旅の最終日。
昨晩はあまりにおなかが大きすぎ、22時30分にもなって、
ジムの鍵をあけてもらい、バイクで240キロカロリーを消費したのですが、
やはり最終日はランニングを決意。
まだ暗闇の朝6時に目覚ましをかけ、
6時20分には、夫婦で三条の坂を下り始めたのでした。
明け方の空気は引き締まり透明で肺にまっすぐ入ってくる上、
凪いでいるので、それほどひどい寒さは感じません。
もちろん暑くもならないのですが、リズム良く足を運び、
心臓に少しずつ多くの血液が流れ込むのを確かめていきます。
妻の足取りも実に快調、よく大腿四頭筋が収縮して、素早く
膝が上がっています。
神宮道を右に折れ、平安神宮の見上げる大鳥居をくぐり神域をぐるりとまわりこみ、
岡崎道へ。まっすぐ東山の端に向かい白川どおりを左折して南禅寺へ。
このあたりで明るくなり、人が通い始めた境内をまわって、
琵琶湖疎水のレンガ造りの送水路を土曜サスペンスドラマのワンシーンに重ねながら
くぐりぬけ、蹴上にでたのでした。
42分でおよそ8キロ。
良い運動となりました。
朝食は控えめにして、
10時30分ごろチェックアウト。
再び3条通りをくだり、京都シティハーフマラソン出場時から
気になっている、白川添いにある祇園饅頭の工場前で店番している
おばちゃんに声をかけて、小売をしてもらいます。
小さな丸もちが一個80円、25個で2000円(消費税別)でした。
まだ搗き立てなので、水分がこもらないようビニールの口は
縛らないようおばちゃんに念を押されてお買い上げ。
白川裏の古川商店街の錦小路とは違った、地元の人による地元の人のための
店をながめつつ、祇園に入り、四条河原町でザックを600円の特大ロッカーに
2つほおりこみようやく身軽に。
妻がお母様から所望された、餡子系菓子ということで阿じゃ里餅を購入、
隣の店で偶然見つけたバナナ味の金平糖が滅多に手に入らないと主張され
こちらも購入、手提げを持ち、さてもう少し寺社めぐりと
11時30分の四条河原町を歌舞練場から南へと歩き始めたのでした。
このあたりは、それこそ2軒と明けずの神社仏閣地域。
建仁寺の大伽藍をゆっくりと横切り、三十三間堂を目指そうとしましたが、
途中で六波羅蜜寺を発見、新年の準備で忙しそうに立ちはたらく白衣の社人の間に
それほど参拝客の数は多くなく、しかも教科書で見知った「空也上人立像」「平 清盛像」が
あると知り、立ち寄りを決め、宝物殿に入ったのでした。
ご本尊は開祖・空也上人作と伝えられる11面観音像だそうですが、これは
滅多なことでは開帳されない秘仏、運慶像などを見た後、ついに空也上人が、
南無阿弥陀仏の言葉を口から吹くあの、息が見えるような像と合間見えました。
あの口前に細いテグスのようなものに連なった6つの炎が言葉の象徴だそうですが、
それよりも像の秀逸は、上人の表情に感じるのです。
まっすぐ、口の前に心を集めているのがわかります。
やさしさ、浄土への思い憧れ、人を説こうとする姿勢、
そんな感じがするのです。
昨日の平等院に続き、良いものと出会えたと感に満ち、
最初目的にした三十三間堂には向かわず、四条方面に戻り始めたのでした。
街場のそばやを目指しながら、大晦日に開く店は多くなく、
結局八坂神社前につき、いず重に並び始めたのですが、
15分待っても全く進まず、あきらめて縄手通りを三条に近づき、
重兵衛へ。
並ぶことなく入り、私は鯖寿司も3巻入った盛り合わせ「祇園」
妻は冬季限定の蒸し寿司を選んで、体を温めたのでした。
14時30分、四条河原町駅から阪急の特急に乗車。
桂に長岡天神、高槻、茨木、淡路まで停車する急行化に
驚きつつ、ほとんど眠りの中にあって十三着。
神戸線の特急に15時30分ごろには西宮北口に至り、
父と弟の出迎えを受けたのでした。