閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

「木苺通信」文庫版(予告編)

2018-11-09 23:34:12 | お知らせ(新刊)

大変お待たせいたしました。
『風町通信』につづき、『木苺通信』も文庫版になります。
ポプラ文庫ピュアフルから、12月5日発売の予定です。

こちらは宣伝部で作ってくださった書店用の注文書のための画像。
郵便猫さんもいるし、トプもいる!
(PCからの方はクリックで画像拡大します)
入社半年の新人さんが、「宣伝コピーを20本考えてみて」と言われて「100本考えます!」と、本当に100本書いてきたそうで…
その中の1本。
<デジタル化の波が及ばない、そんな小説があります>
ええ、たしかに、誰もが原稿用紙にペンで手書きしていたアナログ時代に、ひときわアナログ色の濃い作品を好んで書いてましたので、結果的にここだけ世の中の変化から隔絶された状態で現在まで残っていたのではないかと…そんな気もする(シーラカンスか!笑)
あとの99本も見てみたいですよね。

書き下ろしはありませんが、あとがきのかわりに単行本未収録作品を1篇追加しました。
イラストは風町と同じく初見寧さん。
初版の帯には素敵なサプライズもありますので、どうぞおたのしみに。
詳しいことは、本ができましたら、またあらためて。

(電話とインターネットの移設工事は無事完了しましたが、ひきつづきもうしばらく更新停滞しそうです)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「どろねこちゃんになっちゃった」

2018-02-07 11:10:25 | お知らせ(新刊)

紙芝居できました。

『どろねこちゃんになっちゃった』(教育画劇)
絵は、おくはらゆめさんです。かわいいです!

いたずら大好き、しろねこちゃんと、みけねこちゃん。
水たまりで遊んだら、どろんこの「どろねこちゃん」になっちゃった。
どっちがどっちだかわかりません。

おかあさんにみつかって、

「おふろにはいりなさーい」
「やだやだ」「やーだよー」

<やだもんやだもん! こんな子いないかな~?>
というシリーズタイトルがついています。
いわゆる「やだやだ期」の2、3歳児向き生活しつけ紙芝居セット、ということだそうで。
こういう「何かに役立つ」みたいなおしごとは本来苦手なので、さくっとお断りするはず、だったのですが、なぜかまたしても編集Cさんの罠にはまり…(笑)

おくはらゆめさんの絵は、あたたかくてシンプルで、シンプルだけど画面からあふれそうなぴちぴちした生命感があって、見ているだけで顔がにこにこしてくるのです。
おくはらさんご自身、小さいお子さんのおかあさんでいらっしゃるので、こんなふうな「こーら、待ちなさいっ」という光景が現実でも日々繰り広げられているのでは…とついつい想像してしまいます。
どろんこ遊びは楽しい。追っかけられて逃げるのも楽しい。つかまえてもらうのも楽しいし、お風呂も楽しい。
結局、幼児の生活はあらゆることが「遊び」なので、一緒になって遊べる(「遊んであげる」ではないです)おかあさんは、「しつけ、しつけ」と必死になるおかあさんより子育てがラクなんじゃないかなあ。
絵の中にさりげなく描き込まれた、かえるさん、ありさん、だんごむしさん、ちょうちょさんにも、ぜひぜひご注目くださいませ。

 

どろねこちゃんに なっちゃった (やだもんやだもん! こんな子いないかな~?)
たけしたふみこ・作 おくはらゆめ・絵
教育画劇 2018年

 

<追記>
この紙芝居をもとにした絵本『にげろ!どろねこちゃん』が、2021年4月に同じく教育画劇から出版されました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「いそげ! きゅうきゅうしゃ」

2017-10-24 15:43:42 | お知らせ(新刊)

『ピン・ポン・バス』から始まる偕成社の乗り物絵本シリーズ。
10冊目は、『いそげ! きゅうきゅうしゃ』。
ついに救急車の登場です。

子どもの好きなクルマというと、必ず救急車が入ります。
このシリーズでも以前からリクエストをいただいていましたが、なかなか書く気になりませんでした。

子どもはピーポーピーポーのサイレンに「あっ!」と目を輝かせる。
それは、たしかにそう。うちの子どももそうでした。
だけど、考えてみると、救急車の行く先には、ろくなことがないのです。
急な病気とか、事故とか。痛かったり、苦しかったり…どう描いたって、楽しい場面にはならないでしょう。
かといって、かすり傷程度で救急車に来てもらうわけにはいきませんしね。

