日々ふさおまき

走って跳んで歩いてます。

映画「風が強く吹いている」満足度満点

2009-10-31 19:34:45 | 映画


初日、新宿ピカデリーで見てきました。
外は快晴、見終わった後の心も快晴といった感じです。
なんか、いいんですよね、走り方が。出演者の本気がそのまま。
体が切れていて、足運びが鋭い。テンポも速く、着地して蹴り足を巻き戻し、
地面からの反力で膝が自然に高く上がる。
格好いいんです。上下動の少ないフォームは長時間走り込んで、
体に覚え込ませたものに間違いない。
そうでなければ、中継風の映像構成をするとき、絶対ばれます。
どういうことかというと、この映画は、全身ショット、アップショットだけではなく、
ビル上からの俯瞰、ヘリからの空撮まで使い、走り方をありとあらゆる方向から
撮影しているのです。もし「部分」でしか走っていなければ、絶対偽物であることが
分かってしまうと言う危険な構成なのに、いや、本当に箱根駅伝の正月中継を
見ているのではないかと思えるほど、役者たちの走りに違和感が無いのです。
だってそうでしょ。普通、野球ものとかを映画でやる場合、えらくアップばかりで、
全身映像なんてほんの少し。それでも全身が映ったとたん、体ができてないわ、
力のバラスがバラバラだわでガッカリすることばかり。
そんな不満が今回はまるでなく、ストーリーラインにとけ込んでいるのです。
主役・ハイジを演じる小出恵介、走(かける)役の林 遣都はもちろん、
箱根に駆ける無謀とも思える夢に挑む青竹荘の10人みんながやりとげています。

2時間の映画ですから、ストーリーの豊かさ、とくに登場人物それぞれの個性や
それを育んだ20年前後のヒストリーは小説や漫画と比べものにならないほど
薄められてしまうのですが、映像と音の迫力が、青春のさわやかさ、希望、努力
友情を真っ直ぐに届けてくれることとなるのです。

そう、もう一度大学生に戻りたい。劇場を出るときに真っ先にでた、私の正直な
感想です。



第20回 全日本マスターズ 混成陸上 10月4日(日)15時30分~第5競技1500M 5'04

2009-10-25 23:54:16 | マスターズ陸上(オス)
円盤を3回全員が投げ終え、計測が始まったのが15時10分。
距離の短い人からはかるので、比較的早めに測定が終わった私。
スタンド下の荷物置き場に中距離用のスパイクを取りに行き、
ちょっと休もうかと腰を下ろしたところ、Sさんが遠くから手真似で
「腰ゼッケンはもらった?」と教えてくれます。
もちろんすっかり忘れていたので、正面入り口近くの受付に行ったところ、
「1500mの腰ゼッケンは、もうスタート地点に運んだので、
現地でもらうように」と言う審判員からの指示。
まあ、こういうスケジュール変更による具体的進行の指示は、
まず正確に伝わらないというのが、3年間マスターズをやっていての経験則。
案の定、現地に着いても腰ゼッケンはどこにもありません。

まあ、しょうがないやとスパイクに履き替えたのはスタート10分前、
M50以上の皆さんが先に走ってくださるので、まあ20分はあるかと
また休みモードに入ります。
正直、今回の5種競技は、これまで4回参加したなかで、最も体が疲労して
います。これはおそらく、全ての競技でトレーニングを積み始めたので、
一種目一種目に注入するエネルギーが増えたのだと思われます。
といいますか、身体感覚で言えば、全身の協調性を発揮できるようになったと
いうことでしょう。最初の頃なら、投擲は腕だけで投げてましたから、
距離は出ない分、体力が温存できました。
でも、今回自己ベストがでたヤリは、飛ぶようになった分、踏ん張るときの
大腿二頭筋、ヤリを引き戻すときの背筋までも使い始めています。
そう言うわけで、1500に使えるエネルギーが残り少ない感じなのです。

とはいえ、M45での一位との得点差がまだ逆転可能なところにいるという
状況であり、出発前に準備していた”今日の標準目標5分15秒”を
”今日の最高目標5分00秒”にまで引き上げておかなければなりません。
トラック一周で言えば、84秒→80秒への変更です。
ただ、そこまでは自分の努力。
競う相手となるS木さん、A川さんのペース配分は全く分かりません。
もし彼らが号砲一発かなりの勢いで先行したら、どう対応しようかなどと
考えつつ、春の東京5種競技で、1500の実力が私の遙か上を行く
KAZさんのあおりに乗った結果、最初68秒で入ってしまい、あとは
88秒まで落ちていった”最初の無理は、結果を引き下げる”自己教訓も思いだし
なかなか落ち着かない心持ちでもありました。

