新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医療用麻薬と非合法麻薬は依存性において全く別物

2016-10-30 08:49:39 | 医療

おはようございます。

 

昨日は帯広駅のほうまで走っていき、その後違う道をたどって家に帰るつもりでした。だいたいの方向はわかっていましたが、少し遠回りをしようと思ったらだいぶ遠くまで行っていました。スマートフォンが無かったら迷子になったんじゃなかろうかと、ちょっと反省w

 

さて、血液内科でも「骨髄移植時」や「緩和ケア」・・・僕に関しては積極的な相関の適応がない呼吸不全の患者さんの酸素量を抑えるために、「モルヒネ」などの麻薬を使用します。

こんな記事がありましたので、多くの方が認識されている件だとは思いますがご紹介いたします。

 

医療用麻薬への誤解広がらないか… 高樹沙耶容疑者逮捕で医師の懸念

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161026-00068225-okinawat-oki

沖縄タイムス 10/26(水) 6:00配信

 医療用大麻の解禁を訴えていた元女優の高樹沙耶容疑者(53)が、大麻を隠し持っていた疑いで逮捕された。がん患者の痛みの軽減などに有効な医療麻薬の普及に与える影響などについて、沖縄県の南部病院緩和ケア内科の笹良剛史医師に話を聞いた。

 世界では、がん患者への医療用麻薬の処方が推奨されている。日本でも医者と相談して正しく使えば痛みを軽減でき、患者を痛みから解放できる。今回の事件で、その認識が損なわれてしまわないかと懸念している。

 「麻薬」「大麻」に対する悪いイメージが広がり、医療用麻薬・大麻へのネガティブキャンペーンが起きる心配もあり、残念だ。

 神経難病などの痛みに効果的とされる医療用大麻も世界中いろいろな場所で使われている。

 日本では実用化が遅れており、普及に向けて真剣に研究している人たちもいる。正確な情報が世の中に伝わることを願っているし、マスコミにも正しい報道をしてほしい。

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多くの方が誤解していることですが、モルヒネなどの医療用麻薬の依存性はかなり低いです。最近、向精神薬として指定された「デパス(エチゾラム)」のほうが依存性が気になって、僕は使用できません(前医が使用していたので仕方がなく処方する以外は、僕が最初に処方したことは13年間では一度もないです)。

 

医療用麻薬(モルヒネなど)は基本的に依存性が低い薬物です。依存性が高いことにメリットが全くありませんので。むしろ痛み止めとして中毒を気にするならば「ペンタジン(ペンタゾシン)」のほうが気になります(僕は一度だけペンタジン使ってもらったことがあるのですが、普通の痛みどめもブロックも駄目だった椎間板ヘルニアの痛みが、すーっときえたのですごい効果があると思っております。もちろん、何回も使いたいとは思いませんが)。

 

一般的に非合法麻薬と言われているものには「モルヒネ」から作られた「ヘロイン(もとは咳止め)」などがあります。これは「身体依存」「精神依存」ともに高いため、まさに「やめられなくなる」麻薬になります。こういったものは規制されています。

(非合法)麻薬を売る売人としては「やめられなくなる」ものを使用しないと、金づるにならないですからこういったものを販売します。

 

もう一つ有名なものに「コカイン」があります。1800年代のコカコーラ(今は入っていないです)に入れていたという話ですが、コカという植物からとられたものですが、コカ系麻薬といわれます。基本的にこれも依存性が高いものになります。

 

基本的に医療用麻薬に関しては「依存性が低い」ことと「量を増やせば増やすほど、痛みどめの効果が強くなる」ことが特徴です。普通の痛みどめや準麻薬(ペンタジンなど)痛みを抑える上限がありますので、ここが大きな差になります。

 

痛いのに我慢する必要はないです。医療用麻薬で呼吸抑制の話が出ますが、普通は生じません(鎮痛効果の10~20倍の用量になります)。医療用麻薬は「痛み」のレベルと「薬の量」がトントンになるように使用します。この痛みを抑えるよりも少ない量で生じる副作用は「便秘」になります。

 

医療用麻薬は非常によい薬だと思っています。患者さんが最後の最後まで家族と話し続けることができたり(SpO2 30%台になっても話をされている方がいました。苦しくないかと聞いたら、「大丈夫。苦しくないです」とおっしゃっていました。別の方々でもSpO2 50%台で普通に話をされながら家族とお話をしながら、眠るように亡くなられました。うまく使えば、本当に良い薬だと思っています)、挿管管理ができない高齢のMDSの患者さんに肺炎の治療がうまくいかなかったらそのまま呼吸緩和を行う体制にして、目標の酸素量をSpO2 80%くらいにして肺炎が改善するまで粘ったこともあります。

 

療用麻薬と規制されている麻薬や覚せい剤は全く別物であることだけ、あらためて書いておきたいと思い記事を書きました。

 