小さい子どもの見る絵本は、安心して何度でも飽きずに楽しめて、大人も気持ちよく読んであげられる…そういうものでありたい。
と同時に、相手がどんなに小さくても、「子どもだまし」ではいけない。
その中でも特に「安心」という点が、わたしの中でクリアできずにいました。

もうひとつは、構成上の問題。
救急車は、患者を運ぶのが仕事。病院に着いたところで役目は終わりです。
お医者さん看護師さんにバトンタッチして、治療はそこからが本番になるけれど、それはもう「乗り物絵本」の領域ではなくなってしまう。

宅配便のトラックが、荷物を宛先の家まで届ける、とか。
パトカーが窃盗団を追跡してつかまえる、とか。
そういう「一件落着」や「めでたしめでたし」が、救急車の場合は設定しにくいのです。
消防署→救急現場→病院→消防署。
この行ったり来たりで32ページ15場面もたせるのは苦しい。
小さい読者さんはキューキューシャの絵を見るだけで喜ぶかもしれないけれど、読んであげる大人がつまらないのでは駄目。

…というような理由で、10冊目に救急車はまったく予定していませんでした。

ところが、昨年末、思いがけず自分が救急車で搬送される羽目になりまして…
救急車だけでは済まず、なりゆきでドクターヘリにまで乗ることに…
「乗った」といっても、本人は最初から最後まで目をつぶっていたので、ほとんど何も見ておりませんが(笑)
まあ、意外な形で、「接点」ができてしまったわけです。

それでも入院中は、ネタにしようなんて思いつきもしませんでしたが、退院の翌月の外来で、検査の結果も問題なく、先生に「もう来なくていいですよ」と言われ、ほっとしてMと病院を出たら、ちょうど屋上ヘリポートからドクターヘリが離陸するところでした。
「あれに乗ってきたんだねー」と、ふたりして感慨深く見上げた、その晩(だったっけ?)Mがちょっとマジメな顔をして、「やっぱり、あれ描きたいんですけど、いいでしょうか」と。

それでわたしも、うーん、じゃあ、書いちゃう? という気分になり、1日半でさらっと原稿をつくって渡し(ええ、もちろん、フィクションですよ、フィクション!)、そこからあっというまにダミーができて、7月には原画ができるという早さ。
(だけど、そのあと「デジタルお直し」がけっこういっぱいあって、編集Mikaさんゴメンナサイ)

いつものように、絵を描く人は、消防署に何度も通って、詳しく取材してきてくれました。
サイレンが迷惑にならないよう、住宅地では音量を下げるスイッチがある、とか。
赤信号で交差点に進入するときも、サイレンに気づかない人や車がいることを考え、必ず一旦停止する、とか。
「救急救命士」とふつうの救急隊員は何がどこがどう違うか、とか。
今回もいろいろ学びました。

救急車(と、ドクターヘリ)が主役ですから、けが人も病人も、当然出てくることは出てきますが、緊迫感を出しつつも、怖い感じにはならないように…というのが、苦心したところ、かな。
全体に明るくさわやかな仕上がりになったんじゃないかと思います。
最後のおじいちゃんと孫の会話は、そのまま作者の「感謝の言葉」でもあります。

例によって、本筋とまったく関係ないところで、シリーズの他の絵本にも出てくる車や人がゲスト出演しておりますが、今回はいつもより内輪ネタが多めで…

「描いた人」が通ったことのある英会話教室とか…


もしかして、うちの猫がときどきお世話になる獣医さんでは? とか(笑)

「描いた人」もどこかのページにいますので、探してみてくださいね。
(「書いた人」は? えーと、たぶん、いない、と思うけど?)

