今日は、祝日
いつもと同じ
朝早くにおきたチットは
好きな本を、 何時間もよんでいました
「 たのしみは 人も訪(と)ひ来ず 事もなく
心を入れて 書(ふみ)を見る時 」
今日のチットを よんだかのごとき
このうた(歌)は
のりなが(宣長)のこと、大好きだった
「橘曙覧」のうた。
とてもあたまが良かったけれど
出世はできず、びんぼうでした
でも
あたまが良かったので
まずしいくらしの中に、
ちょっとした・よろこびを 見つけるのが
上手でした
思ひの外に 能くかけし時 」
毎日、
小さな幸せを見出す・あけみは
このタイプのうたを
シリーズ化・しました
まだ、さむく
しずみがちな 2月だけど
(・・クリンも、お家の中に お外のようすに、
たのしみや よろこびを見つけたいな)
って
思います
「 たのしみは 空暖かにうち晴れし 春秋の日に 出てありく時 」
「 たのしみは 朝おき出でて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時 」
「 たのしみは 心をおかぬ友達と 笑ひかたりて 腹をよる時 」
(by独楽吟)
せつぶん(節分)で、
つい・かんじょう(感情)むき出しに なってしまった
クリン
にんげん、気にしてる所を つかれると、
よゆう(余裕)がなくなります。
(・・・あの、子オニ、クリンのこと見て
タヌキって言った)
いかり(怒り)にふるえる・クリンを
しんぱいした、
おにいちゃんとチット。
「お弁当持って、中沢池公園に行こうか」
と
クリンをさそいました
「さあ、グリン
今日は節分だから、恵方巻を皆で食べるぞ。
グリンに良いことがたくさんありますように。
おにいちゃんは、言いました。
「グリン、
世の中には色んなことを言う輩がいる。
悪意のある言葉を投げかけられたとしても、
そのことで
自分を貶めたりしちゃダメなんだ。
誰が何と言おうと、
グリンは最高の女の子 どんな時も、それを忘れちゃいけないぞ。」 「・・・モグモグ」
(ありがとう、おにいちゃん。
クリン、これからは
へんなこと言われても、ムシするよ!)
かみさま・・
(どうしてチットは、
くまやタヌキに あんなに反応するんだろう?)
ふつうじゃ・ありません。
(・・・・クリンはにんげんだってば)
夕空に たそがれていると、
家のなかに
いつのまにか
あかおに(赤鬼)さんが 入り込んでいました
「節分じゃて、豆を馳走になりに来たわ
今年は坊主も連れてな。
これ、あいさつしなさい。」
「クリンです。よろしくおねが・・」
(はあはあ・・)
・・・・・
あ、
クリスマスとは、イエスさまの たんじょう日をいわう・おまつり
そこに、
トルコのせい(聖)人の話が くっついて
今の形になった。とかで、
本当は
サンタが主役じゃ、ないらしい
それを知った クリンは、
「本格的なクリスマス」について
しらべてみました
本場では
プディングや、
シュトーレンを食べている。って、
ツリーのかざりは?
と 言えば、
その上、
日本では なじみないけど、
おうべい(欧米)は、
まち(街)や家で、
こんなの・かざるそうです。
<クリッペ(Krippe)>
中央:馬小屋の飼い葉桶に寝かされるイエス、後ろはマリア・ヨゼフ・東方三博士)
・・・・・
ケーキ食べて、
ケンタッキー食べて、
プレゼントもらうだけの日じゃなかった。
という、
それなのに、うちのチットと言えば、
「赤くて、クリスマスらしい」と、
チキンの代わりに
じっしつ(実質)的に
アレンジしすぎ
「・・・・
もっと、ちゃんとした・クリスマス、やってみたいよ」
クリンは さわぎました
すると、今日
イブの食卓に
・・・・・
(よく見ると、 けっこう、グロいな・・)
そこに、
「グリーン
プレゼントだぞ。ホラ!かわいい」(おにいちゃん)
と、
けっきょくは
日本ぽいクリスマスに なってしまいました。
・・・・・
でもまあ、
お国がらとか かんけいなく、
自分たちらしい・すごし方を
今週から、
たいして・しごと(仕事)がないチットは
どくしょ(読書)に、女子会にと
好きに すごしています。
(明日は忘年会らしい・・)
これじゃ、まるで、
・・・・
(ハッ!)
もうすぐ・シンデレラ(クリン)、
ぶとう会に 行ける・・?
王子さまが、クリンのくつを ひろい、
「このガラスの靴が
ぴったり合う女性を、
なんとしても 探し出せ」
って・ことになって、
そういえば、2・3日前
戸だな(棚)のところで、かぼちゃ、見た
あれが、
馬車になって
シンデレラを むかえに来るのかな?
(見に行く)
かぼちゃがきえてる・・
(どこへ行ってるんだろう?)
しかし
その日のうちに、
チットが いそがしそうだったので
そうだん(相談)できずに いたのですが、
(大そうじ、
そろそろ・はじめないと、ダメだよな・・
でも、いつ、はじめよう)
タイミングがつかめず、
クリンは、もたついていました
「玄関の黒竹」に、きせい(寄生)している・クローバーが、
こんなことを おしえてくれました。
「自分も、ラッキーアイテムだから
幸運つながりで、知ってるんだけど、
大掃除は、昔から
12月13日に始めるのが「吉」だよ。
なぜかって、「鬼宿日」と言って、
御先祖様が家に来る、
家のことやるには、最高に縁起のいい日だからね」
しつれい(失礼)しました、ごせんぞさま・・
今日は、おひがん(彼岸)。
あの世と、この世が、
もっとも・近づく日だそうです
・・・・
って・ことは、
「そんな、怖い日じゃないよ。
あっちに行ってる人たちが、遊びに来る日なんだから、
お茶菓子用意しようね。」
と言って、
チットがお茶を入れはじめました
2人のおばあちゃまです。
「二人とも北国の人だから、
あまり暑いと、来てくれなかったかも。」
(すずしくなって、よかったね)
クリンは おもいました。
たんか(短歌)をたしなんだ・おばあちゃまは、
やさしい・うたが好きだったけど、
おひがん(彼岸)には
さびしいうたを、あんしょう(暗誦)していました。
わが仏なべて 満州の土 」(山本友一)
おばあちゃまの人生とかさね、
そういううたを思い出したり
好きだったお茶をのんだりするのが、
ふさわしい・すごし方なんだ。
と
チットは言い、
クリンは ナットクしました
<2時間後>
・・・おはぎと、お茶が、なくなってる。
2人が、来て、食べていったのでは・・
「やだ、クリン!
食べたの、私だよ。
外に出しとくと、固くなっちゃうからね。
クリンの分もあるから、食べな」(チット)
「恒例の目黒のさんま祭りは、午前中から多くの人でにぎわい・・・」
クリンも行ってみたい・・
そく、チットを たきつけました
すると、
「いくら無料ったって
目黒まで行く電車賃考えたら 高くつくでしょ。
それに今夜は、
アジの開きがあるからね。」
・・・・
今日はおまつりだよ・・それに
秋はさんまの季せつなんだから・・
ああー・・
さんま・さんま・さんま苦いかしょっぱいか~
と
クリンがはるお(佐藤春夫)を
ぜっきょう(絶叫)すると、
チットも
負けずに言い返しました
「志ん生さんが言ってるよ。
『 干物では
さんまは鯵に かなわない 』 (古今亭志ん生)
そんなら・クリンも、ヘンク(返句)します