全トヨタ労働組合(ATU)

トヨタ自動車および関連企業で働く労働者の企業横断型労働組合です。一人でも加入できます。

愛知製鋼(トヨタグループ)でおきていること

2007年05月31日 07時03分38秒 | Weblog

私たち全トヨタ労働組合とも交流のある、名古屋ふれあいユニオンの仲間から、愛知製鋼でのひどい実態報告と、その労働者が立ち上がったことと支援の依頼がありました。おなじトヨタ関係で働くものとして、無関心ではおれません。皆さんにお知らせするとともに、支援を訴えます。



以下転載


全国的にはちっとも報道されませんでしたが(泣)、
ふれあいユニオン組合員が
トヨタグループ13社(狭義のトヨタグループ)のひとつ、
愛知製鋼(旧豊田製鋼)を舞台に裁判闘争に立ち上がりました。
今後、
トヨタの製造現場における重層的な偽装請負(と偽装請負隠し)の実態を
暴露してゆく模様です。

大変あつかましいお願いではありますが、
注目度の高い全トユニオンのブログなどにおいて、
この件を取り上げていただけないでしょうか。

よろしくお願いいたします。


「トヨタ系『愛知製鋼』下請、従業員らが地位保全請求」
――名古屋ふれあいユニオン組合員、偽装請負の実態を告発――
http://imadegawa.exblog.jp/5492237/

■「偽装請負隠しで解雇は無効」
トヨタグループ13社の一つ、
愛知製鋼(旧豊田製鋼)の孫請け会社「三築」の従業員2名が
28日、
「正当な理由なく解雇された」として、
従業員としての地位保全と賃金分の支払いとを求める仮処分を
名古屋地裁に申請した。
申請したのは三築従業員の追川良二さん(47)と安達勝浩さん(28)。
二人や他の「三築」の従業員、
そして「三築」下請けの十数社の従業員計約200名の大半が、
トヨタ系企業・愛知製鋼の工場で、
愛知製鋼従業員の指揮命令を受けて働く「偽装請負」の状態にあり、
「こうした違法行為をごまかすために、
 実態を熟知する2人を不当に解雇した」と主張している(中日新聞、朝日新聞5月29日)。

三築は「朝日新聞」の取材に対し、
「現段階ではコメントは差し控える」と回答。
愛知製鋼とアイチセラテックは、
「偽装請負の状態はない」とコメントしている〔注1〕。

2名は他の「三築」従業員やその下請けの従業員らと共に
愛知県の地域労組「名古屋ふれあいユニオン」に加盟。
雇用の確保や職場環境の改善などを訴えてゆく構えである。

〔注1〕「偽装請負の状態はない」という、
愛知製鋼とアイチセラテックのコメントについて本人たちに聞いたところ、
「こんなん、
 服の汚れてへん奴(筆者注:=現場を知らない人間)が電話の前で言うてるだけや。
 現場を見たら一発でわかる」と一蹴した。
「現場第一主義」はトヨタ生産方式の基本中の基本の「はず」だが……。


以下は、名古屋ふれあいユニオン機関紙・『NFU ふれあい通信90号』に掲載された
本件に関する記事である。


《愛知製鋼の下請企業で解雇事件発生!》

東海市に本社のある
トヨタグループ企業「愛知製鋼」で働く下請労働者たちに、
大きな雇用問題が発生している。
その雇用関係は複雑で
「偽装請負」契約そのものであり、
労働条件も極めて劣悪である。

今回、
愛知製鋼の二次下請「有限会社三築」に所属する2名の労働者が
解雇された。
名古屋地方裁判所に地位保全の仮処分申立を行うと共に、
今後予想される事態に備え、
愛知製鋼などに対し
交渉を申し入れていく予定だ。

■愛知製鋼下請企業再編の動きの中で解雇が発生
2名の勤める三築は、
愛知県東海市に本社のある
鋼材メーカー「愛知製鋼株式会社」の下請企業「アイチセラテック株式会社」と
業務請負契約を締結し、
愛知製鋼の工場内に従業員を就労させている企業であり、
愛知製鋼の「孫請け」にあたる。
従業員は30数名。
一方で三築は
アイチセラテックからの依頼を、
10数社の企業に請け負わせている。
【愛知製鋼――アイチセラテック――三築――10数社の下請け企業】
この契約関係は長年続いてきた。
今年に入り、
アイチセラテックが三築との契約を打ち切り
下請け企業の再編を行う動きが表面化し、
三築と10数社の下請企業で働く労働者約200名の雇用がどうなるか
不安に思った労働者の有志がユニオンに相談に来た。