 

以下、舞台裏的な補足。

ドクターヘリを要請すると、ほとんどの場合、消防車も出動します。
ヘリが発着する場所はあらかじめ決まっていて、そこに最寄りの消防署から消防車が先に行き、周囲の安全を確保したり、プロペラ風で土埃が舞い上がるのを防ぐため水をまいたりするそうです。
だから、ほんとはこの絵本でも、ヘリが降りるグラウンドには消防車がいなければならない(と消防署の人に言われた!)のですが、画面の中に赤い消防車が見えると、すごく気になるでしょう。
どうして火事じゃないのに消防車がいるの?…って、1行くらいじゃ説明できませんし、子どもの興味がそれてしまうのも困るので、消防車は省略することにしました。
消防車が来るはず、ということをご存じのマニアの方は、ページの端っこの「ちょっと外」にいる、と想像していただければ嬉しいです。

いそげ! きゅうきゅうしゃ
竹下 文子・文
鈴木 まもる・絵
偕成社 2017年



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ぜんまいじかけのトリュフ」

2017-09-08 22:30:49 | お知らせ(新刊)

新刊絵本です。
『ぜんまいじかけのトリュフ
 エピソード1 トリュフがトリュフになったわけ』
(長いタイトルだ…)

これは何かというと、

あれ?

 

あららら…?

 

というわけで、「ぬいぐるみが絵本になった」のですよ。

もともと「ぜんまいじかけのトリュフ」はカミオジャパンさんというファンシーグッズの会社のキャラクターのひとつ。
数年前から文房具やぬいぐるみなどが販売されており、今回はじめて絵本化の企画ということで、お手伝いさせていただきました。
絵は、この会社でトリュフを担当するイラストレーターの「あゆみ」さんです。

グッズ開発の過程で、この世界の設定はすでに出来上がっていて、舞台となる玩具店「カトルカール」の見取り図から、登場するおもちゃたち動物たちの名前や性格、エピソードのアウトラインまで用意されており、それをこちらで場面割りして文章化する…というおしごと。
こういうのは初めてなので、できるのかなあ?と思いましたが、やってみたら楽しかったです。
わたし自身は、何か書くときに「設定から入る」タイプではないですから、「へえ~、こうやるんだ」と興味深い点もいろいろ(笑)

トリュフくんは、濃淡カラーに目立つステッチ、それと背中の大きな「ねじ」がトレードマークで、どうしてねじがついてるのか、ということは、

この絵本を読めばわかります。
(ちなみに、トリュフの名は、キノコじゃなくてチョコのほう)

 

てのひらサイズのマスコットにも、ちゃんとねじついてるよ。

 

ねじ巻くと空飛ぶ!
というのは嘘だけど。

いちばん大きい子は高さ約30センチ。
この毛皮(というか生地?)は、とっても手触りが良いですよ。
どこかで出会えたら、ラッキー。

ぜんまいじかけのトリュフ
エピソード1 トリュフがトリュフになったわけ
原案・絵/あゆみ 文/竹下文子
デジタルパブリッシングサービス 2017年9月 

 

<おまけ>

6月の「謎のおでかけ」で東京ビッグサイトに行った用事は、じつはこれでした。

カミオジャパンさんのブース。
このときまだ絵本はできてなかったのですが、カバー見本だけ、ちらっと。

そして、着ぐるみトリュフ!

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「しゃっくりくーちゃん」

2017-09-05 15:12:21 | お知らせ(新刊)

新刊です。『しゃっくり くーちゃん』 
「kodomoe」2016年12月号の付録絵本が、白泉社から単行本になりました。
(前の記事は→こちら

(これは付録の。表紙デザイン変わりました!)

これはもう、岡田千晶さんの絵が可愛い!の一言につきます。
主人公の猫のくーちゃんも、お友達の動物たちも、とってもキュートで個性的。

「しゃっくり」というのは、「くしゃみ」「あくび」などと比べると、外見ではちょっとわかりにくいです。
絵本で「しゃっくりをしているところ」を視覚的に表現するのって、むずかしいんですよね。
「しゃっくりを止めようとして息を止めているところ」なんて、さらにむずかしい。
(なぁんて、例によって全然考えずに書いた作者で…すみません;)

