%83%a8%e7%94%9f%e3%81%ae%e6%89%8d%e8%83%bd%e3%82%92%e3%80%8c%e6%ae%ba%e3%81%99%e3%80%8d%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e3%81%ae%e8%b3%aa%e4%bd%8e%e4%b8%8b/ar-BBudugW#page=2

「最近の学生は出来が悪い」
「高校で習っておくべき、基礎的な教養が身についていない」

 医学部の教授のなかには、このように嘆く人が少なくない。このことは、医学部で教鞭をとる人たちを対象とした調査でも示されている。2012年11月に全国医学部長病院長会議が発表した「医学生の学力低下問題に関するアンケート調査報告」では、全国にある80の医学部のうち、75校の担当者が「医学生の学力が低下している」と回答していた。

 その理由として「ゆとり教育」(65校)、「医学部定員の増加」(58校)、「若者全体のモチベーションの低下」(44校)、「医学部教員の多忙」(43校)が挙げられていた。特に、多くの医学部長や病院長が、08年から実施された医学部定員の増員が悪影響を与えたと考えている。1966年は18歳人口の700人に1人が医学部に進んでいたが、13年には136人に1人となっている。医師専用の情報交換サイトであるエムスリーのインタビューで、福島統氏(東京慈恵会医科大学教育センター長)は「門戸は昔よりかなり広がっている」ことを問題視していた。

 一方、進学校の教師のなかには、「最近の優秀な生徒は、みな医学部に行ってしまう」と嘆く人が少なくない。「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/6月18日号)に掲載された「特集 最新医学部&医者」によれば、主要進学校の卒業生の多くが医学部に進学している。たとえば、今春の受験では、東海は208人、ラサールは151人、灘は150人、開成は129人、桜蔭は96人が医学部医学科に合格していた。

 このように両者の主張は、真っ向から食い違う。果たして、どちらの言い分が正しいのだろうか。

●医学部入学者の能力をどう評価?

 そもそも、どうやって医学部入学者の能力を評価すればいいのだろうか。

 私は偏差値に着目し、医学部入学者の能力の変化を評価しようと思った。もちろん、入学者の能力を評価することは難しい。学力だけがすべてではない。ただ、学力は医学を学ぶ上で重要だ。それに、毎年予備校が大学の偏差値を評価し公開しているため、定量的に評価できる。偏差値は、各予備校が総力をあげて弾き出す数値だ。やる気や人間性のような主観的な評価と異なり、客観性がある。各大学の合格難易度を、もっとも正確に反映したものといっていいだろう。

 当然ながら、単純に医学部の偏差値を調べても意味がない。大学進学率は1980年の30%から、2015年には41%に上昇しているため、難関大学の偏差値はおしなべて上昇しているからだ。

 医学部入学者のレベルを評価するには、比較対象が必要だ。そこで、私は東京大学の理科1類と比較することとした。東大理1が日本を代表する理系学部であることに異存がある人はいないだろう。

 私は、国公立大学医学部を対象に、2016年と1985年の偏差値を比較した。偏差値は河合塾が発表しているデータを用いた。私大医学部を対象から除外したのは、私大は受験日をずらしているからだ。このため、合格者の多くが入学を辞退する。表向きの偏差値と実際の入学者の偏差値に乖離がある可能性が高い。

●東大理1が岐阜大と同レベル

 本稿では、この調査結果をご紹介しよう。実際に調査を行ったのは、当研究所のスタッフである矢野厚君と村田雄基君だ。

 まず、1985年の国公立大学医学部、および東大理1の偏差値を図1に示す。

 トップは東大理3と京大で70。ついで阪大医(65)、名大医・東北大医・九大医・北大医・神戸大医・東大理1(62.5)と続く。東大・京大・阪大の医学部が最難関で、東大理1と旧七帝大の医学部は、ほぼ同レベルの難易度だ。

 では、現在はどうだろう。図2に2016年の偏差値を示す。

 上位は東大理3・京大医・阪大医(72.5)、名大医・東北大医・千葉大医・東京医科歯科大医・山梨大医(70.0)と続く。東大理1の偏差値は67.5で、1985年と比較して大幅に順位を下げた。かつて二期校だった岐阜大、山口大、旭川医大と同レベルだ。年配の方には、にわかには信じられない結果だろう。

 では、この30年間に、どのような大学の偏差値が上がったのだろう。結果を図3に示す。

 偏差値が上昇したのは山梨大、弘前大、岐阜大、旭川医大(12.5)、琉球大、三重大、福島県立医科大、福井大、名古屋市立大、長崎大、千葉大、島根大、高知大、熊本大、香川大、秋田大(10)と続く。

 一方、偏差値の変化が少なかったのは、東大理3、京大医で2.5しか上がっていない。ついで、東大理1、北大医、奈良県立医科大、札幌医大、神戸大、群馬大、九大、金沢大で5だ。

