閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

針と糸

2009-09-23 15:20:53 | 日々
普段着のジーンズのウエストがゆるくて具合が悪い。
畑で何度か裾を踏んでしまったので、
いくら普段着とはいっても、なんとかせねばと思う。

買ったときより中身がスリムになったのならめでたいが、
そういうことはたぶんありえない。
思ったよりのびやすい素材だった上に、
太ることを想定してゆったりめを買ってしまったせいだろう。

スカートならフックの位置をずらして誤魔化したりするけれど、
ジーンズのボタンは移動しにくい。
ベルトからほどいての寸法直しは大変だし、
なにしろこの色のミシン糸も持っていない。
さいわいデニムといっても薄手なので、両脇で2センチずつつまみ、
ダーツのように裏側でちょいちょいと縫ってしまう。
これでよしっと。

針に糸を通すとき、わたしは糸を左手に持つ。
あるとき「左きき?」と人に言われて、
はじめてそのことに気がついた。
左ききではない。箸も鉛筆も右で持っている。
どうやら「針を右で持つ」ことに固執した結果、
糸が左になったらしい。
子どもの頃からずっとそうなので、逆だとかえって難しい。


「ねえ、お前さん、針に糸を通すときには、
糸をじっと持って針の方を近づけるんじゃないよ。
針をじっと持って、糸を突っ込むのだよ。
それが普通、女のやり方だ。
でも男は必ずその反対のやり方をするものさ」
(「ハックリベリィ・フィンの冒険」村岡花子訳)

逃亡中のハック少年が、町の様子を探るために
女装して民家を訪れ、おばさんに見破られてしまうシーン。
セイラとかメアリとか名乗ってるとこが可愛い。
このおばさんは、ここの部分にしか登場しないのだが、
シャーロック・ホームズなみに鋭い観察眼の持ち主で、
無名のちょい役にしておくのは惜しいくらいである。
それにしても妙なことをよく知ってますね、マーク・トウェインって。
コメント
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