相談によれば、
契約打ち切りの動きのなかで、
三築の社長が下請けの社長とトラブルになったことがきっかけで、
愛知製鋼から「立ち入り禁止」になり、
自分の職場での影響力を保つために課長職3名を解雇する動きがある、とのこと。
そしてその予想通り、
会社は3名の課長に対し解雇を通告してきた。

■ユニオン、解雇撤回を申し入れ
解雇通告を受けた3名の課長のうち2名がユニオンに加入し、
すぐに会社に対し解雇撤回に向けた交渉の申し入れを行い、
5月2日に第1回団体交渉が行われ、
会社は解雇理由を以下のようにい回答した。

1.9月30日にアイチセラテックとの取引が終了することにより、
会社を廃業する。
2.廃業に向け業務を縮小する必要がある。
3.現場の労働者を解雇すると仕事が止まるので、
  管理者である課長3名を解雇することにした。

これに対し組合は、
今回の解雇は整理解雇の用件
(解雇の必要性・緊急性、解雇回避の努力、人選基準、労働者との協議等)が全く考慮されずに行われた
不当解雇であり、
直ちに解雇を撤回し、
両氏を職場に戻すよう会社に求めた。

交渉と同時に、
2名の地位保全と賃金の支払いを求める仮処分裁判の手続きを進めている。

■事件の背景に大掛かりな偽装請負が
2名が解雇された背景として、
愛知製鋼における偽装請負・実質派遣労働の実態がある。

三築及びその下請け10数社で働く労働者は200人にのぼるが、
その大半が労働契約上の雇用主から指揮命令を受けて働くのではなく、
愛知製鋼の従業員から指揮命令を受けて働いている。
すなわち、
アイチセラテック、三築、下請け10数社はいずれも業務請負業の形式を取りながら
労働者を派遣するだけの「偽装請負」を行っている訳で、
職業安定法で禁止された労働者供給事業を行っている。
この間全国で問題になっている偽装請負が
トヨタの有力なグループ企業「愛知製鋼」で大々的に行われているのだ。

一般に、
違法な労働者供給事業においては
事業者が最大限の利益を得るため、労働者の諸権利を大きく侵害する。
アイチセラテック、三築、下請け10数社においても、
社会保険未加入、労災隠し、雇用契約書がない、などの
労基法に反する労務管理に加え、
不明朗な会計処理や、
企業間の癒着などが従業員の知るところとなり、
一部の従業員が行政に違反申告するなど、
職場改善に向けた取り組みが行われていた。

その結果、
行政機関の指導もあり、
業務請負料金の積算方法を
労働者の工数から業務量に変更することにより
「業務請負」の体裁を整えると共に、
下請けの再編の動きになったと考えられる。

今回、アイチセラテックが
9月30日で三築との契約を打ち切るとしたことはその一環であり、
200名に及ぶ労働者の雇用が不安にさらされることになった。
長年偽装請負を行ってきたのは各企業、
特に愛知製鋼とアイチセラテックに重大な責任があり、
再編の犠牲をこれらの労働者に負わせることがあってはならない。
今回の解雇は、
単に三築の経営者の雇用責任を放棄した無責任な対応であるばかりではなく、
愛知製鋼・アイチセラテックと共同して行ってきた偽装請負契約に対する
誤った対応である。

■すべての労働者の雇用を守るために
2名に対する解雇がなんら合理的理由のないものであることは
火を見るより明らかであり、
解雇撤回・職場復帰させるべきだ。
しかし両氏が職場に復帰しても、
アイチセラテックからの一方的な取引終了により、
三築の他の従業員と共に雇用を失う危険性がある。
これまで三築経営者と合意の上
重層的な偽装請負を行ってきた愛知製鋼及びアイチセラテックは、
200名に及ぶ下請け労働者の雇用に
責任ある対応をとることが不可欠である。