 地方の国公立大の医学部が急速に難しくなり、いまや東大理1とほぼ同レベルになっていることがわかる

●医学部生は被害者

 では、全国医学部長病院長会議の幹部が主張するように、医学部の定員を増やしたために、入学者の学力が低下している可能性はあるのだろうか。

 図4は、最近5年間の国公立大医学部の偏差値の変化である。低下しているのは九大と金沢大だけだ。2.5下がっている。ちなみに、東大理1も2.5低下している。

 ただ、偏差値が下がっているのはごく一部だ。53の国公立大学医学部のうち、32は偏差値の変化がないし、旭川医大や弘前大など11大学は2.5上昇している。つまり、医学部の定員を増やしたせいで、入学者の学力が低下しているとは言いがたい

 では、もし全国医学部長病院長会議の幹部がいうように、医学部生の学力低下が起こっているとしたら、何が問題なのだろうか。少なくとも、入学者の質が低下しているわけではない

 そうなると、教育システムに問題があるか、そもそも「医学部生の学力低下」という前提が間違っているのだろう。私は両方の側面があると思う。

 現在の医学部教育はいびつな状況だ。東大理1合格並みの学力をもつ学生が、地方の国公立の医学部に入学しているからだ。教授たちが学生だったときとは、まったく状況が違っている。果たして、教育体制は学生にあわせて変わったのだろうか。私は、そこに問題があると思う。

 優秀な学生を指導する際には、自分で考えさせることが重要だ。教員の仕事は、知的で魅力的な環境を提供すること。そして、締めるところと、自由にさせるところのバランスをとらねばならない。特に後者は重要だ。

 米国の大学は、授業は厳しいが夏休みなど休暇が長い。その間にボランティアなど自由に活動する。多数のノーベル賞学者を輩出した京大は自由だ。開成や灘などの有名進学校も自由である。詰め込み教育はしない。

 ところが、昨今の医学部教育は正反対だ。講義と実習を詰め込み、夏休みや冬休みは短い。授業の出席をとり、小テストを繰り返す大学が多い。ひどいところになると、医師国家試験対策用の授業や試験を行う。さらに医師国家試験用の予備校に通う学生までいる。これでは、教養は身につかず、自分で考えられない。まともな大人に育たない。「最近の医学部生は学力が低い」と感じることもあろう

 ただ、その責任は大学生にはない。むしろ彼らは被害者だ。せっかく優秀な頭脳をもって医学部に入ってきているのに、その才能を伸ばしてもらっていないのだ

 今考えるべきは、医学部教育の中味だ。詰め込み一辺倒ではダメだ。座学をやめて、実習で締め上げるのも同様だ。しっかりした思考力、教養をもち、自分で考えることができる人材を育成しなければならない。そのためには、学生自身の試行錯誤が必要だ。

 そして、そのためには彼らを指導する教員のレベルをあげなければならない。医学部に必要なのは入試の改革ではない。教育提供体制の改革である
(文=上昌広/特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長)

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どこかで中略する予定が、全文紹介になってしまいました(汗

 

ちなみに「図」はmsmのサイトにもなかったのですいません。

 

この件に関しては基本的に同意見です。学生の質はどうかと言われれば、入学当初はわかりませんが少なくとも病院実習の段階では「質は低下している」という印象があります。

 

僕は学生時代に同級生をマンツーマンで2人(午前中、午後)教えていたのと、夜は10名くらいの人と一緒に勉強したりしていたのですが、「勉強の仕方」を教える必要のある方は1人しかいませんでした。

何を言いたいかというと大学は「自分で学ぶ」場所ですので、予備校や塾などで「教えられていることに慣れている」学生の場合、自分でどう勉強してよいかわからないということがあります。どこがポイントかがわからない…というのでしょうか。

 

この病気の核にあたるものは「この2つ」であるので、これをしっかり理解したらあとは派生ですべてわかる…というようなものをどれが重要かわからないから、片っ端から暗記しようとして何も手についていないような。

 

この手の同級生の国家試験合格のために彼の問題集に付箋紙を張って「付箋のところ以外は勉強しなくてよい」と言って、合格までこぎつけましたが…今でも「あいつが医者になったのはお前のせいだ」と言われたりします。

 

学生時代は「全員合格」を至上命令として(学生の代表としてそういう会議にも出ていました)受けていたので、しょうがないと思うのですが…(汗

 

ですので上先生の言う「自由に学ばせる」、すなわち学び方及び考え方を早い段階で身に着ける、ことが先々では重要だと思います。

 

うちの大学も「医師国家試験対策ビデオ」などを見ているというのですが、国家試験で上位を維持していた僕らの周辺の学年でそんなことをしている人はいませんでした。僕は思わず今の6年生に「無駄な時間を・・・。僕に任せてもらえれば、今から半年で体制を整えるけど」というような話をしました。まぁ、大学から要請がなければたぶん僕は今回の異動で、うちの大学の教育にかかわることはなくなると思いますが。

ちなみに「付箋紙」貼って勉強する問題を絞り込むこともできます(学生時代に国家試験の勉強のために、学生模試をしていましたが、僕の作っていた問題は自作です)ので、アンチョコ本を作る自信もあるのですが、その話をしたらぜひ作ってほしいという話が来ました(笑

 

まぁ、こっちはどうでもいいと言えばどうでもいいのですが。

 

で、医学部教育の質は本当に低下していると思っています。例えば教員数。うちの大学に至っては「学生数増加」に対して教員数は「増加」ではなく、増やせなかったことで仕事量が増えたり、他のいろいろで「減少」している印象があります。

臨床・教育・研究とくれば、この順序で優先事項が上がると思っています。

 

臨床現場は諸事情があるのですが、僕が診ていたころの6割程度の患者数で動いています。そうすると研修医や学生の教育にも影響が出てきます。当然研究に割く時間はなくなっていきます(そもそも公称800床なのに実働600床だし)。

 

僕は良い医師を育てるために「学生の指導」を行うためには、大学教員の待遇や質を担保しなくてはならないと書き続けてきました。

医学部定員国管理見直し論:いずれにせよ、医局改革が先だと思う

医師教育制度はどうするべきか?

