花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

天井が落ちる

2021年07月24日 | 研究
夏休みに入る直前の馴化温室。
3つの研究がとりあえず終わったので機材を片付けることにしました。
しかしあいにくこの日は東北の梅雨明け宣言がされた日。
なんと気温はぐんぐん上がり、屋外でも30度を突破しました。
ということは温室内はそれ以上。かなり厳しい環境です。
フローラハンターズが本拠地として使っているこの温室は
バイオテクノロジーで生産された洋ランなどを外環境に慣らすための施設。
したがって馴化のステージごとに移動できるよう4つのスパンに区切られています。
その一番手前を打ち合わせ室として利用しているのですが
ガラス温室なので、夏の太陽光が直接さしこんできます。
かつて生物工学で使っていた際も、この光に悩まされたようで
その証拠に見上げると部屋の天井に黒い寒冷紗が張られています。
薄いネットですが、これがあることで少し日差しが和らぎ日陰ができるからです。
この温室を借用して今年で13年目。寒冷紗は結成時からあります。
数年前、紫外線により劣化してネットが壊れ、天井が落ちてきたことがあります。
これでは温室に入れず活動ができません。
そこで当時のフローラは、みんなで机の上にさらに椅子を乗せた台に上がり
天井の敗れた箇所を紐で縫いとめました。
でも張り替えていないので、おそらく触ればまたすぐ壊れるはず。
環境班が開発したユニークな技術は、
こんな怪しく過酷な環境で生み出されています。
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痛々しい

2021年07月23日 | 研究
これはフローラハンターズの男子が栽培していたレタスの根です。
左が普通に水耕栽培したもの、左が水槽内に超音波振動を与えたもの。
なんということでしょう。超音波区は根が極端に短いではありませんか。
メガネなどを洗う超音波洗浄器にアルミホイルを入れると
小さな穴が空き、さらに放置するとバラバラになってしまいます。
そんなすごい超音波ですが、見ただけでは作動しているかどうか分かりません。
そこで水中に手を入れてみました。何も感じません。
もっと手を近づけてみると突然指先に痛みが襲ってきました。
とんでもないエネルギーが出ているようです。
根の短いレタス。もしかしたら根がちぎれてしまったのでしょうか。
痛々しい感じです。しかし地上部はまったく変わりません。
逆に大きいものもあるぐらい。これはコマツナでもほぼ同じ結果です。
そんなレタスとコマツナの成分分析の結果が届きました。
なんと超音波区で糖度やポリフェノールが
10〜20%も増えているではありませんか。
またこちらで測定したビタミンCでも増加が確認されました。
理由もなんとなく想像つきそう。
これからちゃんと整理したいと思いますが、なかなか面白い一発芸。
頑張った甲斐がありました。さてこの研究の主任研究員は
超音波区とは言いにくいのでSS区と呼んでいます。
なぜなら超音波の英名はSuperSonic。
秋の学会主催の発表会で披露するのが楽しみです。
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国家資格にチャレンジ

2021年07月23日 | 園芸科学科
先々週あたり、土肥実験室によく行くと
フラワーアレンジの実習をした形跡がありました。
おそらくフラワー装飾技能士を目指す園芸科学科の人たちが
放課後に実技練習をしていたのかもしれません。
なぜわかるかというと忘れ物が毎回あるから。
先日はこんな可愛らしいものが残されていました。
ピンク色のハサミ。環境班にはこんなきれいな色のものありません。
さらに緑のテープもあります。花束を作る際、
ワイヤリングといってワイヤーで茎を巻いて落ち着かせます。
そのままだとワイヤーが見えて格好が悪いので
隠すためにこの緑のテープで茎をぐるぐる巻きにするのです。
これをフローラテープとかフローラルテープといいます。
こんなテープはフラワー関係者じゃなければ使いません。
だからこの忘れ物を見てすぐわかったのです。
フラワー装飾技能検定は花関係で唯一の国家資格。
かつてそれこそチームフローラフォトニクスのメンバーも取得し
実際に今も花屋さんで頑張っている人がいます。
園芸科学科のラストサムライ。頑張ってもらいたいものです。

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リアクション期待してます

2021年07月22日 | 研究
ここは環境班の本拠地である馴化温室。
今日から夏休みに入ったので、まったく人の気配はありません。
さてこの装置は先日まで1年生のJr.が野菜の冷却栽培に使ったもの。
レタスとコマツナの2種類を栽培していましたが
今はすべて収穫され、ご覧の通りすっからかん。
冷却装置もコンセントから抜かれました。
分析結果は後ほど連絡があるので、
ひとまずこちらも少しお休みすることになりました。
栽培して感じたのは、レタスの反応は鈍いのですが
コマツナはとても早いということ。
まるでリアクション芸人です。
Jr.のドッキリ氷風呂に、ちゃんと反応してくれました。
これが成分の違いとなって現れることを期待してます。
さて夏休みが終わったら第3弾としてホウレンソウを植え付ける予定。
そのため夏休みの後半に播種を計画しています。
寒気に触れさせ機能性成分を高める寒締め栽培は
そもそもホウレンソウで誕生した技術。
もしかしたらコマツナよりもレスポンスが早いのかもしれません。
まずはその前にしっかり夏の暑さから身を守り、
自分たちの体力を復活させましょう。
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Fuji Apples

2021年07月22日 | 
ご覧ください。ニュージーランドから輸入されたリンゴです。
6月にも一度紹介しましたが、あれば黄色っぽい品種。
これは真っ赤なので、なんとなく日本のリンゴに
似ているとは思いませんか。それもそのはず。
このリンゴは青森県が生んだ日本を代表する品種「ふじ」なのです。
ふじは甘みと酸味のバランスが絶妙な良食味品種。
さらに保存性も優れています。そのため海外でも人気で、
アメリカやニュージーランドでも生産されています。
リンゴ王国青森県のふじ収穫は11月と晩秋。
季節が逆の南半球のニュージーランドも今が晩秋。
遠い海外でも収穫時期は同じようです。
ただ違うところは大きさ。輸入物は握りこぶし大と小ぶりなのです。
青森県では中国などアジアの国を訪れ
リンゴの販売状況を学ぶ研修を行っている農業高校がありますが
やはり海外では日本のリンゴの味はもちろん、大きさに感動するといいます。
同じ品種でもずいぶん違うものです。
よくアメリカのbaseballと日本の野球は違うといいますが
このリンゴも「ふじ」ではなく「Fuji」なのでしょうか。
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