ひさしぶりにたっぷりの雨が降った翌朝、
窓を開けたら、昨日までは桜の散っていた景色が、
あっと驚くような新緑に変わっていた。
八重桜は今が見ごろ。
濃い色のつぼみが次々にひらいていく。
薄紙でこしらえた花のようだ。
八重桜が咲くたび、犬のポケのことを思い出す。
この木の下に犬小屋があったからだ。
八重桜は、花びらが散ってしまわず、花のままぽたぽたと落ちる。
毎年、ピンクの花にとり囲まれ、照れくさそうな犬であった。
池の向こうでは、ドウダンツツジも花盛り。
鈴蘭のような小さい白い花をびっしりとつけている。
のんたが死んだ翌日に植えた木だ。
のんちゃんは、いちど事故で死にかけて生き返った猫で、
後遺症と持病を抱え、それでも8歳まで生きた。
あれからもう8年が過ぎ、子どもの両手におさまるポットの苗木は、
いつのまにか大人の背ほどにもなった。
花の頃も良いし、秋の紅葉も深いワイン色に染まって美しい。
ほぼ一週間ぶりに、真鈴お嬢様がご帰宅。
例によって「にゃああああ! にゃああああ!」と
遠くから大声で鳴きながら走ってきて、
ゴハンを食べ、ぽんと膝にのってごろごろ甘え、
ボールのように丸まって熟睡。
いつからかフーテンの寅のような猫になってしまったが、
野生的なのかといえば、全然そんなことはない。
外泊中も身だしなみには気を配っているらしく、
抱き上げればふんわり、ふんわりの真鈴ちゃんである。
冬眠していたカメさんをのぞきに行ったら、
1匹がひょこりと顔を出して目をぱちくりさせていたので、
あとの2匹もついでに叩き起こす。
ぬるいお風呂にいれたあと、水槽を掃除し、日光浴させてやる。
いつも心配だが、今年もちゃんと生きていた。
よかった。
さてさて、カメさんも起きたことだし…と呟いて
帽子をかぶり畑に出かける。
巨大化してジャングルのようになった花咲か大根を
片っ端からえいやっと抜いていく。
今年はカリフォルニアポピーに代わって
「冬知らずカレンジュラ」とかいう小型のキンセンカが
雑草のようにそこらじゅうで咲いている。
初物のアスパラガス5本、今夜のおかず。
窓を開けたら、昨日までは桜の散っていた景色が、
あっと驚くような新緑に変わっていた。
八重桜は今が見ごろ。
濃い色のつぼみが次々にひらいていく。
薄紙でこしらえた花のようだ。
八重桜が咲くたび、犬のポケのことを思い出す。
この木の下に犬小屋があったからだ。
八重桜は、花びらが散ってしまわず、花のままぽたぽたと落ちる。
毎年、ピンクの花にとり囲まれ、照れくさそうな犬であった。
池の向こうでは、ドウダンツツジも花盛り。
鈴蘭のような小さい白い花をびっしりとつけている。
のんたが死んだ翌日に植えた木だ。
のんちゃんは、いちど事故で死にかけて生き返った猫で、
後遺症と持病を抱え、それでも8歳まで生きた。
あれからもう8年が過ぎ、子どもの両手におさまるポットの苗木は、
いつのまにか大人の背ほどにもなった。
花の頃も良いし、秋の紅葉も深いワイン色に染まって美しい。
ほぼ一週間ぶりに、真鈴お嬢様がご帰宅。
例によって「にゃああああ! にゃああああ!」と
遠くから大声で鳴きながら走ってきて、
ゴハンを食べ、ぽんと膝にのってごろごろ甘え、
ボールのように丸まって熟睡。
いつからかフーテンの寅のような猫になってしまったが、
野生的なのかといえば、全然そんなことはない。
外泊中も身だしなみには気を配っているらしく、
抱き上げればふんわり、ふんわりの真鈴ちゃんである。
冬眠していたカメさんをのぞきに行ったら、
1匹がひょこりと顔を出して目をぱちくりさせていたので、
あとの2匹もついでに叩き起こす。
ぬるいお風呂にいれたあと、水槽を掃除し、日光浴させてやる。
いつも心配だが、今年もちゃんと生きていた。
よかった。
さてさて、カメさんも起きたことだし…と呟いて
帽子をかぶり畑に出かける。
巨大化してジャングルのようになった花咲か大根を
片っ端からえいやっと抜いていく。
今年はカリフォルニアポピーに代わって
「冬知らずカレンジュラ」とかいう小型のキンセンカが
雑草のようにそこらじゅうで咲いている。
初物のアスパラガス5本、今夜のおかず。