大学病院の待遇改善が最重要だと思う

医学部新設問題:医学教育の質の問題

医局の役割は?

自分でずいぶん昔から書いていたなぁ・・・と思ったのと、探していてヒットしてきた記事の意見に思わず頷いてしまった(w

 

今後の医学教育がどうなるかわかりませんが、今の雰囲気だと僕は先行きが心配です・・・(頭は悪くないはずなのに…と思う医師が多い。まぁ、それは僕より上の医師でも似たようなものかもしれませんが)

 

医療制度・医学教育の改革がなってほしいなぁと現場で思う今日この頃です(そういう意見は吸いあがらないw)

 

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お互いの違いを学びあう社会に

2015-07-05 15:31:40 | 医局制度改革・医学教育改革

こんにちは

 

先週末も研究会が多かったのですが、今週もいろいろありました。

月曜日のウェブカンファ、金曜日の東京でやっていたポマリドミド、昨日は筑波で血液内科の関東甲信越地方会なるものが行われていました。

 

昨日の地方会で後輩の発表手伝い(というよりは温かく見守り?)に行きましたが、非常に全体が遅れて(遅らせた原因の一人は僕かもしれませんが)変える予定の時刻から1時間近く遅くなりました。

 

19時ころつくばを出て、大学についたのが21時ころ。そこから実験を開始して終わったのが午前1時過ぎ。今日は病棟のバックアップと研究データ解析にいっておりました。まぁ、朝一番に救急コールで目が覚めましたが・・・はい。

けど、データは良い感じに出てきました。はい。

 

さて、今日は昔から言っていることをもう一回書きたいなぁと思っております。

僕はずっと医局間の横の連携を・・・と書いてきました。ほとんどの医師がどう思っているのかは知りませんが、絶対に各医局間でいろいろな違いがあります。医局以外も病院、診療所間、様々な連携は必要です。

 

医学部の横の連携を

医局は村社会と言いますよね

医療連携:縦と横と心

 

さて、先ほど月曜日にウェブカンファがあったと書きましたが、演者はH医大の有名な先生でした。ハプロ移植(やり方はH医大方式かPost CYかどちらかだと思います)で有名な先生でしたので、いろいろ楽しみにしておりました感想を一言。

「確かにそのやり方であれば、その考え方を背景にハプロ移植できるだろうなぁ・・・・。けど、論文にその細かいやり方は書いていないじゃないか。実はそのちょっとしたやり方はすごい重要だぞ…(汗

まぁ、論文には書けないだろうけど・・・

 

H医大の考え方はATG(抗胸腺細胞グロブリン:強い免疫抑制剤)でGVHD(ドナーさんの細胞が患者さんを攻撃する反応)を起こさないように予防する。そしてそのサポート+GVHDのトリガーを引かせないためのメチルプレドニゾロンで様々な反応を抑える・・・というもので、理屈は良くわかりますが、感染症をよく起こさないなぁと思っていました。

 

今年の造血幹細胞移植学会で「感染症が増えそうなのに、なんでふえないのか。どこにコツがあるのか」と聞いたときに、この講師の先生が「うちに見に来たらわかるよ」と言われていましたが…何となく、理由の一つがわかったような気がしました。

 

おそらく、他にもいろいろとあるのだろうと思います。

 

はいろいろな医局が「自分たちはスタンダード」と思ってやっていたり、「スタンダードではないが自分たちが正しい」と考えてやっていたり、いろいろあるのだと思います。論文などには載っていない、細やかな違い。それを学びあうことはおそらく患者さんのメリットになるのだろうと思っています。

 

たぶん、僕の中でも「これはうちに特有だ」と思っていることが少しあります。僕はそれを認識しながら自分のところのレトロのデータと、一般的なデータとを比較するとうちの成績は良いと思っているので、これまた「正しいのだろう」と思っていることがありますが、どうしても前向き試験をしないとわからないことです。

 

いろいろな違いをお互いに学びあえればより良い医療を提供できると信じています

 

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医局は村社会と言いますよね

2015-02-25 23:57:37 | 医局制度改革・医学教育改革

こんばんは

 

今日は研究→ちょっと外来→リサーチカンファ→実験をちょっと、当直決め、卒業パーティ後の二次会の設定、移植学会準備などにあたっており、気が付いたら23時過ぎていました。たまたま、Blogのアプリを開いたら、コメントがいくつか載っていたので慌てて帰宅して、コメントの返信をしたというところです。

 