今後ユニオンは、
すべての下請け労働者の雇用が保障された問題の解決に向けて、
愛知製鋼・アイチセラテック・三築等との交渉に
取り組んでいきたい。

以上
コメント (1)
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愛知の会 総会報告

2007年05月31日 06時57分50秒 | Weblog

フィリピントヨタを支援する愛知の会が先日総会を行いました。
報告が寄せられたので、紹介します。



26日、TMPCWAを支援する愛知の会総会が開催された。

 5月26日、豊田市で開催された「TMPCWAを支援する愛知の会総会」の、主催者
挨拶と議長挨拶について紹介します。
 この総会には約30名が出席、「TMPCWAを支援する会」の小嶋事務局長をはじ
め、地元から、安城地区労、日雇全協・笹日労、全トヨタ労組、愛知全労協、新社会党、
社民党、労働党など各代表の連帯と支援の挨拶を受けた。
 また、ルポライターの鎌田慧さんも参加された。

 主催者挨拶
 本日は、お忙しい中、ご参加くださいましてありがとうございます。(中略)
 さて、本総会にあたり、私はまずもって、厳しい状況の下にありながら、家族ぐるみで
団結を堅持し、怯(ひる)むことなく闘いを持続されているTMPCWAの労働者のみな
さんに、深い敬意の念を表します。
 この持続した闘いは、闘いの本質が、世界を闊歩、蹂躙する多国籍企業に対して、労働
者・民衆がどのように連帯して立ち向かうべきかを問うていることにあると教えてくれま
した。多国籍企業は、発展途上国に対して、資本進出だけではなく、当然のことながら、
労働者管理の形態まで押し付けています。あたかも、その国の労働法の解釈は、自分たち
の判断基準と同じであるかのような顔をして。
 このような多国籍企業の横暴に対して、ヨーロッパ労働運動の伝統をもつIMF(国際
金属労連)が、労使関係の国際的基準の構築を目指して一定の役割を果そうと努力しまし
たが、トヨタ労組を中軸とするIMF・JCの妨害によって、所期の目的が果せない状況
にあります。このことは、多国籍企業の本国の労働運動の責任の重大さを物語っていま
す。
 トヨタ自動車は、2兆円を超える収益を挙げる、文字通り世界一の多国籍企業となりま
した。そして、財政力指数が1.6を超した豊田市は、県税収入になると思っていた大規
模償却資産税の24億円が、合併特例法の関係で市税収入になることが分かって、その使
い途に困っている有様です。
 このような巨大な富を産み出した源泉は、「乾いた雑巾を絞る」ような労働者・下請け
管理にあります。トヨタ自動車は、この管理方式を全世界に輸出して、利益を挙げている
のです。
 愛知県、特に豊田市を中心とする西三河地方は、経済活動の自由競争の中での、勝ち組
地域と言われています。それ故に、この地方における私たちの運動は、世論の多数派形成
が困難な状況にありますが、だからこそ運動を持続する価値は極めて大きいと考えます。
  
本日の総会において、私たちよりもはるかに困難な状況にあるTMPCWAの労働者との
連帯を一層強化し、運動を持続させるための真摯な議論がされることをお願いして、ご挨
拶といたします。

議長挨拶
 TMPCWAを支援する愛知の会の第4回総会の開催に当たり、議長というか進行役と
して一言申し上げます。
 追って、発言がなされると思いますが、TMPCWAの闘いも2001年3月16日に
233名が解雇され、6年目に入りました。
 昨年は大きな動きがあって、解決の糸口が見つかるやに見えましたが、傲慢といいます
か、世界の自動車産業のトップへむけて驀進中のトヨタ自動車には、多国籍企業としてモ
ラルも何も、そして、働く者の立場など全く目もくれないようであります。
 さて、今日のこの総会では、
1、何より、TMPCWAの闘いが勝利的に解決するには、私たちは何をすべきか、を大
いに議論していただきたい。
2、次に、そうした闘いを進めるに当たって、この愛知と、全造船関東地協を中心とす
る、首都圏との効果的な連携を図っていくことであります。
3、更に、巨象トヨタ、怪物トヨタとも言われる中、この愛知における労働運動は、トヨ
タ労連が中心をなす連合愛知の下にあって、とりわけ、官公労、少数組合、ユニオン、非
正規雇用労働者、外国人労働者、女性労働者など運動、処遇は、はかばかしくありませ
ん。
そうした、閉塞状況に風穴をあけるのも、もう一つの運動側面であろうと思われます。特
に全トヨタ労組(ATU・全トユニオン)の闘いと位置は、その拠点でもあり、連携を深
めていってもらいたいと思います。
 以上のような観点から、活発な議論がなされることを期待いたします。

以上
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