Mが何やら図鑑をにらんで、
「えー」とか「うー」とか「まいったなー」とか呟いている。
しばらくしたら、わたしのところへきて「話があるんだけど」と言う。
以下は、その話。
先日、アトリエのドアを開けたら、ナニモノカが
ささささっと床を横切って机の下に消えた。
どうも気になるので、あれこれどけて捕獲したところ、
トカゲであった。
トカゲはこのあたりには普通にいるし、猫もよくとってくる。
でも、アトリエは窓にもドアにも隙間がないうえ、
猫は立ち入り禁止になってるので、トカゲが入る可能性は低い。
しかも、よく見ると、見たことのない種類なのである。
で、爬虫類図鑑を取り寄せ、すみずみまで調べたところ、なんと、
このトカゲは日本には生息していないはず!
…なのであった。
えーと、ここからあとはあまり詳しく書けないのですが、
つまり、その、ついてきちゃったらしいのですよ。
おそらく先月の旅先の「どこか」から、荷物にまぎれこんで。
だとすると、すでに1か月間、こっそりと居候していたわけ。
密入国だか、密輸入だか、不法滞在だか知らないけど、
まずいんじゃないかなあ、これ。
とりあえず、ケースに保護されています。
地味な色だけど、つぶらな黒い目で、まあ可愛いといえなくもない。
尻尾の先まで20センチくらいかな。
でも、図鑑には45センチになると書いてあります。
しかも20年くらい生きることがあるらしい。
どうするのっ。
(画像はMによるフィクションです。
実在する国や動物とは一切関係がありません)