先週の金曜にあった研究会で「某有名病院」の部長の先生が

「こんなセカンドオピニオンがあった」

という話を少し交えて講演をされ、個人的には「ウソだろ~。そんな医者(血液内科医)いたらいやだよ」と思いましたが、よくよく考えると昔も何名か、ひどい状況(というか、いつの治療しているのか)で紹介されてきたり、「どうしてそういうことができる」と突っ込みたくなるような判断されて、救急搬送されてきた患者さんがいたなと思い、あり得るかもと思ったりしました。

 

ちょっと情けない話ですが。

 

そんなわけで、コメントの返信を急いだわけですが、基本的には「性善説」で行きたいと思っておりますので、医者は患者さんのために自己研鑽に努め、日夜忙しく働いていると思っております

 

ただ、医療の世界って、縦割り、医局ごとのイメージが強いです。大学病院の医局の垣根をなかなか超えないので、自分たちがやっている治療が正しいと信じています(自分が正しいと思わずに患者さん診られても困りますが)。もちろん、最先端の知識を収集してやっているわけですが(血液内科なんて、特にそうだと思うのですけど)、どうしても村社会になってしまいます

 

うちも当然、自分たちのやり方というのがあります(うちは本当にスタンダードな、奇をてらわない病院だと思いますが)。今度の移植学会で発表するのも、今までは(僕や2個下の後輩まで)論文ではあまり根拠がないとされていたので、やっていなかった(ちなみに現状でもデータはない)のだけど、国立がんセンターなどに研修に行った後輩が「がんセンターではこうしていた」という話が出たので、そこからやってみていることを、「やるまえ」と「やりはじめたあと」で解析したというような感じですし。

 

僕は自分の知識が絶対に正しいかはわからないと思っています。意外と調べたら「こんなこと言われていたのか」というようなこともありますし。

 

ですから、いろいろ他の施設と異なっているということはあるのだと思います。本当はそういうのを統合して、より良い医療を患者さんに提供できればよいのだけどといつも思っています。

 (過去記事)

大学病院の待遇改善が最重要だと思う

医局制度改革・医学教育改革(46)

医局の役割は?

医学部新設の良い点は?

大学病院や地域の病院を改革させる、もしくは改革できるような体制を作らせることが肝要だ

医学部定員国管理見直し論:いずれにせよ、医局改革が先だと思う

医師教育制度はどうするべきか?

医療連携:縦と横と心

新しい医局制度:全医連に対する期待は・・

 

僕は横の連携ができるように、お互いの違いを学びあえるようになればよいと思っています。

なかなかうまくは行きませんが(笑

 

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東北の医学部新設問題:医師は足りてないけど、教官はどうやって集めるのだ?

2013-12-02 21:42:27 | 医局制度改革・医学教育改革

こんばんは

 

今年ももう終わりですね。早いものです。

さて、今日は東北の医学部新設関係の記事を少し紹介します。

 

東北に医学部、2015年春開学へ 36年ぶり1校新設

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131129-00000028-asahi-soci

朝日新聞デジタル 11月29日(金)15時57分配信

 下村博文・文部科学相は29日、2015年春に東北に医学部を新設する方針を表明した。復興支援と医師不足解消のための特別措置として、1校限定で認める。医学部新設は1979年の琉球大以来36年ぶり。入試定員や奨学金に「地域枠」を設け、相当数の卒業生が東北にとどまることを想定している。

 下村氏は「(厚労相ら)関係大臣による基本方針として位置づける。復興施策として、近くまとめる政府の経済対策にも盛り込む」と述べた。

 東北での医学部新設については、仙台市の東北福祉大と東北薬科大の2校がすでに構想を発表。文科省は今後、▽在宅医療や総合診療、放射線に関する健康管理など地元ニーズに合わせた医師養成を進める▽教員となる医師を全国公募するなどして地元の医師不足を加速させない――といった条件のもとで、有識者会議で申請を審査し、1校にしぼる考えだ。仮に大学側の準備が15年春に間に合わない場合は「弾力的に対応する」(下村文科相)としている。

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それに対して、読売新聞やCBからの記事では

東北で医学部新設「医療の質低下」と大学側反対

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131202-00000924-yom-soci

読売新聞 12月2日(月)18時40分配信

 全国80の国公私立大で作る全国医学部長病院長会議(会長=別所正美・埼玉医科大学長)は2日、緊急記者会見を開き、東日本大震災からの復興を目的に、文部科学省が東北地方での医学部新設を特例的に1校限定で認める方針を決めたことについて、反対の意向を表明した。

 別所会長が「医学部の新設は医療の質の低下をきたし、将来的な医師過剰を招く。今回の方針決定は遺憾。今後、新設問題が次々生じることのないよう、関係省庁に強く求める」と述べた。

最終更新:12月2日(月)18時40分

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医学部新設に反対、「復興とつながらぬ」-医学部長病院長会議が緊急会見

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131202-00000004-cbn-soci

医療介護CBニュース 12月2日(月)17時5分配信

 全国医学部長病院長会議は2日、緊急記者会見を開き、文部科学省が公表した東北地方の医学部設置認可に関する基本方針を受け、改めて新設に反対する姿勢を示した。会見では、全国80の医学部・医科大学の声が無視されたことを遺憾とした上で、文科省が目的に掲げた東日本大震災からの復興は、医学部新設と論理的に結びつかないとの指摘が相次いだ。今後、下村博文文科相などへ意見を提出することも検討する。【丸山紀一朗】

