何かが拓くのを
何も知らずに
何も思わずに
目でもって音を聴く
叫び声のような
亡霊の訴えに
僕は今とばかりに
耳でもってその正体を見ようとする
正義は
何を根源として有るのだろうか?
僕の六腑に染み渡る正義の味は
いったい誰が好むというんだろう……? . . . 本文を読む
真実からは遠く離れた惑星で
困惑しながら
当惑しながら
惑う君
夢見心地の大陸で
夢想しながら
幻夢を見ながら
夢幻を追う皇子
遠くの海は
終夜
消えゆく前の
ささやかな儀式を
執り行っては眠るでしょう . . . 本文を読む
終末の影の樹上に立って
浅はかな知恵の実を
じゃりっと噛んだ
五月雨に匿われた
千年前の聖者の呪怨を
聞き逃すな
時を切断して
無分別に接合しても
何も変わらぬ
頑是無い水の戯れに
夕べの果て無き戦いの痕を見た . . . 本文を読む
静かに閉じてゆく今日が、漆黒の沈黙に吸い込まれていく
茶褐色の川辺を
混濁した意識なんてやつを、ポッタポッタと、地面に落としつつ
適当にふらつく、黄昏アワー真っ只中……
すべてを
失った僕の意識の中では
牛が唸るように、涎を垂らしながら
誰もが俯いては明々と廣がる空を見上げるような、秋を演出する。 . . . 本文を読む