そんなことを、M50以上の方々が走る姿を見ながら考え、
ついに自分たちのレースのお呼びがかかります。
年齢が高い方が内側に並べられるこの競技、外レーンにはM40以下の
筋力みなぎるみなぎるみなさんが体中からエネルギーオーラを放出しています。
少し斜めに弧を描くスタート線に右足を置き、位置についてというコールの
数秒後になるピストル音で前に出ます。そう、短距離に比べてスタート儀式が
省略されているので、いつもワンテンポ出遅れます。
今日も、外レーンから15人の若手がどっと押し被さってきます。
でも、ありがたいことに、私の足は普通に動いてくれています。
周りの人も、中距離専門で別世界スピードの持ち主2人最初の直線から
すでに遠く前に出てしまいますし、私と同じ5分レベルの人は4人のようで
わりにはっきりした2番手グループとなり、それくらいの人数ですと
団子になるわけでもなく、引っかかって倒れたり、無理に自分のペースを
変える必要もありません。
中距離用にリラックスしたフォームを心がけます。
着地は、叩くと言うより滑らす感じ。とにかく抵抗を少なく、リズムを
変えずと頭に描き、心臓の高揚もほどほどというところで1周目に達し、
ジャスト80秒。思わず口元がほころびます。
しかしここからが正念場。
何故かというと、やはり短距離ランナーの筋肉は、
400までは気楽に動くものの、800,1200と増すにつれて、
心肺系はぐっと負担が大きくなり、耐えて力を振り絞っている時に限って、
スピードが大きく落ちるのです。
それを避けるには、いいペースメーカーにくっつくのがいいのですが、
第2集団もばらけ始め、私が後ろにつけていた方も若干スピードが
落ちてきたようです。
ここで前に出るか、くっつくか。
しばらく考えてしまいました。そして考えているうちは相手の後ろ。
そのまま600m付近までいると、心肺が楽になってしまいました。
ああ、しまった、スピードが落ちすぎた・・・・と悟って前をかわします。
すぐに800m、この一周86秒。嗚呼、思った通り落ちました。
まだ半分、このあとどう盛り返すか、力んで行きます。
先行するのは5人になっています。
その中に、M45の方々がいるのかどうか、正直分からなくなって
いました。私の頭の中は、自分の設定したタイムだけでいっぱいです。
5分5分と、秋の虫のように繰り返します。
900mで前を行く一人をかわします。息が苦しそうでしたから、
もう一度抜き返されることは無いでしょう。
前はあと3人。ただ、ずっと前を走る2人は、30歳代の中距離専門家、
4分30秒台を目指すと聞いています。ですので、目指すのは
もう一人の先行者、50mくらいの差でしょうか。(後で知りますが、M40の
優勝者の方でした)この方の背中を目標に、ペースを下げまいと
意志を強めるのですが・・・1200は83秒。若干は上がりましたが、
5分ペースには9秒の遅れがあります。残りは300。
この時点で体がどういう状態かで、何となく結果は見えてきます。
前回の最初飛び出し方レースでは、このあたりで意識は飛んでいました。
力もうにも力めず、ましてやリラックスなどほど遠く、手足バラバラ。
ただ、今日は意識がしっかりしています。あと300と念じると、
何とか筋肉も反応します。着地足が後ろへ流れる前に引き戻すことも
できます。これなら300を60秒以下では走れそうだと目測し、
直線をとばします。一つ先を行くランナーの背中が少しずつ近づきます。
こういうとき、心は前に加速するのです。一歩一歩の力が、
近づく距離となって感じられ、足を回転させる引き上げ大腿二頭筋に
勇気を与えてくれるのです。
コーナーもリズミカルに抜け、直線へはいると、前の方はあと15Mくらいに
見えます。
追いつけるかも・・・甘い気持ちで、追うものの強みを頂いて走ります。
こういう己の力の取り込み方というのは、残像となって強烈に残るのですね。
今書いていても、前の方の黒いランシャツが揺れる様子が脳裏によみがえりますから。

しかし。前の方を追い抜いたのは、ゴールを過ぎてから。
ゴール地点に達したのは0秒6、遅れました。
それでも、最後の300を55秒で走れたのは収穫です。
目標プラス4秒。5分4秒08でのゴール。
M45では一位、全体でも5位ですからまずまずの結果でしょう。

