くねくね曲がりくねった道だった。深夜の暗黒の宵の淵、煌々と光る画面と相対して、世の幸運をたちどころに浪費するという愚行に溺れていた。それは不幸というのだろう、恐ろしい悪魔の化身、私よ!
私は、世の不幸を味わい尽くすために生まれてきた。欲望の淵に全身を沈めながら、ながらえてきた黒くやや茶色の混じった硬い髪を生やしながら。
叫ぶことを忘れた獣に成り下がっていた。いや、叫ぶ術を失ったのだ。怖かった。いつ . . . 本文を読む
「頑張る」という言葉の悪弊について、一考察してみたい。今、当たり前のように流通している言葉のなかで、これはマズいと思われる言葉に、「頑張る」があげられる。
頑張るとは、頑なに張る=かたくなにはる、と書く。この語感には筋繊維の柔軟さが感じられない。そこにあるのは、意固地なこだわりのみだ。あるいは、気張って何かに取り組む姿勢だけが見てとれる。
僕が幼い頃、地元の市民会館の楽屋で会った常田富士男もこう言 . . . 本文を読む