ようこそ里山へ 茨城笠間・青葉って永遠

茨城県笠間市。観光と陶芸の町の知られざる宝。穏やかな里山と田園は心の原風景。庭と山川草木、体感する旬の言の葉たち。

雨また楽し、愛宕の里の句会です

2011-08-22 06:48:36 | 里山の言の葉
 冷たい雨の中、笠間市南部の愛宕山の麓に伺いました。
ご覧頂いているような山ふところの静かな里を、今日は青葉の軽トラが進みます。
道をどこまでも行くと、一本の大きなケヤキがありました。
そこから先は別世界、青葉も未踏の俳句の道でありました。

 面白いと感じる人にとっては底知れないが、つまらない人にとってはつまらないというのが俳句の道とか。
以下、詳細ですが、週のはじめとしましては、記事が長いですから、皆様どうぞご注意ください。

********************

 茨城・笠間は、雨が降り続いています。
気温も低く肌寒いほど。
しのぎ易いを通り越しますと、夏の軽装を懐かしんだりするというのが、人間殿の勝手なところですね。

しかしながら、この雨と低温は、句会という集まりに限りましては、良かったのかもしれません。
お陰さまで、全員が無事に、健やかにお開きになりましたのも、雨のお陰かもしれません。
噂に聞く句会とは、それほどに一段と熱い道と感じました。

 午後一時開始から4時間余、あっという間に過ぎました。
絶え間なく問い語り、そして笑う、ほぼ同年代、男女同数の凸凹の輪。
「俳友」という言葉もがあるそうです。
それにしましても、十七文字がこれほどの熱気を生むというのは、まさに世界の奇跡かもしれません。

一体何を話していたのかと言いますと、俳句の話ばかりです。
句会では、寄せられた参加者の句の中から、自分が良いと思う句を選びます。
その際には、まず、自分の素直な感覚で選ぶことが肝心と教えられました。

 ひとつひとつ、自分の言葉の世界と響きあう句を選んでいきます。
そうすると、他の人の句を選ぶ過程から、やがて自分の世界が見えてくる。
自分も知らない自分の隠れた世界の発見は、なかなかスリリングで、時になかなか可笑しいもの。
 
特に今回は、季題の他にテーマ・「恋」がありましたので、そのあたりから笑いの迷路が大展開です。
恋への思い入れ、あるいは思い込みというものは十人十色ですから、その違いも面白い。
特に、解説役の「だるま」さんの緻密な思考、そして思い込み体験の混入は秀逸。
力量豊かなればこそ、爆笑花火でした。
真剣な人生には、真剣な笑いがあるものと納得し、決意を新たにしました。

 時に、私的に95の句の中から選んで印象に残った句は、「まりこ」さんの句であります。
* 電線のなかりし億年雲の峰
ちなみに、「まりこ」さんには、桔梗、さるすべりの名句もありましたが、当ブログの記事がきっかけとか。
俳句では、発見と詩の心が大切ですから、実体験を超えた想像の世界がきっかけになっても良いとのこと。

なるほど「まりこ」さん、想像する句作の磁力は、時空を超えて広大無辺でありました。
少年に変身したり、略奪愛や道ならぬ恋の句も続々と。
旦那になりすました句の後には、なんと旦那さんが既に故人となられて偲ばれているという光景もあり。
古今東西、宇宙の果てまでも輝く太陽さんのようにはかりしれないイマジネーション。
まことの女性の無限力にひれ伏しながら、旦那の「だるま」さん他、男子一同、目をしばたたせました。

 ちなみに、私の初の俳句では、*葉も枝も花の家来ぞさるすべり というのが、割と好評だったようです。
理由は、似たような表現が少なく、観察に個性があるというのと、家来という表現。
家来とは、大人はあまり使わず、子供の語感とか。
確かにその通りかもしれない、里山小学校4年の青葉でございます。

 どこまでも奥深い俳句の道ですが、この道も、やはり日ごろの積み重ねだそうです。
新聞でも、雑誌でも、気に入った句があれば、ノートに写す。
一日一句でも良いそうです。
そうすると、句の世界観が自分の言葉の世界に入り、血肉となっていく。
そして、日ごろの観察と、発見する心がけです。
俳句の道を行くかどうかに関わらず、仕事、スポーツ、地域活動、すべてに通じる道と感じます。

言葉というものは、あらゆる人間の表現の根底にあるという、「だるま」さんの言葉が、心に響きました。
そして、想像力の可能性を教えて頂いた「まりこ」さんにも学ばせて頂きました。
俳句のご縁に感謝です。

夏は行きましたが、一ヶ月前、句作のころの夏空の画像です。
億年の雲と電線がともにある現代、想像の心は限りなくありたいと念じます。




最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (だるま)
2011-08-22 07:19:36
昨日はお疲れ様でした。
ブログ、大笑いしながら読ませていただきました。
新作を期待しています。
句会ではゆっくりお聞きできませんでしたが、里山再生の話など、また聞かせてください。
(今度は飲みながらでも)
田中さんのような方が市長になってがんばってくれるとありがたいのですが。

P.S.ハチに気をつけて。
返信する
感謝、昨日の余韻 (青葉)
2011-08-22 19:11:04
だるまさま

 コメントありがとうございます。
特に最後のくだりは、昨日の想像力の余韻、だるまさまの第一級の諧謔と、面白可笑しく拝受致しました。

 いろいろな世界にいろいろな水ですね。
私の水といたしましては、細くとも流れる水を棲家と感じるようなメダカ一匹であります。

 ところで、今朝、某紙歌壇を拝見してまたもビックリ、おめでとうございます。
馬場あき子さん撰の第一首にだるまさんのご芳名が・・・。
俳句も短歌も、ともに歩まれるご雄姿こそ、笠間の希望であります。

それから、笠間市と紹介されていても、きっと現状では、何県かわからない読者さんが多いですね。
天与の里山磨きなど、少しづつでも道を広げていきたいものです。


返信する

コメントを投稿