アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ハートカズラ - ラブチェーン

2021-01-26 18:14:32 | みんなの花図鑑

ハンギングバスケットに植えられた ハートカズラ。
手前が その花です。(別に撮った花の画像を切り抜いて貼り付けましたが、毛のギザギザが切り抜けず失敗しました。)




ハート型のぷっくりした葉が可愛いハートカズラ。
葉が結構肉厚なので多肉植物と思われがちですが、つる性常緑多年草です。




ハートカズラの花期は 5月だそうですが、ここは デンパークの大温室(フローラル・プレイス)季節は1月。




ハートカズラは虫媒花。花の形や色より、主として匂いで虫を呼び寄せるタイプです。




基部が壺型に膨らみ、捕らえた虫を逃さない食虫植物(たとえば ウツボカズラ)みたいな花 (^^)/




「とっくりのような筒状花の先端が5つに分かれ、その5つの先がまた一つにくっつくの。
 どうしてこんな面倒なことをするのでしょうね?」(Amebaブログ「ハートカズラって面白い ~解体珍書~」)





コブシ?モクレン?シデコブシ - 花芽の観察

2021-01-26 10:06:10 | みんなの花図鑑

2,3日前にやった 「樹形クイズ」のつづきになりますが、これは なんでしょう? (^^)/




これは 樹名板によると「コブシ」 です。確かに 花芽がたくさんついています。



こういう去年できた果実が枝に残っていれば、これはまちがいなく コブシ ですね 。
でも いつも 果実が残っているとは限りません。
花芽を見て コブシか、モクレンか、分かるんでしょうか?




コブシ

やはり コブシですが、先ほどのこぶしと比べ、かなり樹形が異なります。




枝がまっすぐ上に伸びています。



花芽は こんなふうです。
コブシの特徴は 花芽のときは その毛皮のコートを剥がしてみないと分からないところに隠されています。花芽といっしょに 葉を一枚だけ一緒につけているのです。(画像は 毛皮のコードを剥がしてないので よく分かりませんが m(_ _)m)




ハクモクレン

これは ハクモクレンの花芽です。(デンパーク(安城市)にて撮影)
どうです? 先ほどのコブシの花芽とのちがい、分かりますか?



これが上の花芽の樹形です。モクレン科(マグノリア)なので よく似ています。
第一、モクレンを増やすのに 「コブシ」の苗を台木として選び、モクレンの枝を接ぎ木する方法がポピュラーというくらいですから (^_-)-☆





シデコブシ

芝生広場にいっぱい植わってるのは シデコブシ です。

コブシとシデコブシの違い、分かりますか?
そういわれると、私もよく分からないのですが・・・

コブシのほうは幹が太く10mを超えるほど樹高が高くなります。
そして、上方の枝にたくさんの花を咲かせます。


たいして、シデコブシの樹高は5mぐらいまでで、まれに根の際からたくさんの幹が出ているものもあります。
シデコブシは大きくなりすぎないということから、庭木としても用いられています。



シデコブシは 日本の固有種で、しかも岐阜と三重と愛知の特定に地域にしか自生がありません。絶滅危惧種です。
花弁の数が多く そのかたちが 紙垂(しで)のようなので シデコブシ と呼ばれるようになりました。




これは コブシ? モクレン?

安城市の とある神社にあるモクレン科ですが、これはコブシでしょうか? それとも モクレンでしょうか?
実は コブシとモクレンの花の咲き方には もうひとつ違いがあって、ハクモクレンはみな首を持ち上げ上を向くが、コブシは枝の方向に沿って咲くので、上向きだけでなく、横向き(右向き・左向き)や斜め下向きなど咲く方向がバラバラになる、という違いがあります。
そういう目で見ると、これはみな上を向いているようなので ハクモクレンでしょうか?




蕾の外側に さらに厚い毛の殻がついているんですね



毛皮のコート?



毛皮のコート 2枚重ね?