そこのところ、岡田さんはじつにうまく描いてくださっていて、「ひくっ!」というときのくーちゃんの表情とポーズが、もうたまらなく「しゃっくり」そのもの。
アニメのように動いたり音が出たりするわけでもないのに、「ひくっ!」と同時に「ぴょこっ!」と跳ねちゃう動きがありありと感じられ、まるでくーちゃんと一緒にしゃっくりしているような臨場感が…(笑)
こういうことができるのが、絵本の良さです。

しゃっくりのとまらなくなったくーちゃんが、いろんな「しゃっくりのとめかた」を試すのを、動物たちがかわるがわる手伝ったり、応援したり、一緒にやってみたり。
くーちゃんという子は、しっかりした意志の強そうな顔だちなんだけれど、ときどき甘えん坊の表情がのぞき、だからみんな放っておけず、ついつい世話を焼きたくなっちゃうんだろうな…。
そのお友達をひとりずつ順番に主役にすれば、またいくつもおはなしができそうな…そんな楽しい絵本であります。 

しゃっくりくーちゃん(コドモエのえほん)
竹下文子・文
岡田千晶・絵
白泉社 2017年9月

24ページ、18センチ角くらいの小さな絵本。
対象年齢が「1歳から」なので、カバーはなく、本のカドが丸くなっています。 

(今年はどういうわけか8月から10月に本がかたまって出るので嬉しい大忙し!)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「風町通信」文庫版

2017-09-01 00:08:12 | お知らせ(新刊)

『風町通信』が文庫になりました!
ポプラ文庫ピュアフルから、9月1日発売です。

これはね、なつかしい本です。
ポプラ社の編集者さんが「子どもの頃から大好きな作品」とのことで、つまり、それくらい古い!

書いたのは、1980年から1982年にかけて。
えーと…37年前??
月刊誌の連載で、毎月4枚、1600字前後の掌篇連作。
そう、原稿用紙にペンでちまちまと書いていた時代でした。
わたしは学生の頃から「おしごと」として童話や絵本のテキストを書いていて、それなりにまとまった作品はできたし満足感も得られたけれど、このスタイルではじきに行き詰まるだろうな、ということが、20歳くらいでなんとなく見えてしまっていた。
「風町」を思いついて書き出したとき、目の前に誰も歩いていないまっさらな道がひらけたようで、ああ、そっちへ行っていいんだ!と、ものすごく嬉しくてわくわくしたのを覚えています。

連載当時のイラストは飯野和好さんでした。
いまはすっかり時代劇のヒトになっておられる飯野さんだけど、かつては「anan」みたいなファッション誌にペン画で無国籍風の不思議でおしゃれなイラストを描いていらしたのです。

その頃わたしは、東京で私鉄沿線の変なアパート(鉄筋コンクリートだけどマンションと呼べるほど立派ではない)に住んでいて、そこがときには「風町」だったり、そうじゃなかったり…
話の中に出てくるのも、実在の人や物や場所だったり、そうじゃなかったり…
野外音楽堂や、彫刻のある橋や、植物園などは、はっきりしたモデルがあったけれど、夜中に柵を乗り越えて侵入したなんてエピソードは、はたして事実だったのかどうか。
フィクションとして書いたのに、いつのまにか、まるで本当にあったことのように記憶のほうが変化してしまったのかもしれません。

連載をまとめたものが、1986年に偕成社から単行本として出版されました。
その後、1990年にデザインを変えた新装改訂版が出ましたが、それだって27年も前の話…
子どもの頃に読んだ人が大人になっていても当然ですよね。

初版本(右)と、ひとまわり小さい改訂版。
まったくテイストの異なるデザインになったのは、他の2冊(『星占い師のいた街』の改訂版と『窓のそばで』)と揃えたから、だったかな。

とにかく、いろいろ思い出の尽きない本であります。
今回、あらためて読み返したら、音楽はレコードだし、コーヒーは手回しミルでひいてるし、電話は携帯どころかコードレスでさえなく、駅の改札口には駅員さんが立っている。(切符にはさみを入れる、なんて言葉、もうみんな知らないでしょう?)
まあ若いうちからレトロ趣味ではあったけれど、それにしても、ずいぶんいろんなことが変わったのねえ…と感慨深いものがありました。
だけど、同時に、全然変わってないじゃないか! とも思う。
いまのわたしの好きなものは、あの頃から好きだったもので、苦手なものは相変わらず苦手なままで、たぶんそれはこの先もずっと変わらないでしょう。

