侘びの門を速攻制作しました

　雨の中で、お花が満開です。
お陰さまで、どうにか間に合いました。



お庭の奥は、野辺の道へと続いております。



簡素な、庭門のようなものをという、ご要望があり。
黒竹さんの枝と、現場で出たハギさんの枝でこしらえることに。



内と外の、ひとつの結界のかたちがあれば。
夜露と小雨がしのげるくらいの屋根で十分。



　ところで、黒竹さんの枝は、古来、黒穂と称されます。
造園資材として、珍重されております。
近年は、調達が困難になっております。

その原因は、黒竹のタケノコさんが、美味しすぎることらしいです。
近頃は全国的に、グルメのイノシシさんが増えておりますから、なおさらです。
生産者の皆様のご努力に、大感謝です。



構造は、お山の栗さんの丸太です。
こちらも、震災以降品薄でしたが、なんとか間に合いました。

横にあしらった枯れた丸太も、栗さんです。
ご親戚の家の山に転がっていたもの。
チェーンソーで一気に縦割りして、取り付けました。



こんなふうに。
屋根裏には、庭師の竹垣技法の転用が見られます。
ご要望に応じて、大工さんと違った道筋の速攻制作。
さまざまなご要望にお答えするのが、ひなびた庭師の現場です。



画像中央に、金属の丸ポチが見えますが、これは、9ミリの異型鉄筋です。
同径のドリルで穴を開け、そこに打ち込むという、柳生博さんの枕木工法。
簡単に出来て便利ですから、良い子の皆さんにはお薦めです。

強度もこれで十分。
速攻施工で、お見積金額も、より楽しく、筋肉質に改善できます。
これもひとつの、大切な侘びの心です。

そもそも、侘びとは、わびしいさびしいという意味だけではありません。
より積極的な、今これだけしかないというものを最大限に活用する、人間さんの心意気。
物量の豊かさではなく、物を活かしきる知恵と志の伝統です。



心が豊かであるという伝統を、確かに伝えるために。
お足元などは、お施主さんとゆっくり考えます。

速攻の現場のアドリブが続きましたが。
結局は、日本建築の基本寸法に一致したところなど、有り難い不思議です。



のちほど、天然系の透明撥水スプレーで、屋根を防護します。
せっかくですので長持ちさせたいという心情は、侘びの心であるや否や。
一雨の後に、考案いたします。
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