スズメバチの巣

となりのやはりハクモクレンと思われる木の枝についていたスズメバチの巣です。



匠(たくみ)の技ですね (^^♪


クコ、一両(アリドオシ)‐ 冬の赤い実

2021-01-25 18:26:06 | みんなの花図鑑

クコの実は中国では「不老長寿の薬」といわれていて、楊貴妃が毎日食べていたとの言い伝えがあります。
ナス科クコ属の植物です。




クコの実といえば、杏仁豆腐の上にちょこんと載っている、あの赤い果実ですね。




中華料理の最後に クコの実というのは 「コレステロールの値を下げる」という実用的な効果があるのだとか。









写っている葉は 笹で クコの葉ではありません。




クコの葉は こんなのです。







万両、千両、十両、一両の 一両です。一両のホントの名は アリドオシです。
「地方によってはセンリョウ(千両)、マンリョウ(万両)とともに植え、「千両万両有り通し」と称して正月の縁起物とする。」(wiki 「アリドオシ」)





アリドオシはアカネ科アリドオシ属の常緑低木。
長く鋭い棘(とげ)が付いています。
「このトゲが小さな蟻をも刺し通すとして「蟻通し」と名付けられた。」(庭木図鑑 植木ペディア > アリドオシ)




「10月から成熟する実は直径5~7ミリほどで、翌春までの長いあいだ枝に残る。このため「(赤い実が)有り通し」として名付けられたという説もある。」(同上)




レウカデンドロン - 樹木です

2021-01-25 09:18:55 | みんなの花図鑑

場所は 西尾市憩の農園。
多肉植物の大型版みたいな雰囲気ですが、どうも樹木(木本)らしいです。
(名札には「リュウカデンドロ(ン)」と書いてありましたが、以下「レウカデンドロン」で行きます)




検索すると、南アフリカのケープ地方から来た ヤマモガシ科ギンヨウジュ属の常緑小低木ということらしいです。




学名は Leucadendron cv. Safari Sunset。
つまり、Leucadendron という名前の木の 品種改良された ’Safari Sunset’ という園芸品種のようです。




この日は 午前中に雨が降って 午後になって上がったので、すぐに行って撮りました。




検索すると、もっと詳しい情報がありました。

「南アフリカ原産のサリグヌム種(L. salignum)とラウレオルム種(L.laureolum)との種間交雑種です。1960年にニュージーランドで作出されました。雌雄異株で、高さは2.4 ~3メートルになります。苞葉は夏に赤色に色づき、冬には濃いワイン色に変わります。冬の終わりには、この苞葉の真ん中が黄色く色づきます。庭園に植栽されたり、切り花に利用されます」
(weblio植物図鑑 「レウカデンドロン・サファリサンセット」)

赤いのは 苞葉なんですね

樹形から名前を当てよう

2021-01-24 19:54:34 | みんなの花図鑑

場所は 於大公園(東浦町)です。
この日は 雲一つないいい天気でした。
そこで気が付いたのですが、落葉した木の 樹形がくっきりと分かります。
さあ、この2つの木は何でしょう?




この2つの木は両方ともスギ科の植物です。於大公園では 両方が一緒に植わっている場所があります。
背の高いほうが 別名アケボノスギと呼ばれる メタセコイアです。
それよりちょっと背の低いスギ科が 別名ヌマスギの ラクウショウです。




メタセコイア(metasequoia)の樹形は 先のとがった槍のような形をしています。
たいして、落羽松のほうは 頂上が丸いことが分かります。




つぎに、もうひとつ ニレ科の木の樹形を観察しましょう。

(左のほうは 全体の樹形を撮るのを忘れました、すみません。)
左が エノキ。
右が ケヤキです。




ケヤキが箒のように、太い枝を上に向かって伸ばすのと違い、エノキはもっと横方向にも太い枝を伸ばします。このため、より「こんもり」とした樹形となります。




最後に 池の畔の木を観察します。

池の畔といえば・・・



そう、シダレヤナギですね。



まぁ、葉がついても枝垂れた枝が隠れるわけではないので、樹形は分かりますけど。


池の畔のシダレには、もうひとつありました。



この木にはしっかりとした樹名板があって、以下のように書いてありました。





分かっていれば、何のことは無いけれど、いきなり冬のこの姿を見たら、(枝垂れ)サクラとは思えないですね (´∀`)





ボケ - japonica(さらば おスミさん)

2021-01-24 10:32:44 | みんなの花図鑑

花はボケ(木瓜)。
季節は冬。
場所は 於大公園(東浦町)。




ボケの学名は Chaenomeles japonica




学名の種小名に japonica のつく植物は意外に多いです。
有名なのは スイカズラ Lonicera japonica Thunb.
(最後の Thunb. というのは 命名者の記号で この人はリンネの弟子だった Carl Peter Thunberg を意味します )
サネカズラ(実蔓)は Kadsura japonica

ヤブツバキが Camellia japonica で
同じくシャガは Iris japonica

アセビは Pieris japonica で、
ヒサカキも Eurya japonica




japonica は 調べた人の話によると なんでも 1,000件以上あるらしいです!
この前とりあげた 街中の野草ツメレンゲ(爪蓮華)の学名も Orostachys japonica でした。