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 さて、いろいろ賛成意見、反対意見があると思いますが僕は長期的には賛成、短期的には微妙という感じでしょうか。

 

実際に医学部新設をするための「教官」ととしての医師を集めるために公募するということですが、教育能力の高い医師というのはそれほど多いわけではないと思います。

そして大学病院クラスの大病院で後生を指導している先生方に余裕があるかといわれるとわかりません。地域の病院でもある程度の基幹病院はあると思いますが、複数の常勤の医師がいる病院は少ないだろうと思います。

 

結局、医学部長病院長会議で「医師が過剰になる」と書かれていますが、医師は足りていないということを自分たちで話しているようなものだと思います。将来的な医師過剰というのは恐らく高齢化が落ち着いて、人口が減り始めたころではないかと。

 

ついでに…それは数十年先だと思いますし、大きな病気の患者が増えても「医師」が増えてこなければ対応はできません。基本的に「がん」などの患者は高齢であるほど多くなります。その高齢者が増えてきている+高齢者でも治療ができるようになってきている→医師のやることが増える…ということになります。

 

教官を増やすための施策を行って、その後医学部新設というのは2006年から書き続けている僕の考えですが(まずは大学病院の医師の待遇改善を)・・・・。

 

そして教官が上手く集まらなかった場合や、指導レベルが思ったより高くならなかった場合にどうしても医学部の質の低下につながります。それは大きな問題ですが、それを言い出したらいつ始めても難しいでしょうからね。ただ、今のタイミングは思ったより大変かもしれません。

 

今は大学病院の医師不足で多くの病院は人をさかれると厳しい状況だと思います。大きな民間病院はわかりませんが、中小病院から人を引き抜くのは難しいだろうと思います。

それとも大学病院で勤めていたけど、やめて開業されたりした先生方にもう一度現場に戻ってもらうのでしょうか?それも余程やる気のある人でないと無理ではないかと・・・(汗

 

僕の推測では人気のある民間大病院の方から集めるくらいしか、今は無理ではないかと・・・(汗

だから数年前からずっと言っているのですけどね。医学部新設に向かうためには「大学病院勤務医」の待遇を改善して、教育の質と量を上げて、医学部の定員を増やして、その上で新設が必要なら新設すると。

 

 2015年春まであと1年半、状況がどう変わっていくのか。楽しみにしています。

 

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大学病院の待遇改善が最重要だと思う

2013-06-23 20:11:26 | 医局制度改革・医学教育改革

こんばんは

 

今日は暑かったですね。思わず2時前後は少しエアコンを聞かせてしまいました。1時間くらいで室温が下がったので切りましたが。

 

さて、今日は少しYahooを見ていて、木曜日に次のような記事が出ていたことに気が付きました。

 

マーキュリー、医療業界に「メディキャリア」で最適な解決策を提供

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130620-00000019-scn-bus_all

サーチナ 6月20日(木)11時44分配信

医師、看護師等医療人材の職業紹介事業を展開するマーキュリー(本社:大阪市、代表取締役:岩本祐司)は、2013年5月に東京本社の移転、また、名古屋支店、福岡支店の開設など、医療従事者の人材ビジネスの体制を強化している。慢性的な人材不足に悩む医療分野に特化した同社の医師専門の求人サイト「メディキャリア」は、スマートフォンに対応し、より細かな転職ニーズにもスピーディに応えてもらえると、利用者の評価が高いという。

 医師、看護師等医療人材の職業紹介事業を展開するマーキュリー(本社:大阪市、代表取締役:岩本祐司)は、2013年5月に東京本社の移転、また、名古屋支店、福岡支店の開設など、医療従事者の人材ビジネスの体制を強化している。慢性的な人材不足に悩む医療分野に特化した同社の医師専門の求人サイト「メディキャリア」は、スマートフォンに対応し、より細かな転職ニーズにもスピーディに応えてもらえると、利用者の評価が高いという。医師専門でのキャリアが10年を超えるコンサルタントらによる転職希望医師への質の高いコンサルティングと、その医師たちの心に刺さる求人として好評の有料広告掲載とのマッチングが極めて斬新と話題になっている。

 マーキュリーは、2003年の設立以来、医療分野に特化した人材ビジネスを展開。2800以上の医療機関に対し、年間7000件以上の紹介実績を誇り、これまでに6万人を超える医師を紹介してきている。現在の医師登録者数も業界トップクラスの1万2000名に達する。

 医師専門の採用募集・求人広告サイト「メディキャリア」には、新たに「メディキャリア採用コンサルティングサービス」を導入し、求人広告に対して、医師が必要とする情報を不足なく伝えられるようなコンサルティングを実施し、情報内容の拡充を図っている。同社のコンサルタントである爲國公之氏は、「医師個人の活躍の場として最高の環境を整え、また、医師のQOL(生活の質)の向上に寄与できる交渉をとことんやり尽くしてきたからからこそできる、プロモーションの提案があります」と、専業ならではの強みを強調する。

