秋のミニ盆栽を探訪しました

　ここは、六代目庭師・酒井一臣さん宅です。
雑木さんたちの、ただ今のお姿は。
訪ねたところに、この一本、キノコさんの紅葉です。



苔むした、枯れマツさんの、根っこ鉢。
リョウブさんの根元で、主役を食ってます。



こちらは、岩盤さんの絶壁です。
木も、土も、ひとかけらもない、不毛の地。
昔、仙人さんだったかもしれない、イワタケさんが一人。



一足早く、紅葉が楽しめるのが、ミニ盆栽園です。
なぜ紅葉するのかのメカニズムは、検索すればいろいろ出てきます。
エネルギー収支とか、葉の老化とか。

いずれにしても、迷わないのが生き物さんです。
冬を控え、生き延びるために、着々と対応する姿。

制約のある、ミニ鉢の中で、懸命の結論。
ただ今の、一足早い紅葉さんが懸命に伝える心とは。
賢明でありたい、人間さんです。



この夏の猛暑も乗り切った、たくましいナツハゼさんと、一臣さんです。
つやつやの、くろぐろの果実さんが、ふた粒。
この粒の中に、生き延びる英知が、ぎっしり充填されているのです。



ミニトマトさんの、紅葉色の果実の中にも。



振り向いた、白猫さんの、その心にも。

ところで、白猫さんの、そのお心におかれましては。
紅葉さんよりも、トマトさんよりも。



黄金色に輝く、小判さんよりも。
昔も今も、カツブシ一本、ありがたや。

キンモクセイさんが元気です。
この庭は、山の北側じゃが、意外に暖かいのじゃ。
樹木さんは、常に語り続け、生き続けているのでした。
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