1日(日)、シュピールベルクにあるレッドブル・リンクを舞台に開催された2018年FIA F1世界選手権第9戦オーストリアGP決勝レースは上位チームにリタイアが相次ぐ中、レッドブルのフェルスタッペンがチームの母国レースで優勝を遂げた。
予選で2年連続のポールシッターに輝いたメルセデスのボッタスに次いでフロントローに並んだのはチャンピオンシップリーダーの僚友ハミルトン。予選3番手タイムを残したのはハミルトンのライバルでフェラーリを駆るベッテルだったが、Q2で他者の走行を妨害してしまい、3グリッド降格処分を受けてスタートは6番グリッドに後退した。
また、土曜フリー走行でトラブルに見舞われたザウバーのルクレールが予定外のギアボックス交換を経て予選に参加したため、5グリッド降格処分を科せられている。予選13番手だったルクレールは18番グリッドに並ぶ予定だったが、マクラーレンのアロンソがフロントウイングを交換し、ピットからレースに挑むことになったため、ルクレールは17番グリッドに着いた。
さらに、トロ・ロッソのハートレーが戦略的な判断によりパワーユニットの全コンポーネントを交換しており、予選19番手だったハートレーは最後尾グリッドに後退するも、アロンソのピットスタートにより予選順位と同じ19番グリッドに並んだ。
レッドブル・リンクは全長4.326km、71周で争われた決勝は雲が見えつつも青空の下、気温22℃、路面温度48℃、湿度36%のドライコンディションでスタート時刻を迎える。
シュピールベルクにソフト、スーパーソフト、ウルトラソフトのドライタイヤを持ち込んだピレリはレース用のコンパウンドとしてソフトおよびスーパーソフトの1セットを確保するよう指定。予選トップ10ドライバーのうちメルセデスとレッドブルはスーパーソフトでスタートし、フェラーリを含むその他の陣営はウルトラソフトを履いた。
シグナル消灯と同時に素晴らしい蹴り出しでスタートしたフェラーリのライコネンがメルセデスの間に入ってターン1に突進。インサイドだった2番手スタートのハミルトンが先頭に躍り出る一方で、ライコネンとのポジション争いの末、後退を強いられたボッタスは4番手に下がり、ライコネンが2番手、レッドブルの・フェルスタッペンが3番手に上がった。
ペースを上げるライコネンはハミルトンに対するオーバーテイクを仕掛けていくも、後方からフェルスタッペンとボッタスも接近しており、攻防戦の中でコースオフを喫して2台に先行を許す。オープニングラップを終えた時点でハミルトンが先頭に立ち、ボッタス、フェルスタッペン、ライコネン、リカルドが5番手につけていた。
8番手にいたハースF1のマグヌッセンを追い抜こうと猛攻を仕掛けていたルノーのヒュルケンベルグをエンジントラブルが襲ったのは12周目。白煙を上げてエスケープゾーンに逃げ込む途中にはマシン後部から炎も上がった。それからわずか2周後、今度はメルセデスを不運が見舞う。ポールシッターのボッタスがスローダウンを強いられ、ターン4で停車を余儀なくされたのだ。ボッタスは「ギアボックスが逝ってしまった」と伝えたが、チームからは「ハイドロリックプレッシャーを失ったようだ」との返答がもたらされている。
ボッタスのストップでバーチャルセーフティカーが発令され、2番手のフェルスタッペン以下、多くのドライバーがタイヤ交換に向かった。ラップリーダーのハミルトンもピットインに間に合うタイミングだったが、メルセデスによると「ピットのミス」でステイアウトすることになったようだ。
ライバルたちがソフトタイヤに履き替えて第2スティントをスタートさせる一方、スタートと同じタイヤセットを履き続けるハミルトンはピットストップまでに2番手以下とのギャップを広げておきたいところだが、燃料が重い序盤とあって思うようにペースを上げられず、13秒前後のリードを維持するにとどまった。
25周目の終わりにピットインしたハミルトンはタイヤをソフトのセットに交換してコース復帰。ピットレーンを抜けた時点ですでにレッドブル勢とライコネンは通過した後だったが、ギャップはほとんどなく、また、チャンピオンシップのライバルであるベッテルの前で戻ることには成功した。
リカルドを追いかけるライコネンとすぐ後ろで追い抜きのチャンスを待つハミルトンは数周に渡ってコンマ数秒差の接近戦を繰り広げていたものの、ハミルトンが少し距離を取ったタイミングで5番手にいたベッテルがするりと距離を詰める。どちらもフェラーリマシンが後方の位置だが、DRSを生かしてトウを得た跳ね馬は、まずライコネンがリカルドをオーバーテイクし、その次のラップでベッテルがハミルトンのインを突いてポジションを奪った。
ライコネンに抜かれたリカルドはそのままピットインし、39周目にソフトからユーズドのスーパーソフトタイヤに履き替えている。レースを続けるライバルの4人は第2スティントを継続し、リカルドは4人から20秒近く離れた場所で隊列復帰した。