 また、「新鮮な求人情報も、イメージしやすい詳しい情報(仕事内容や、職場環境など)も、求人側の医療機関との強いパートナーシップがあってこそ、掲載することができます。医療機関との強いつながりから集めた求人の一つひとつが、お仕事をお探しの医師・看護師の未来になるのです」と、専任コンサルタントのモットーである「医師・看護師に、最高の仕事と人生を」というキャッチフレーズが、求人サイトの情報一つひとつにも行き届いていると語っている。

 実際に、マーキュリーを利用して転職を実現した医師からは、「専門性を活かし、入職時より患者数を増やせ、給与も向上した」「やりたい医療に専念できる環境になった。特に事務長の人柄に魅かれた」など、医師の希望に叶った医療機関を紹介するまでのコンサルティングの効果を評価する声が多い。

 同社では、「より細かな採用ニーズに応えるため、時代の変化、顧客ニーズの変化に合わせて、サービスを変化し続け、顧客とのパートナーシップを維持し、更なるソリューションの価値向上をめざします」と、さらなるサービス拡充に意欲的だ。(編集担当:八木大洋)

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別にこの会社の紹介をしたかったわけではありません。他にも様々な同様の会社があります。昔の医局の一つの役割を持っているのだということを改めて認識しただけです。

 

2006年ころに名義貸しの問題などがありましたが、昔は「医局」からの医師派遣が重要な意味を持っていました。医師にとっても病院にとっても。これはもしかすると今でも「地域の病院」では重要なことかもしれません。

しかし、医師の側から見れば「医局に属さなくては働いていけないし、自分の希望通りのことはできない」わけではない。「やりようはいくらでもある」という話になります。

医局のこのような役割は本当に減弱したのだろうと思います(都会では)。

インターネット社会になり、勤務医(家などを買っていなければ)は動きやすいのだと思いますけど。

 

さて、この人材(医療従事者)派遣会社も今だからこそよいということだと思います。もしかすると、あと数十年は医師不足のまま続くのではないかと僕は思っていますので、その間は安泰かもしれません。需要と供給に関して需要の方が多いわけですから、供給側はいいですよね。

これは国民や患者さんにとってはよいことではないですけど。

 

恐らく、僕が知っている限りでは「医師不足」が将来解決すると思っている人の方が多い印象も受けます。少なくともこれ以上増えすぎないほうが「医師としての自分」にとってはよいと思っている医師がかなり大勢存在していると思っています。

もちろん、逆の考えを持っている医師も大勢いて、僕は医師数を増やして「質が下がる」ならば、質の下がった医師が排除されていくようなシステムを作ればよいだけで、質が悪くても生き残れる(全体が少ないので、どこかで働ける。少なくとも上記のような医師紹介サイトに求人広告をしている病院はかなりあります)ような世の中だからこそよくないと思っています。

専門分野をアップデートするのも大変です。少し現場から離れれば、実際がわからなくなり通用しなくなっていきます(だから、以前疑似病院のような研修会社を作ることにメリットがあると考えましたが)。基本的なところは変わらないことが多いので、何とか専門分野は何とかなることが多いですが、治療法を大きく変える新薬が出てきたときにその使い方などがわからなければ、患者さんの不利益になります。

 

また、総合内科専門医を取得して、まだ2年程度でしかないですが、他の分野で新しい薬が出た場合、すでにアップデートが遅れています。「あの薬は使ったことがないから使いにくいなぁ。実際はどうなんだろう」と思うことがよくあります。そのくらい医療の情報が早くなっています。

総合内科…というのは確かに何でもできるという良い面があります。家庭医というのも同様です。よく診る疾患から情報のアップデートをしていきますが、すべての疾患のアップデートが追い付くわけがありません。仮に毎週末、どこかの研究会に出ているとしてもある程度の情報しか集まらないだろうと思います。そのくらい専門性が高くなっていっています

その為、専門医は専門医で「優先順位」をつけて情報収集しなくてはなりませんし、総合医は総合医で「優先順位」をつけて勉強しなくてはなりません。時折、「いつの時代の治療を継続しているのだ」と思う医師もいますので・・・。

僕自身、ついていけなくなったら、現場の第一線からは離れなくてはならないと思っていますが、今の医師数では離れられないでしょう。それが問題なのだと思います。

 

さて、医局に関しては今までもいろいろ書いてきました。

医局制度改革・医学教育改革(46)

医局の役割は?

医学部新設の良い点は?

大学病院や地域の病院を改革させる、もしくは改革できるような体制を作らせることが肝要だ

医学部定員国管理見直し論:いずれにせよ、医局改革が先だと思う

医師教育制度はどうするべきか?