季語に「寒木瓜(かんぼけ)」があります。冬に開花する木瓜のことをこう言います。ボケはふつう春に開花するのですが、このように冬に咲くボケもよく見かけます(冬は花が少ないので目立ちやすいのかも)。




同じ公園の別の場所にあったボケ。
両方とも 名札には「ボケ」とだけ記してあったが、葉が丸くて 丈が50cmくらいなので ほんとうは「クサボケ(草木瓜)」かもしれませんね。



【訃報】

坂本スミ子さんがお亡くなりになりました。享年84。
93年からは義母の後を継ぎ、聖母幼愛園(熊本市)の園長として幼児教育に力を注いでおられました。
・・・『夜が明けて』は一番好きな歌でした。

ラナンキュラスか ハナキンポウゲか

2021-01-23 18:00:00 | みんなの花図鑑

道の駅の園芸コーナーに こんなかわいい鉢植えの花がおいてありました。




私は 園芸品種の花の名前にとんと弱いので、この花の名前が分かりません。
すぐさま スマホを出して Google Lens で検索しました。
第一候補の「ハナキンポウゲ」がそっくりなので、この名前で納得しました。




ところが 翌日JA産直に行ったら、園芸コーナーにやはりこの花が置いてあり、今度は「ラナンキュラス」と札に手書きしてあるではありませんか ><
で、再度 Google Lens で確認しますが・・・

・・・Google Lensの答えは やはり 「ハナキンポウゲ」です。





ウィキペディアを検索してみると 「ハナキンポウゲ」という項はありますが「ラナンキュラス」というアイテムはありません。そのかわり「ラナンキュラス属」という項はあります。

どうやら、最初「ラナンキュラス」で掲載された記事が 下の「ノート」にあるような理由で「ハナキンポウゲ」に修正されたようなのです:





「属名のラナンキュラスは、ラテン語で「小さいカエル」を意味し、これは本属の植物に多く見られる菊葉と呼ばれる形状の葉を小さなカエルの足に見立てたことに由来。またタガラシなどのように水辺や湿地を好む種も多く生育域でもカエルと重複するものも多い」(wiki 「ハナキンポウゲ」)




「バラの八重咲品種に似た花を咲かせるものを園芸面ではバラ咲きなどと呼ぶがラナンキュラスのバラ咲き品種は他の園芸植物のそれとは一目置かれたような存在となっており、本家のバラの方に「まるでラナンキュラスの花のようである」とされ「ラナンキュラ」という品種名を与えられた者が存在する。」(同上)

面白い \(^o^)/




ヒイラギナンテン’チャリティー’ ‐ 移動するおしべ2

2021-01-23 10:17:34 | みんなの花図鑑

これは 西洋ヒイラギナンテン とか、’マホニア・チャリティー’ とかの名前でも出回っています。冬 一番元気な黄色い花です。



デンパークの樹名板には 「ヒイラギナンテン ’チャリティー’」となっていましたので、タイトルもそれを使用しました。
学名は Mahonia x media。
学名の 真ん中の「x」は交雑種であることを表しています。
ヒイラギナンテン Mahonia japonica と ニイタカヒイラギナンテンMahonia oiwakensis subsp. lomariifolia (previously known as Mahonia lomariifolia) の種間交雑種であるマホニア・メディアのいくつかある品種の一つ ということになります。(三河植物観察「ヒイラギナンテン・チャリティー」)




ひとつひとつは小さな花ですが、房咲きの花で、しかも上向きに咲くので豪華です(ヒイラギナンテンのほうは 葉の下に春先に咲きます)。




花は 花被片の中央に めしべがデ~ンと居座っています。おしべは?と見ると、花被片に張り付くように めしべから離れて傾斜しています。




直前の記事 「ロウバイ」で、めしべが先行して活動する(雌性先熟)ことを見ましたが、上の画像の めしべとおしべ群の位置関係は ちょうどロウバイの花の雌しべ活動期の 位置関係と同じで、おしべは めしべを避けるように離れて立っています。




なぜ 花の中心に めしべだけが居座っているかというと、他の花で 花粉を付けた昆虫が この花の蜜を吸うために止まったとき 虫の体に付いた花粉が とにもかくにも雌しべに授粉するように、という態勢をとっているのです。
ロウバイのばあいは 開花してから2,3日して おしべたちは めしべを包むように中央に集まってきました。




このヒイラギナンテンのばあいは、もっと進化しています。
訪花昆虫が めしべに止まって蜜を吸い(めしべ以外に停まるところはありません)花粉を柱頭につけた(たぶん めしべが揺れるのを感知して?)おしべたちは やおら起き上がりめしべのほうに近づくのです!

