Mは「お寿司」の絵を描いています。
トロとかイカとかコハダとかイクラとか鉄火巻きとか。
いわゆる江戸前の、にぎり寿司ですね。
それがたくさんたくさんたくさん出てきます。
いろんな種類のネタを描きわけるのは難しいそうです。
「誰だ、お寿司の絵本なんて考えたのは!」
「だって、お寿司、好きでしょ?」
「好きだけど…食べるのと描くのは違うんだよー」
前にも書きましたが、サンドイッチの絵本の企画を出したときに、
会議で「お寿司にしたら」って意見があったんだそうです。
そのときは、えええ、なんだそりゃ? と思ったものですが、
サンドイッチを軌道にのせたあとで、よおし、それなら
お寿司もやろうじゃないの、という気になりまして。
半分冗談で提出したダミーが予想外にあっさり会議を通過。
「たこ焼きにしたら」なんて意見が出なくてよかった。
今回はサンドイッチと同じシリーズではありません。
画風もがらっと変わります。
(Mは本来テキストしだいで絵の変わる人です。
過去にも、紙に布を貼ったり、石膏を流したり、
いろんなことをやっていて面白かったです)
話は思いきりフザケている。
絵はきわめてシュール、しかもきわめて格調高い。
そして主役は大量のお寿司。
なんなんでしょう、この絵本は。
わたしはにぎり寿司が好きというわけではありません。
基本的に酢飯は好きですが、生魚があんまり。
というか、生の魚=ごちそう=よろこぶ、という感覚がないわけ。
ペンギンじゃないんだから(笑)。
もともと九州生まれの関西育ちなので、
お寿司っていえば太巻き、あなご、ばってら、でしょう。
遠足のお弁当は、ばらずし、おいなりさん、でしょう。
だいたい、にぎりって、生モノの危うさに加えて、
形状そのものも不安定で食べにくいと思いません?
ひと口には大きいし、半分にすると崩れちゃうし。
うーん、やっぱりきちっと押すか巻くかして欲しい。
ワサビはつけるなら自分で好きなようにつけたい。
できればもうちょっと野菜も入ってるほうが。
…なんて言ってるような人間が、どうしてわざわざ
「にぎり寿司の絵本」をつくろうと思うのか。
そこのところがこの絵本の非常に重要なポイントなんですが、
残念ながら詳しいことはまだ公表できないので、
きょうは、ここまで。