隅田川のほとり(墨堤)と水戸街道の間に、
「鳩の街通り商店街」という通りが あり、
クリンたち🐻、この通りにある「古民家カフェこぐま」っていうお店で ランチしたかったのですが
この日は、うっかりお休みでした。
(古民家っていうよりは長屋ですけど、この建物の中でお食事したかったのです。
人気洋食店です)
「
この鳩の街ってさ、吉行淳之介の芥川賞作品の舞台になっているんだよね。
昔、赤線地帯って呼ばれていた場所で・・」
と、
やにわにチットが 語りはじめました。
今日、おり立った東向島は、
かつて「玉ノ井」と呼ばれていた・有名な色街で、
川の向こうの吉原よりも
ふだんづかい(?)で たいへん人気があったそうです。
でも、太平洋戦争で被災して🔥
玉ノ井の人々はすぐ近くのこの地に移って来て、戦後、営業を始めたらしい。
「鳩の街」というネーミングは そういう・・Come on , baby America
な
オトナの事情に、実は由来している。
そういう歴史を知ってしまうと 少しさびしい一角ですが・・🕊
この角にあった「ゆき」と名づけられた美容院を見て、
ある映画を ふと・思い出しました。👀
『濹東綺譚(ぼくとうきだん)』です
昭和を代表する作家・永井荷風の小説を
映画にしたもので🎥
そもそも、荷風が新聞に『墨東綺譚』を連載してから、
この辺は、ぼくとう(墨東)と呼ばれるよ
それほどまでに、荷風の代表作ですが・・
内容は・・
ある作家が、
娼婦のお雪に出会い、
ハマる。
という・・
浅草~玉ノ井をテリトリーとしていた永井荷風の、
実に完全なる私小説。
それを
津川雅彦(永井荷風役)と新進女優(お雪役の墨田ユキ)に、どエロく演じさせた
のうみつな映画でした。
クリンたち🐻👧、まだ10代のころに これまた・うっかり、テレビ放送で この映画を見てしまい👀
(こ・・こういう世界があったんだ)
と、軽くショックを受けました。
が・・
そこに描かれている、
朱と白と
よいやみ(宵闇)の世界は
イメージしうる
戦前の紅灯の巷(こうとうのちまた)そのもので、
画面上でくりひろげられる・タブーに、目がはなせなかったのを
おぼえています。🐻👧
とくに、
50代の、ただでさえ・脂の乗りすぎている津川雅彦さん(荷風)が、
透けるような白い肌のお雪さんに 食らいついているシーン。
それは、
グロテスク以外の
何物でもありませんでしたが・・
そんなシーンを
煌々とした光のもと
みずみずしく 見せていた、
しんどうかねと(新藤兼人)カントクの感性
そして、画面(えづら)へのこだわりを
まぶしいほどに かんじました。
旧・玉ノ井地区には、
今でも時々、小説に書かれた場面を探しにやって来るファンが いるそうですが
美しかった、お雪さんの幻影を 求めて 歩いているのかなあ・・
なんて、
まじめに 思ったりします。
(※ちなみに、こっちの鳩の街じゃなくて、東向島の駅の反対側の話です
思い出でした~🌈
古民家カフェこぐま、行きたかったなあ~🐻
つづきます)