文庫にしていただくことが決まって、すこし手を入れました。
全体に表記を見直したほか、以前から気持ちの中でどうしてもひっかかる点のあった1篇については、ちょっと思い切った修正をしました。
それと、連載終了後に書いた作品(単行本未収録)を3つ、後半部分に追加しました。
これから初めて読んでくださる方もいることだし、たぶん修正できる最後のチャンスなので、過去ではなく現在のわたしの感覚で、納得のいく形にしようと思いました。
前のほうがよかった! と思われたら、ごめんなさいです。
偕成社版はもう中古でしか手に入らず、この先も重版はありませんので、お持ちの方は、どうぞ大事にしてください。

文庫版カバーと本文イラストは、初見寧(はつみ・ねい)さんです。
きわめて繊細な、ミニチュア細工のような趣のある絵は、風町を描くというより、風町のどこかにひっそり飾られているのにふさわしく、この世界にまだ作者の知らない小路や店があることを教えてくれます。

厳しいスケジュールにもかかわらずこころよく応じてくださった初見さん。
「ほんとは自分だけの秘密の部屋にしまっておきたい」と言いつつ、文庫化をすすめてくださった編集者さん。
そして、37年前のわたしにこの作品を書かせてくれた<ゴーシュのモトコさん>にも、心からの感謝を。
ありがとうございました。

ポプラ文庫ピュアフル9月の新刊4冊のうち、2冊ぶんの応募券をあつめると、ポストカード4枚セット(うち1枚は『風町通信』の扉絵です!)を応募者全員にプレゼント! という特典があります。
ほかの3冊も、それぞれに個性的で素敵な作品ですので、ぜひぜひご応募くださいませ。

詳しくは帯をみてね。

東京・池袋のジュンク堂3Fで、カバーイラストのパネル展開催中。9月30日まで。
著者サイン本も置いていただけるそうです。
文庫本って、余白があまりないし、サインすると開き癖がついちゃうのが困るけど…
1冊ずつぜんぶ違う言葉を書いたので、おみくじみたいになってしまいました。

 

(P[た]1-1)風町通信 (ポプラ文庫ピュアフル)
竹下 文子
ポプラ社 2017年9月

そして…

もう10年以上前からたくさんの復刊リクエストをいただいている『木苺通信』。
諸々の事情から、写真の入った単行本という方向の復刊は望みなしの状態が続いており、申し訳ありません。
『木苺』は『風町』の続編ではありませんが、この2冊は兄弟か姉妹のような本なので、これを機に『木苺』も文庫で復活できたら、いいなあ!
というのが、七夕の短冊に書いたおねがいごと。
サンタさんへの手紙にも書こうっと。
いつか良いお知らせのできる日が来ますように。

<追記>
この記事のみ、コメント欄の書き込みができるようにしておきます!

 

<さらに追記>
『木苺通信』文庫版できました!

(P[た]1-2)木苺通信 (ポプラ文庫ピュアフル た)
竹下 文子
ポプラ社 2018年12月



コメント (27)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「きみはライオン!」

2017-08-25 14:16:15 | お知らせ(新刊)

新刊。翻訳絵本です。
『きみはライオン!』偕成社 2017年9月刊

 しんこきゅうして はじめるよ
 がぁーっ!と ほえて ライオン
 ぱーたぱーた ちょうちょ
 ぴょんと はねたら かえる
 みんなで いっしょに やってみよう!