こうして、長い一日の競技が終わりました。
混成5種、何度トライしても面白い。自分の力を発揮する余地が
まだまだありそうです。一方、今日の幅跳びのように、自分が信じていた
力が崩れたときの心の揺れに、未熟なアスリート烙印を押してしまう
ところでもありました。


S木さん  幅5m70(746点) ヤリ30m74(410点) 200m24"69(876点) 円盤19m10(273点)1500m 6'37"37(283点)5種目計 2588点
A川さん  幅4m30(394点) ヤリ32m84(447点) 200m27”72(626点)円盤19m59(283点)1500m 6'02"19(429点)5種目計 2179点
ふさおまき 幅5m46(682点) ヤリ37m26(526点) 200m25”42(812点) 円盤19m17(274点) 1500m 5'04"08(731点)5種目計 3025点

全てが終わり、S木さんと握手。一日ずっと時間を共にした、健闘をたたえるこの瞬間は胸熱くなるものがあります。
A川さんとも握手をしながら、「またどこかでお目にかかりましょ。あ、今度会うとき、わしM50や」
陽気な声で車へと向かわれました。
一日、本当に楽しい気持ちで乗り切ることができたのも、よい人々と競技し、そしてよい石川のマスターズ陸上競技連盟の審判員の方々、
サポートに回ってくれた大学生の皆さんの協力があったからこそです。
お礼と感謝の気持ち、ここに書くことしかできませんが、ちゃんと書いておきたいと思います。

第20回 全日本マスターズ 混成陸上10月4日(日)14時00分~ 第4競技 円盤投げ 19m17

2009-10-18 23:46:42 | マスターズ陸上(オス)
まだ終わらない、全日本混成参加記録、です。
ようやく4種目目、円盤投げです。

200mが終わると、ようやく昼ご飯が食べられます。
とはいえ緊張感と極度の疲労感から、ちゃんと食事をとれたことは
ありません。
今回も用意したのは、アミノバリューのゼリータイプ(疲労回復に
ビタミンC入りです)、ソイジョイバー一本。これでせいぜい。
円盤投げだけは場所がメイン会場隣の補助競技場となります。
芝生がきれいなこのフィールドは居心地が良く、少し早めに出かけて
ごろごろすることにしました。

競技は、先にM50以上が投げて、その後M45以下のグループの開始となります。
ですので、M50が競技している間は、2キロの円盤が使い放題。
結構練習できます。
久々の本物、練習用に使っているゴム製と一番違うのは、人差し指の
引っかかり具合です。この微妙なリリースの力の伝え方で、円盤が回転するか
どうかが決まります。
たとえ非力な私でも、回転数さえ上げれば、揚力が増して飛距離も伸びるという物です。
本物はこのポイントが実にシビア、円盤の周囲が金属でカバーされていて、
そう簡単にはリリースを安定させてくれないからです。

いつものことながら、円盤の競技は時間がかかります。
M50が終わったのは2時近く、このまま行けば私たちのグループが
競技を終えるのは3時過ぎ、つまり最終競技1500mの始まる30分前と
なるのです。
とはいうものの、少しはサークルを使った練習もしたいというのが本音。
皆さんも同じ意向のようで、3時15分くらいまでテスト投擲となりました。
私も練習くらいは回転して投げてみよう、と色気を出すと、
まあいい感じ、ちゃんとスムースに回って、課題のリリースもちゃんとひっかかって
くれました。軽く投げて18Mくらいは行ったでしょうか。最高記録19m50の
私には、悪くないテスト結果です。
ただ、もしこの時のままを競技の時にさいげんすれば間違いなくファールを
とられます。
そう、投擲終了後、選手はサークルの後方から出なければならないルールなのに
私は投げた勢いのまま、サークルの前部から外へ出ていたのでした。
これって、普段練習してないと忘れるのですね。

いよいよ開始。
一投目に大切なのは記録を残すこと。で、安全策。
つまり回転はせず、フンと踏ん張り、体のひねりと腕のたわみだけで
投げるのです。こうすれば、勢い余ってサークルから出たり、
そもそも投げ出し方向を誤って、前方34.92度の投擲許容範囲から
外れてしまうことがありません。
腰を落とし、体をゆっくり半回転ひねって一息つくくらいためて、
膝を伸ばしながら投げました。
指にリリースの瞬間も力がかかりました。
でも、安全策は力も押さえ込んだようで、円盤はすとんと落ちて17Mくらい。
S木さんにも、A川さんにも2M近く置いて行かれます
10分後の2投目。回転することにしました。
とにかく軸を安定させることだけに集中します。
右足を上げて踏み込み左足を軸に回転。体重の移動はうまくいきます。
そして前方向に体が向いて、リリース・・・腕が伸びない・・・
軸がぶれないために、遠心力を制御しすぎて腕が縮んでしまってます。
こうなると、円盤に十分な力がかかりません。
前には飛んでいきましたが、案の定審判の判定はショート!
つまり、前の投擲記録より短いという声が上がったのです。