レース後半は2番手に上がったライコネンと3番手のベッテル、さらにハミルトンが接近戦を展開し、ラップリーダーのフェルスタッペンは6秒強のリードを築いてペースをコントロールする。2回目のピットストップを終えて5番手に下がったリカルドはレース終盤に備えて前方とのギャップを意識しながらマシンをプッシュしていった。
ベッテルの後ろで思うようにペースを上げられなかったハミルトンが2回目のピットストップを実施したのはフェルスタッペンが53周目に入ったタイミング。スーパーソフトに履き替えたハミルトンはリカルドの後方5番手でコース復帰するも、直後のターン3を通過したところでリカルドにトラブルが発生し、コース脇にマシンを止めたリカルドはそこでレースを終えている。ハミルトンは4番手に戻ってレースを継続した。
しかしながら、そのハミルトンもトラブルを抱えてしまう。詳細は明らかになっていないが、64周目に入った直後、スローダウンしたハミルトンは一度、コース外にマシンを出して状況を確認し、いったんはコース復帰するも、チームから「ストップせよ」との指示を受けて最終的にはマシンを止めている。メルセデスは得意のレッドブル・リンクでテクニカルトラブルによってダブルリタイアを喫する無念の結果となった。
これで同一周回のマシンはトップ3に限られ、レッドブルマシンよりも好ペースだったフェラーリコンビが最後の最後まで猛チャージをかけていったが、結局、フェルスタッペンが逃げ切り、ファイナルラップでファステストラップを更新したライコネンが2位、ベッテルが3位で表彰台に上った。
ハースF1のグロージャンが4位入賞を果たしてようやく悲願の今季初ポイントを獲得、チームメイトのマグヌッセンが5位、フォース・インディアのオコンとペレス、マクラーレンのアロンソ、ザウバーのルクレールとエリクソンが入賞している。
終盤にザウバー勢に追い抜かれてポイント圏外に脱落したトロ・ロッソのガスリーは11位でゴールし、ウィリアムズのストロールとシロトキンが完走を遂げた。マクラーレンのバンドールンはチェッカーを受けずにマシンを止めているが、15位完走扱いとなっている。
トロ・ロッソ・ホンダのガスリーは、マクラーレンのバンドールンに追突されて、フロアにダメージを受けたために、残り数周まで8番手を走っていましたが、アロンソ、ザウバー勢に抜かれて
11番手となってしまい、ポイントは奪取できませんでした。
次週のイギリスGPに期待しましょう!
予選で2年連続のポールシッターに輝いたメルセデスのボッタスに次いでフロントローに並んだのはチャンピオンシップリーダーの僚友ハミルトン。予選3番手タイムを残したのはハミルトンのライバルでフェラーリを駆るベッテルだったが、Q2で他者の走行を妨害してしまい、3グリッド降格処分を受けてスタートは6番グリッドに後退した。
また、土曜フリー走行でトラブルに見舞われたザウバーのルクレールが予定外のギアボックス交換を経て予選に参加したため、5グリッド降格処分を科せられている。予選13番手だったルクレールは18番グリッドに並ぶ予定だったが、マクラーレンのアロンソがフロントウイングを交換し、ピットからレースに挑むことになったため、ルクレールは17番グリッドに着いた。
さらに、トロ・ロッソのハートレーが戦略的な判断によりパワーユニットの全コンポーネントを交換しており、予選19番手だったハートレーは最後尾グリッドに後退するも、アロンソのピットスタートにより予選順位と同じ19番グリッドに並んだ。
レッドブル・リンクは全長4.326km、71周で争われた決勝は雲が見えつつも青空の下、気温22℃、路面温度48℃、湿度36%のドライコンディションでスタート時刻を迎える。
シュピールベルクにソフト、スーパーソフト、ウルトラソフトのドライタイヤを持ち込んだピレリはレース用のコンパウンドとしてソフトおよびスーパーソフトの1セットを確保するよう指定。予選トップ10ドライバーのうちメルセデスとレッドブルはスーパーソフトでスタートし、フェラーリを含むその他の陣営はウルトラソフトを履いた。
シグナル消灯と同時に素晴らしい蹴り出しでスタートしたフェラーリのライコネンがメルセデスの間に入ってターン1に突進。インサイドだった2番手スタートのハミルトンが先頭に躍り出る一方で、ライコネンとのポジション争いの末、後退を強いられたボッタスは4番手に下がり、ライコネンが2番手、レッドブルの・フェルスタッペンが3番手に上がった。
ペースを上げるライコネンはハミルトンに対するオーバーテイクを仕掛けていくも、後方からフェルスタッペンとボッタスも接近しており、攻防戦の中でコースオフを喫して2台に先行を許す。オープニングラップを終えた時点でハミルトンが先頭に立ち、ボッタス、フェルスタッペン、ライコネン、リカルドが5番手につけていた。