「たのしいヨガのポーズ」という副題がついています。
表紙の男の子がやっているのは、ヨガの「ライオンのポーズ」。
(クレちゃんも真似してま~す)
以下、蝶のポーズ、犬のポーズ、蛙のポーズ、などなど、動物になったつもりで一緒にやってみよう! という、子どものための「ヨガ入門絵本」です。

作者ユ・テウンさんは、韓国に生まれ、ニューヨークで活動している絵本作家。
版画をベースにした絵は、落ち着いた深みのある色がきれい。
やわらかい手触りとぬくもりが感じられ、わたしは一目で好きになりました。
子どもの表情や動作がとても自然で可愛らしいのです。
アメリカの絵本らしく、いろいろな人種の子どもが出てくるのですが、違和感がなく親しみやすい気がするのは、同じアジアの人が描いているからかもしれません。

昔は「ヨガ」っていうと、インドの行者とかヒッピーとか……まあちょっと特殊な人たちがやってる難しそうなイメージがありましたが、いまはもうそんなことはないですね。
最近は、産後のママが赤ちゃんと一緒に参加できたり、子どもを対象にした教室もふえているそうです。
本格的にやるには、呼吸法とか、いろいろあると思いますが、この絵本には難しいことは何も書かれていません。
まずは、ゆる~く「ごっこ遊び」から。
身体を動かすのが大好きな子どもたちは、絵の中でポーズする動物と子どもを見たら、きっと真似したくなっちゃうでしょう。
だから、読んであげるなら、おやすみ前より日中のアクティブな時間帯がおすすめかな。
おとながやっても、なかなか気持ちがいいですよ。
もちろん、絵本として、ただ眺めてのんびりするだけでも、じゅうぶん楽しめます。

原文は、余計な説明がなく、非常に簡潔で、リズミカルなので、その雰囲気を生かすようにと考えました。
ひとつひとつの動作を的確に伝えるだけでなく、大きな自然への感謝をこめて、「おひさま おはよう」と、明るく一日のスタートができるように。

ちょっと久しぶり翻訳のお仕事、楽しかったです。

 

「猫のポーズ」をすると、クレがすごく喜んで、ゴロゴロ、ゴロゴロいいながら、おなかの下を行ったり来たり。
おかあさん猫みたいに思えるのかしらね。

 

きみは ライオン!
ユ・テウン・作絵
竹下文子・訳
偕成社 2017年

 

  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

紙芝居ふたつ

2017-02-07 11:45:22 | お知らせ(新刊)

今年最初の新刊は、絵本ではなくて…紙芝居です。
 

りんごのき
(0・1・2かみしばい にっこり げんき うれしいな)
たけしたふみこ・作 いちかわなつこ・絵
教育画劇

 

 

あんなちゃんのおさんぽ
(0・1・2かみしばい にっこり げんき うれしいな)
たけしたふみこ・作 たぶちあい・絵
教育画劇

 


紙芝居のお仕事は何度かしているのですが、演劇の素養がないためか、なかなかコツがつかめず…。
今回は、対象年齢が「0歳から2歳」ということで、え~、難しいナ、と思いました。
だって、ハイハイしている赤ちゃんと、3歳間近の幼児では、かなり理解度に差があるでしょう?
でも、考えていくうちに、「みんなが同じように理解すること」にこだわる必要はないかも、と気づきました。
わかる子はわかる、わからない子もそれなりに、目の前に出てくる絵や、耳に入る言葉を、ひとつでもふたつでも楽しむことができれば、それでいいんじゃないか。
子どもって、本来、月齢年齢別に管理されているものではなく、かつては赤ちゃんからお年寄りまで入り混じって暮らす大家族の中で、同じものを見て聞いて、それぞれの発達段階に応じて必要なものを習得していった。それが自然なあり方のはず。
そう思ったら、気が楽になって、すらすらと2本書けました。

紙芝居の最大の魅力は、その場で、目の前で、生身の人間が演じてくれること、だと思います。
そこに人がいて、こちらを向いて、絵を見せて、お話をしてくれている。
「りんご」 「あかい」 「どうぞ」 「ありがとう」
そのときの表情、口の動き、声の調子、大きさ、速さ。
赤ちゃんは全部じっと見ています。
人が人に何かを伝える、ということ。
そのために言葉というものがあり、絵というものがある、ということ。

いちおう市販されているとはいえ、一般の方が紙芝居を手にすることは少ないと思うのですが、もし機会がありましたら、ぜひみてくださいね。
どちらも、とっても可愛い絵なので!