明日から2週間ほど留守にします(世間から離れます)ので、コメントの返信などができないと思いますがご了承ください。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

 

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帯広で初めての週末:とりあえず走ってきました

2016-10-22 13:27:00 | Weblog

こんにちは

 

10月から帯広に来ましたが、週末を帯広で過ごすのは今日が初めてになります(仕事や学会で不在にしてました)。実は子供のころ2年半ほど帯広に住んでいたこともあったので、通っていた小学校やその他の場所を走って探索しておりました。

単身赴任中ということもあり、時間がかなり自由に使えるため、1時間半ほどかけてゆっくり市内の一部を探索しておりました。

 

23~25年前のころですので、すっかり風景も変わっておりましたが、変わっていない場所もいくつもあり懐かしく思っております。小学校は僕がいたころから変わっていないと思いましたw

 

明日も違う方向に向かって走っていこうかと思っています。

 

今からは少し生活習慣病や感染症などの勉強をして、普通の本を読んで…と過ごす予定です。

 

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血液学会が終わりました:しばらくはアカデミックな話から遠ざかります

2016-10-16 21:05:01 | Weblog

こんばんは

 

本日、血液学会から帰ってきました。移動日は時間をかけて横浜に行き、18時前に横浜のホテルに到着しました。今もですが、腰が完璧ではないため(引越しでヘルニア再発+ぎっくり腰で、ぎっくり腰が長引いてます)、風呂に入って、マッサージを受けてました。

 

そして・・・今回の血液学会の最中に38歳になってしまいました。ちなみに発表当日ですw

アラフォーです。アラフォー。気持ちは20代なのに・・・。

 

ちなみに血液学会には40歳未満には血液学会奨励賞というものがあります。2012年に発表した演題で「奨励賞取れるかもしれないから、チェックしておいたら」と教授に言われて、それ以降チェックするようにしています。もちろん、今年もチェックは入れましたが、いろいろな素晴らしい発表がたくさんあったので、毎度のごとく難しいだろうなーと思っております

 

そして諸事情で、基本的に来年度は血液学会にも参加できませんので、事実上今年で最後のトライになります。そもそも…血液臨床からも研究からも離れていて何を出すのかとw

まぁ、ネタはいくつも頭の中と僕のノートにありますが、誰が解析したり実験するのかとw

きっと、面白いと言っていた内容も忘れ去られているだろうと思いますし、僕が数年後実験できるようになった時も動きがなければどこかでそういう研究もしたいものです。

 

いろいろ思いついたり、指導したりもするのですが・・・あまり論文などを書いておりませんので、「研究実績」としては低く(臨床でどうかはわかりません。幅広い知識があって、患者さんとコミュニケーションが取れて、いろいろなことに気が付ける医師がよいのではないかと思っていますが)、このままだと先行き大変だなーと先々のことをいろいろと考えております。

アカデミックな分野に行けるかどうかはわかりませんが、研究は好きですし、患者さんを診ていればさまざまなことに気が付きますし…アカデミックなことができる場所にいたいのですが・・・・。

 

まぁ、少なくともこれからしばらくはアカデミックな話から遠ざかることになりそうです。

 

そういう意味ではこのブログも最新の話ができるかどうかはわかりませんが(本を書いたりするために情報収集はしておりますが・・・。1冊目の本ももう少ししたら出ると思います。あ、2冊目の本を書くことが決まりましたw)、引き続きやっていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 

コメントを書いてくださる皆様のおかげで、自分がまだ必要とされていると思いますし、少しでも血液学的な話に触れるチャンスが増えるとありがたく思っております。もし、こんなことを書いてもよいのだろうかと思っている方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントを書いていただければと存じます。

 

僕も勉強になりますし、同じようなことを経験したり、感じたりしている人にもいろいろ得ることがると思いますので、よろしくお願いいたします。

 

では、これからはしばらく血液臨床の話から遠ざかって、一般内科や予防医学などに力を入れていきたいと思います。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

 

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血液学会に向かっています:帯広空港から

2016-10-12 13:20:31 | Weblog

こんにちは

 

ようやく帯広空港に来ました。明日から始まる日本血液学会に参加するため、移動中です。

 

自宅から帯広駅まで向かうバスが1時間に1本しかなかったため、歩いて駅まで行きました。帯広駅から空港までもバスが12時からしかなかったため、それまで近くの長崎屋で時間をつぶしておりました。

 

空港に着きましたが、使用する航空機も遅れているようなので、休憩スペースにあったパソコンを使わせてもらっています。

 

時間をかけると迷惑かと思いますので、この辺で。

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帯広に来ました

2016-10-04 22:11:04 | Weblog
こんばんは

帯広からです。ネット環境が整わないまま、明日から家を離れ、帰って来たらすぐ学会にいくため、ネット環境は10月17日以降に整う予定です。

また、2週間後くらいに

いつも応援ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします
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