8番手にいたハースF1のマグヌッセンを追い抜こうと猛攻を仕掛けていたルノーのヒュルケンベルグをエンジントラブルが襲ったのは12周目。白煙を上げてエスケープゾーンに逃げ込む途中にはマシン後部から炎も上がった。それからわずか2周後、今度はメルセデスを不運が見舞う。ポールシッターのボッタスがスローダウンを強いられ、ターン4で停車を余儀なくされたのだ。ボッタスは「ギアボックスが逝ってしまった」と伝えたが、チームからは「ハイドロリックプレッシャーを失ったようだ」との返答がもたらされている。
ボッタスのストップでバーチャルセーフティカーが発令され、2番手のフェルスタッペン以下、多くのドライバーがタイヤ交換に向かった。ラップリーダーのハミルトンもピットインに間に合うタイミングだったが、メルセデスによると「ピットのミス」でステイアウトすることになったようだ。
ライバルたちがソフトタイヤに履き替えて第2スティントをスタートさせる一方、スタートと同じタイヤセットを履き続けるハミルトンはピットストップまでに2番手以下とのギャップを広げておきたいところだが、燃料が重い序盤とあって思うようにペースを上げられず、13秒前後のリードを維持するにとどまった。
25周目の終わりにピットインしたハミルトンはタイヤをソフトのセットに交換してコース復帰。ピットレーンを抜けた時点ですでにレッドブル勢とライコネンは通過した後だったが、ギャップはほとんどなく、また、チャンピオンシップのライバルであるベッテルの前で戻ることには成功した。
リカルドを追いかけるライコネンとすぐ後ろで追い抜きのチャンスを待つハミルトンは数周に渡ってコンマ数秒差の接近戦を繰り広げていたものの、ハミルトンが少し距離を取ったタイミングで5番手にいたベッテルがするりと距離を詰める。どちらもフェラーリマシンが後方の位置だが、DRSを生かしてトウを得た跳ね馬は、まずライコネンがリカルドをオーバーテイクし、その次のラップでベッテルがハミルトンのインを突いてポジションを奪った。
ライコネンに抜かれたリカルドはそのままピットインし、39周目にソフトからユーズドのスーパーソフトタイヤに履き替えている。レースを続けるライバルの4人は第2スティントを継続し、リカルドは4人から20秒近く離れた場所で隊列復帰した。
レース後半は2番手に上がったライコネンと3番手のベッテル、さらにハミルトンが接近戦を展開し、ラップリーダーのフェルスタッペンは6秒強のリードを築いてペースをコントロールする。2回目のピットストップを終えて5番手に下がったリカルドはレース終盤に備えて前方とのギャップを意識しながらマシンをプッシュしていった。
ベッテルの後ろで思うようにペースを上げられなかったハミルトンが2回目のピットストップを実施したのはフェルスタッペンが53周目に入ったタイミング。スーパーソフトに履き替えたハミルトンはリカルドの後方5番手でコース復帰するも、直後のターン3を通過したところでリカルドにトラブルが発生し、コース脇にマシンを止めたリカルドはそこでレースを終えている。ハミルトンは4番手に戻ってレースを継続した。
しかしながら、そのハミルトンもトラブルを抱えてしまう。詳細は明らかになっていないが、64周目に入った直後、スローダウンしたハミルトンは一度、コース外にマシンを出して状況を確認し、いったんはコース復帰するも、チームから「ストップせよ」との指示を受けて最終的にはマシンを止めている。メルセデスは得意のレッドブル・リンクでテクニカルトラブルによってダブルリタイアを喫する無念の結果となった。
これで同一周回のマシンはトップ3に限られ、レッドブルマシンよりも好ペースだったフェラーリコンビが最後の最後まで猛チャージをかけていったが、結局、フェルスタッペンが逃げ切り、ファイナルラップでファステストラップを更新したライコネンが2位、ベッテルが3位で表彰台に上った。
ハースF1のグロージャンが4位入賞を果たしてようやく悲願の今季初ポイントを獲得、チームメイトのマグヌッセンが5位、フォース・インディアのオコンとペレス、マクラーレンのアロンソ、ザウバーのルクレールとエリクソンが入賞している。
終盤にザウバー勢に追い抜かれてポイント圏外に脱落したトロ・ロッソのガスリーは11位でゴールし、ウィリアムズのストロールとシロトキンが完走を遂げた。マクラーレンのバンドールンはチェッカーを受けずにマシンを止めているが、15位完走扱いとなっている。
トロ・ロッソ・ホンダのガスリーは、マクラーレンのバンドールンに追突されて、フロアにダメージを受けたために、残り数周まで8番手を走っていましたが、アロンソ、ザウバー勢に抜かれて
11番手となってしまい、ポイントは奪取できませんでした。
次週のイギリスGPに期待しましょう!