医療連携:縦と横と心

新しい医局制度:全医連に対する期待は・・

今は「医局、大学病院」は「臨床と基礎研究をつなぐ架け橋」であり「最大の教育施設」であると思っています。もちろん、基礎研究だけではありません。臨床研究はいろいろな施設が合同して行うものですが、大学病院でなくても臨床研究は実施できます。

 

しかし、基礎研究の結果を臨床へつなげる「Translational research」を行う施設は基礎研究もできるところでなくてはなりませんし、それができるのは臨床現場を見ている医師でしかありえません。基礎から臨床へ、臨床での気づきを基礎研究へ移し、臨床へ戻すことは大学病院だからこそできることだと思っています。

 

それゆえ大学病院の立て直しが必要でしょうし、改革がやはり必要だと思っています。

 

大学病院は本来「基礎研究と臨床研究をつなぐ役割を持ちたいと思う医師」が所属し、それを教える組織であるべきで、またそれを実施すべきだと思います。また、基礎医学、臨床医学を学生に教える組織であり、研修医や後期研修医(専門研修医)を教育するところであるのもよいのですが、やはり立ち位置としては「Translational research」が行えるだけの医師がおり、それをささえるスタッフがおり、他の病院へバイトなどに行かなくてもよいだけの待遇(基本的に一般病院より大学病院の方が給与が悪い。格段に)の確保が行われるべきだと思っています。

 

そして横の連携をすること。研究内容はともかく、臨床に関してはより良いシステムを作り出していくことだと思います。その為には医局の垣根を越えた横の連携が必要不可欠だと思っています。このような話をし始めてからもう7年にもなりますが、今でも考えは変わりません。

 

地域の病院に関しても、どこかで集約化して、開業医の先生との連携(臨床面での情報共有)+病院までの時間的距離を縮める方法を考えなくてはならないのだろうと思います。

 

それらをすべて行うためには結局、医師は足りないだろうと思います。

理想を目指すか、できなくなればそれで「できることをやる」のか(医師はよいです。自分で情報を集められますから。それもあって医師の家族にも中途半端なことはできません。たぶん)・・・。そう思っているからこそ、今医療を変えていかなくてはならないと思っています。

 

話が難しく、ごちゃごちゃしてきてしまいましたが僕が昔から「もっとも重要」なことは「大学病院の医師の待遇が改善されること」だと思っています。「バイトに行かなくては、一般病院の医師と同じような収入が得られない」ために、バイトに行き、その為に「教育」「研究」の質が下がるというのは問題だと思います。

大学病院が「最大の教育施設」であり、この目的を達成するために様々なことを改善しなくてはならないと思っていますが、その最たるものとして待遇だと思っています。

 

もちろん、バイトに行っているために「専門バカ」にならなくて済むのかもしれませんが。

 

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医学部新設問題:医学教育の質の問題

2013-04-27 22:32:34 | 医局制度改革・医学教育改革

こんばんは

 

今日は「藁の盾」という映画を見に行ってきました。面白かったです。

さて、本日はこちらの記事を紹介します。

 

 

 医学部新設を目指している仙台厚生病院(仙台市)の目黒泰一郎理事長は、キャリアブレインの取材に対し、「医師の有効な偏在解消策がないまま既存の医学部の定員を増やしても、東北の医師不足は解消しない」と述べ、東北地方に医師を定着させる制度を持った医学部を新設する必要性を強調した。卒業生を東北に定着させるため、大学が指定する医療機関での一定期間の勤務を条件にした奨学金制度などを設ける方針だ。

 目黒理事長はまた、全国医学部長病院長会議などが「医学部新設で入学試験の難易度が下がり、医師の質が低下する」との懸念を示していることについて、「学生側の問題ではなく、教育の質の問題だととらえるべきだ」などと反論。
 自民党の「東北地方に医学部の新設を推進する議員連盟」が、東北での医学部新設を認めるよう政府に求める方針を決議したことについては、「追い風が吹いていると感じている」と語った。

 同病院では、東北福祉大(同)と連携して医学部新設を計画。基礎医学講義や研究は東北福祉大のキャンパスで、臨床実習は仙台厚生病院を中心に複数の既存病院で行う構想だ。【高崎慎也】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここで「入試のレベルが低下する」と書かれているのは、それはもちろんある一定レベルを担保する必要はありますが、むしろ教育の質でしょうね。

 

何を阿呆なことを・・・というのは入試で学生のレベルが低下することと、医師のレベルが低下することと一般的には並立しないはずなんですがね。CBTや国家試験に通らなければ医師になれないのですから。

 

まぁ、だいたい偏差値40で合格する今の国家試験の制度(ある一定レベルを担保しているという前提ですよね)を改めればいいだけで・・・。

 

今までも書いてきましたが、医学部新設問題は…一番重要なことは「教育の質」を担保できないこと、2つ目が現場の医師を教育現場に引き込むことで地域医療などが破たんする可能性が高いこと…だと思っています。

だから僕はこの5、6年間ずっと「まずは大学病院の医師の待遇から改善するべき」と言い続けてきました。ちなみに個々の待遇がよくなれば、大学病院に優秀な医師はそれなりに集まり、教育の質も改善します。論文だけでなく、臨床にも強い医師が。

そして個々の大学の定員を増やし、状況を見て医学部新設にかじを切る・・・というプランがよいのではないかと考えています。

 

意見はずっと変わらないです。状況があまり変わっていないので。

 

ただ、この病院群+東北福祉大…に関してはもしかするとうまくいくかもしれません。ただ、おそらく血液疾患も含めてあまり見れないものがいくつか出てくるのではないかと思っていますが・・・。

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P.S

本当はCBTに合格すれば決められた臨床実習病院(各大学病院や大病院)をどこでも実習できるようにしておけば、こんな話はすぐ解決するんですけどね。CBTはそのための呼び水になると思っていたのですが。

