『致知』1989年10月号特集「旅と人生」「一期一会」瀬戸内寂聴(作家)より
「一期一会という言葉がありますが、私は日常、そう思っていますよ。
例えば、きょう、私たちがそれこそなんの因縁だか、お会いしましたでしょ。
だけどこれで別れた後、どうなるかわからないでしょ。
だから、私たちは会って別れた瞬間、それは永別だと思うのです、間違いないんです。
だけど誰もそう思わないのね。
私は講演に行くと、よく奥さんたちに「亭主が会社に行くときに帰ってくると思うな」
というんですよ。
そう思うと、行ってらっしゃいって言葉が違うっていうんですよ。
必ず帰ってくると思うから、疎かにするんで、もう会えないんじゃないかと思えば、
その時その時、一生懸命に愛しますよ。
そうでしょ。そういうふうに考えてほしいって、
講演するんです。」
なるほどなあ。私は妻が朝家を出る時に必ず「行ってらっしゃい。」と声をかけていますが、もう会えないんじゃないかと思って言っていなかったなと思います。きょうからは、そういう気持ちで声をかけていきたいと思います。そして、きょう会う人たちにもそういう気持ちで接していきたいと思います。
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