ロウバイ式システムのばあいは、めしべの受粉をする訪花昆虫と おしべの花粉を運ぶ訪花昆虫とは 別でしたが、
ヒイラギナンテンの方式では、めしべに他の花の花粉をつけた昆虫が 蜜を吸って飛び立つときには(いつの間にか まわりを取り囲んだおしべたちから) この花の花粉を体につけて 別の花に向かうことになります。

そのため、ロウバイのおしべは めしべを包み込むように成熟するので、花粉を出す葯は 外側を向いてあります。
ヒイラギナンテンのおしべたちは 花被片に密着しているときから成熟していて めしべに訪花昆虫が停まると その昆虫めがけて集まるので、花粉を出す葯は 内側を向いてあります。




こうして 効率よく?受粉しためしべは 子房を成熟させていきます。
青紫色の丸い実になるのは一ケ月後でしょうか?




ロウバイ - 移動するおしべ1

2021-01-22 20:09:00 | みんなの花図鑑
於大公園(東浦町)にて。

クスノキ目・ロウバイ科・ロウバイ属のロウバイ(蝋梅、蠟梅)は、「半透明でにぶいツヤのある花びらがまるで蝋細工のようであり、且つ臘月(ろうげつ、旧暦12月)に咲くからこの名がついた」(wiki 「ロウバイ」)





「よく栽培されているのはソシンロウバイ(素心蝋梅)で花全体が黄色である。」(同上)




この花は 全部黄色なので、ソシンロウバイかなと思いましたが、於大公園のボランティアさんが付けた樹名板には単に「ロウバイ」としてありました。




他にも園芸センターでよく売られている 満月蝋梅(マンゲツロウバイ)というのがあります。
これは、素心蝋梅(ソシンロウバイ)の実生から選抜された品種で、他の品種より花が大きめで花弁が丸目で、早咲きで花色が濃いです。
ということは、画像のロウバイは マンゲツロウバイかもしれませんね。




他にも 中国から来た トウロウバイ(唐蝋梅)という品種があります。トウロウバイは享保年間に渡来をしたとされ梅のように芳香があり内片が薄い紫色、花被片が狭長い黄色の花が咲くそうです。




ロウバイの花をよく見ますと、雄しべが中央に集まっている花と、雄しべが花被片のほうに広がっている花が見られます。
蝋梅の雄しべは 最初花被片のほうに広がってありますが、数日後には中央に集まってきます。
ロウバイの花は めしべ先熟で、咲き始めは めしべが活動します。数日後に おしべが 中心の雌しべの近くに集まってきて花粉を出し 雄性期になります。





他に 品種として 和蝋梅(ワロウバイ)というのもあります。
ワロウバイは 蝋梅(ロウバイ)の基本種で花の中心が暗い赤紫色で花弁は細めです 。




先ほどのロウバイのシベと同じように、この(ワロウバイ?)の花も おしべが 起き上がって 中心のめしべの周りを取り囲んでいます。



おしべの 花粉を出す葯は 外側の面についています。おしべは 受粉を終えた(はずの)めしべを覆って保護し、次にやってくる昆虫が 花粉をつけやすくするために中心に集合したものと思われます。




ニラ - ニンニクの仲間

2021-01-22 09:17:00 | みんなの花図鑑

この日は 見渡す限りの青空でしたので、どんな花(果実を含む)も青空をバックに撮りました。ニラは30cmくらいの草丈なので、腰を地べたにどっかと下ろし、屈伸体操みたいに屈んで 空が写るようにしました。




ニラはネギ属の植物。ネギ属は 学名 Allium で、学名で 「アリウム」と呼ばれることもあります。



ラテン語のalliumはニンニクの意味で、臭いの程度に差はあるものの全体に強い「ネギ臭さ」を特徴とする。ネギやタマネギのような野菜、ニンニクのような香辛料が多数あり、人類にとって馴染みが深い。(以上、wiki 「ネギ属」より抜粋)




このニラも、果実になった直後(外側がまだ緑色で 種子がまだ柔らかいとき)食べると、ニンニクの若い個体の触感と風味が味わえるそうです。



ニラの果実、白い殻と真っ黒な種子、もう一度花が咲いたようです。




9月に撮影した ニラの花。花被片6,おしべ6,めしべ1。
めしべの子房は3室で、種子が2つづつできるようなので、6数性ですね。