京都旅行も3日目となりました。
11時ぎりぎりにチェックアウト。
いきなり余談が一つ。さあ、この写真を撮ろうとデジカメを取り出したら
うんともすんとも動きません。何故か?
電池が入っていません。充電器をコンセントに挿したまま、部屋に忘れてきたのです。
あわててフロントに戻って、ボーイさん動向で8056号室に戻り、無事、コンセントに
つながったままの黒い5センチかくの充電器と電池を回収しました。
まったくただでも忙しい年末のチェックアウト時にお付き合いくださった
ウェスティン都ホテルの方、いやな顔一つせず笑顔で同行してくれて
ありがとうございました。
3条通りをくだり、白川を歩きながら祇園の町へ迷い込む彼女。
コートにリュックという姿で、町家の路地を歩いていると、
なんかアンバランスが過ぎているかんがありますが、
まあ目指しているところがあるのだから平気です。
PAGONG祇園店。着物の柄を生かした、洋服や小物が置いてあります。
他にも店はあるのですが、私たちのお気に入りはこちらの店舗。
着物の柄は目を引きつつ、服のデザインは着易さを優先していてくれる
ラインナップだからです。
ただ、今回は残念ながらお気に入りのピンク色のシャツがサイズ切れ。
あきらめて、旅行ポーチを買いました。
で、昼ごはん。それほど寒いわけではないのですが、やはり底冷えの京都の冬には
蒸し寿司が食べたくなるもの。
祇園四条大橋を渡ってすぐの、「千登利寿司」さんへ飛び込みます。
鯖寿司も2切れだけというわがままを、難なく通してくれる、まさに地元に根ざした
お客さん一人一人と付き合ってくれるお店です。
カウンターには、きっと予約して後でとりに来るだろう、鯖寿司の御包みが
何本も並んでいます。
他にきていた男性客は、既に年始はいつ来ようかと、ご主人と話し合っています。
そんな雰囲気に暖かさも倍増しまして、柔らかく甘い錦糸玉子に包まれた
ぬくぬくと、おいしい蒸し寿司をいただいたのでした。
酢飯があったかい、のを想像できない人にははホットレモンをおいしいと思うかどうか、
という程度の関門は超えていただく必要はあるかもしれませんが、
こちら千登利寿司さんのほくほくな酢飯は、柔らかな甘さとあいまって
とても心地よい体験ですよ。
そして食べ終わりましたら、あと京都で使える時間はそれほどありません。
来年の大河ドラマの雰囲気を盛り上げるため、平家ゆかりの六波羅蜜寺に
参りました。
清盛公がお経を読む柔らかい表情は、わが世の春と権勢を誇る話ばかり
目立つ平氏の棟梁というよりも、世を治める方法を透視する人格者の一面が
見えるようでありました。
その清盛像に並ぶこちらの宝物が「空也上人立像」
日本史の教科書にも良く見る像です。
胸に金鼓、左手に鹿の杖、短い着物は膝もあらわに草ぞうりをはき、
そして口から伸びて出るのは6体の阿弥陀仏。
6体は南無阿弥陀仏のそれぞれの文字を具体化したと言われているそうです。
諸国を歩きまわる足に支えられた空也上人のやせた体から発せられる
仏の言葉こそ、世に広まるべきもの、と読み解くこともできそうです。
年末の京都に毎年彼女と来るのは、やはり仏様との出会いが、そこここの
生活の間に見て取れるからに他なりません。私たちも、大切に一日一日を
積み上げて心を込めて生きて行こう、来年も!と思えるために。
京都の生活、というとこんな店に出会うのもまた。
お餅屋さんです。普段は食堂もやっているようですが、
年末はとにかく鏡餅はじめ、大小の丸餅を作り続けています。
小餅は1キロ2000円とありますが、18個ほどになるそうです。
気さくな奥さんはいくつでもいいですよ、とってくれるので15個買って、
実家のお土産にいたしました。
ちなみにお米は羽二重、80年来の杵つき製法で作ったものだとか。
夕食で焼餅にしていただきましたが、もっちり食感と米の旨味がたっぷりつまった
充実のお餅でありました。
14時を過ぎて、洛中の日も翳り始めましたt。
そろそろ帰るかと東大路にでると、あれ、すぐ先に高台寺の表示板が。
いつか行きたいといっていたので、どうする?と彼女に問いました。
一瞬迷ったものの、やっぱり行こうと決断が早いのがいいところ。
坂を上っていくと、あれよあれよと人波、タクシー波、人力車波。
清水寺とは二年坂で続き、一方には龍馬の墓もあるからでしょう。
もちろん高台寺は、秀吉夫人の北政所・ねね様が開いた寺にして、
葬られた地です。
霊屋(おたまや)と呼ばれるお堂は、秀吉と北政所の木造とともに、
黒と金蒔絵が深く輝く須弥壇があり、桃山時代に生きた彼女を慕う人の
思いが強く感じられます。
境内には、他にも見所がだくさんあります。
上の写真は臥龍廊(がりゅうろう)。開山堂と霊屋をむすぶ階段です。
山の斜面に立ったお寺ならではの面白みでしょう。
登りlきった先には、千利休が伏見に立てた茶席を移築した傘亭もあります。
茅葺屋根の内側を支える茸が放射状になっていることから、傘亭の名前が
ついたそうです。
山の冬、こんな美しい残り香もありました。。
年越しの紅葉に見送られた後は、年明け準備で忙しい八坂神社を通り抜け、
四条河原町。
阪急電車に乗って、西宮の実家へ。
夕方の斜光になった大阪平野を南下します。
年末の旅行もこれまで。
では皆様、奥様。
来年もよろしくお願いいたします。