さて、3投目。
前回の5種で円盤が19m行ったときのことを思い出しながら
サークルに入ります。あのときは、春の合宿でSコーチから
教わった、膝のバネを最大限に使い腕を振り切る投擲を
実行しました。そのおかげで16Mだった記録が2割増したのです。
せめてあの時の再現を・・・
だから回転はしません。
思い切り踏ん張って、後ろひねりから体を戻すとき、
膝の力で体を押し上げ、同時に腕を最大限の円弧で
振り切る。そのイメージです。
右足の位置を決め、後ろへ円盤をひきます。
2度3度と予振を重ね、3投目で慣れたこともあり
180度以上にひねったところで、力を入れ
実際の投擲に入ります。
沈めた体を、両膝を伸ばす前につま先に力を入れて起こし、
体全体が浮き上がり始めたところで、腕が前へ出始めます。
足の軸を左に寄せすぎず、腕を外幅広く回すために、
右足も少し浮かして外へ回していきます。
つまり、半回転だけするのです。
前の2度よりも、腕にスピードが乗り、円盤にも
力が伝わるのが分かります。
腕が前に振れていき、リリースも人差し指が押さえてくれて
円盤も安定、真っ直ぐに飛んでくれました。
そして結果が19m17㎝。
自己ベストにも及ばずでしたが、今日のなかでは
何とか修正することができました。


S木さん  幅5m70(746点) ヤリ30m74(410点) 200m24"69(876点) 円盤19m10(273点)3種目計 2305点
A川さん  幅4m30(394点) ヤリ32m84(447点) 200m27”72(626点)円盤19m59(283点)3種目計 1750点
ふさおまき 幅5m46(682点) ヤリ37m26(526点) 200m25”42(812点) 円盤19m17(274点)3種目計 2294点

ふさおまき12点差を11点差に詰めました?ああ、幅跳びのミスが痛い・・・またぞろ弱気の虫が先立つのでした。

第20回全日マスターズ混成陸上の5種競技記10月4日(日)12時30分~第3競技200m25”42

2009-10-16 02:09:25 | マスターズ陸上(オス)
お久しぶりになった、全日本混成参加記録です。
次は3種目目、中盤です。

プラスになったことはマイナスになりうる。それが陸上競技の風。
前の種目・やり投げがぐーんと伸びたのは、多分いい具合の向かい風が
ヤリを上向きに乗せてくれたから。
その風が200mでは、スタートからコーナーまでの向かい風となって
私の体を押し戻します。決して記録を上向きにはしてくれません。

200m競争は、年代ごとに区切られます。つまりM45参加の3人が
3コースから5コースに並び、私はその一番外側で5コースに入ります。
私はこの競技においてどちらかと言えば後半の追い込み型。
100Mとは違う、抑え気味でだけど体をスムースに着地点に乗せる
コーナー走は得意で、150Mくらいまではふわふわとスピードを維持していくことが
できます。パワー派では無いので、最初に力を出しまくり後半空回りと言うことは
滅多にありません。
ですから、どちらかと言えば、内側のコースから先行する相手を見つつ、
ついて行くほうが気持ちよく走れるのです。
そんな頭がありますから、5コースで自分が一番先頭に立つ走りとなると、
うまく勝負が組み立てられないのです。強烈な苦手意識。
その上に向かい風。
スタートの号砲とともに、すぐ後ろから聞こえる足音。
3コースのS木さんは、さすがに100m全国で入賞の方、コーナーを出る前に
私の先を走ります。これはとてもついて行けない・・・
精神の弱さがもろに出て、ここですでにあきらめムード。リラックスというわけではない
脱力モードになります。

なんとか150からはS木さんを若干詰めましたが、背中を多くを見ながらの
ゴールとなりました。



S木さん  幅5m70(746点) ヤリ30m74(410点) 200m24"69(876点) 3種目計 2032点
A川さん  幅4m30(394点) ヤリ32m84(447点) 200m27”72(626点)3種目計 1467点
ふさおまき 幅5m46(682点) ヤリ37m26(526点) 200m25”42(812点) 3種目計 2020点