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学生医の導入?:それをやるなら同時に国家試験も変えないと・・・

2013-02-04 22:06:14 | 医局制度改革・医学教育改革

さて、一つ追加します

 

 日本医師会は、医学部教育から前期臨床研修までの医師養成制度の改革案を、30日の記者会見で発表した。診療参加型臨床実習に加わる医学部5-6年生を「学生医」(仮称)と位置付けて各種の支援を行うことや、医師養成や医師確保における都道府県内の取り組みを集約化するのが柱。今後、日医は医学部の学生や臨床研修医への情報提供を行うほか、財源の確保などを国に働きかける方針だ。

 臨床研修制度の方向性として、▽地域社会での充実した研修体制の構築▽単なる労働力としての位置付けではなく、研修に専念できる環境の整備―を示し、日医が支援することを明記。医学部5-6年生の2年間の診療参加型臨床実習と、その後の2年間の臨床研修で、プライマリーケア能力を獲得し、「自立して患者を全人的に見ることができるよう、適切な初期対応能力を身に付ける」との達成目標を掲げた。

 こうした初期対応能力を身に付けるため、臨床研修システムの改革にも言及。これまで日医が設置を求めてきた、大学ごとの臨床研修センターや都道府県ごとの研修機構のほか、医療法に基づき各都道府県に設置されている地域医療対策協議会、モデル事業の地域医療支援センターの4者を再編し、医師の養成・確保を担う「都道府県地域医療対策センター」(仮称)に集約することを提案した。

 今月中旬に開かれた全国医学部長病院長会議で、臨床実習開始前の学生が受験する共用試験の合格者を「学生医」(同)として認定する制度が示されているが、日医も今回の提案で、学生が安心して実習に取り組めるよう、同様の「学生医」(同)の位置付けが必要であると指摘。日医として、指導教員の確保と指導力向上のため、国に対して十分な財源の手当てと対策を要請するなどとした。【新井哉】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まず・・・実際にこれを導入するのであれば、CBT合格者はどこの病院でも病院実習(学生医として働ける)とするのが本筋だろうとは思います

 

これは僕がCBTの試行の段階で言っていたことだし、今も本来ならそうすべきだと思っています。

 

しかし、教員数が不足している状況ではいろいろ難しいところもあるかもしれません

 

あとはそれと並行して国家試験の考え方を変える必要があるかもしれませんね。今までの制度であれば「国家試験一発勝負」だったので、臨床実習期間も大学ごとに違いました(ようするに早く切り上げて国家試験対策に専念するところもあれば、うちみたいに結構遅くまで臨床実習しているところも)。

国家試験は知識戦なのでまぁ、コツもいりますが・・・理解もいりますが、覚える時間は必要になります。

 

それを変えないと、「学生医」とか言ってもはなしにならないかもしれません。やるなら教育制度と同時に医師国家試験の制度を変えないとだめでしょうね。

 

「全人的に診療する能力」を持ったとどうやって、誰が判断するのか。そういう教育はされるけど・・・試験は相変わらず知識を求められる・・・。試験制度が変わらないなら、結局教育制度だけ変えても仕方がないのだと思いますよ。勉強につながらない。

 

将来の役に立つ・・・といっても、まずは医師にならないと…学生と思えば、なかなか知識ばかり要求される試験の前に臨床実習がきちんとできる人間は少ないでしょう。

僕は別に勉強を積み上げてやっていれば…3か月も試験対策できれば合格できるレベルだとは思っていますが、全員がそうだとは思えませんし。

 

そういう話が出てこなかったのでしょうか?

 

この制度を本当に導入するのであれば、必ず話し合わなくてはならないPointだと思いますが・・・。

 

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ちょっとびっくり(笑

2013-01-29 23:09:52 | 医局制度改革・医学教育改革

こんばんは

 

先ほど帰ってきました。

今日は病院実習をしている学生の反省会があり、参加しておりました。来週は学生の勧誘のための「医局説明会」もありますが・・・・。

 

さて、その場で教授に対し学生の一人が・・・・

「アンフェタミン先生の勉強会(クルズス)をカンファの時間でない時にやっていただきたいのですが」

といい、びっくりw

 

「いや、あれは4時間近く続く血液カンファの最中に寝る学生が増えてきたから、指導を兼ねてやっているだけで。教授や講師の先生のように深みはないのよ」

「しかし、それで十分です」

「確かに・・・国家試験などを念頭に置いて説明しているのですけど…(汗」

 

ちなみに全く話が分からない場合、4時間そこに座っているのはきついと思いますので、僕はそういうことをしています。僕だってよくわからない話を何時間も聞いてたら眠くなりますのでw

 

そんな話がありました

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P.S

昨日教授から「やっぱり、プレゼンテーションやスライドの作り方とか指導しないとダメかなぁ」と話があり、思わず「それをやっていただいたほうがありがたいと思いますが(笑」と言いました。

 

日本の医学教育はスタンダードもないですが、インプットばかりでアウトプットのやり方を教えていないのは本当に問題だと思います。

問題だらけの医学教育。一度すべてを根底からひっくり返して作り直してしまいたいような気もします(笑

 

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