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「しゃっくり くーちゃん」(付録絵本)

2016-11-06 18:01:36 | お知らせ(新刊)

『しゃっくり くーちゃん』
「Kodomoe」2016年12月号の付録絵本です。

しゃっくりが止まらなくなった猫のくーちゃんのおはなし。
ぜんぜん実用的ではない「しゃっくりの止め方」絵本です。
絵は岡田千晶さん。
寄り目のにゃんこがと~っても可愛い!

 

話自体は非常に短くてシンプルなのですが、岡田さんが、
主人公のくーちゃんの他に、いろんなお友達の動物を描いてくださって、
それぞれがすごく個性的で面白いです。
わたしの一番のお気に入りは、ちっこいはりねずみちゃんたち!

フリー編集者Yさんとは、もう10年くらい前から、
「何か絵本できたらいいですねー」
というお話をしていて、やっと実現しました。
岡田さんの絵は、前から好きで見ていたので、うれしかったです。
しっとりした生活感のある絵本もすごくいいけれど、
こういうおちゃめでちょっぴりシュールな世界もいいなあと思いました。

 

(ウラシマの特技「ブックエンド」。驚くほど安定が良い!)

しゃっくりというのは、続くとけっこうつらいものだけど、
それほど深刻なものでもないので…
小さい子がマジメな顔でしゃっくりしてると、
ついつい可愛くて笑っちゃいますね。
でも、おとなになると、しゃっくりって、ほとんど出ない。
しようと思ってできるものではないし。
もう一生分のしゃっくりを全部してしまったのかしら。
ちょっと寂しい。

(ひくっ!?) 

 

11月7日発売です。
↓ 

kodomoe(コドモエ)
2016年 12 月号 (雑誌)
 
白泉社

 

<追記> 

2017年9月に白泉社から単行本になりました!
こちら

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「まいごのアローおうちにかえる」

2016-08-30 10:01:58 | お知らせ(新刊)

幼年童話の新刊です。

『まいごのアローおうちにかえる』 佼成出版社 2016年8月刊

 アローは、きょうりゅうのアロサウルス。
 全長12メートル……じゃなくて、12センチ!
 ユウくんとあそびにきた公園で、まいごになってしまいました。
 だいすきなユウくんの家に、アローはひとりで帰れるでしょうか?
 いっしょにおうえんしてくださいね。 

 (以上、カバーソデに書いた著者メッセージ)


ということで、めずらしく恐竜の話です。
が、例によって、やっぱり、猫の話でもあります。
なにしろ恐竜は1匹しか出てこない(しかもちっこい!)のに、
猫はいっぱい出てくるので。

絵は、藤原ヒロコさんです。
主人公の恐竜を可愛らしく、猫をかっこよく描いてくださいました。
話はほとんど全部、夜の、屋外のシーンだけ、なのですが、
終盤に出てくる男の子ユウくんと、ユウくんの家族が、
とっても暖かい雰囲気で、アローの帰りたい「おうち」の
日常の暮らしをほわっと想像させてくれます。

60~70ページくらいの低学年向き幼年童話というのは、
たいていどこを開いても絵が入っているつくりなので、
かなりたくさん絵を描いていただかねばなりません。
絵本と違って、文章の流れの中に入ってくる絵なので、
下手をすると「説明図」になりかねないのですが、
藤原さんは、文字では書かれていない、けれど大事なところを、
ちゃんとすくい上げて視覚化してくださっていて、そのことは
表紙と裏表紙の絵を見ていただけるとわかります。

 

はい、これが裏表紙。

この左の大きい猫は、魚屋のウオマサ。
色柄がうちのウラシマに似ているのは、まったくの偶然であります。
なにしろ、このおはなしを書いたのは一昨年の秋ごろだし…
ウラシマがやってきたころには、もう校正が出てたと思う。
ちなみに、ウオマサは面倒見のいい親分肌の猫という設定で、
ウラちゃんとはまったく似ておりません。 

 

「まあまあ、ちょっと、おちつけって」(p.16-17)

 

 


 

まいごのアローおうちにかえる
(おはなしみーつけた! シリーズ)
竹下 文子・作
藤原 ヒロコ・絵
佼成出版社 2016年


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする