チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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第97話 川遊び

2007年08月06日 | チエちゃん
 万葉の昔、チエちゃんの村に養蚕を伝えたというお姫様が、織り上げた生地を川に晒したことからその名が付いたサラシ川。
不動様の近くには、その場所とされるサラシ岩がありました。

 大きな岩が川を堰き止め、水は岩と岩の間を滝のように流れています。
大昔、大洪水のあった時に流されてきた巨岩でしょうか?


 チエちゃんは水が苦手で、夏休みのプールをほとんどサボっていたのですが、このサラシ岩での川遊びは、また別ものでした。
中の子ども達が集まって、川遊びを楽しんだものです。
浮き輪に入って、緩やかな川の流れに身を任せたり、ウォータースライダーよろしく、岩と岩の間の水の流れに乗って、小さな滝つぼまで滑り下りたりしたものでした。

 また、巨岩の下流は広い浅瀬になっており、男の子たちは、木枠の底にガラスをはめ込んだ箱目鏡とやすを使って、魚獲りに興じたものです。
サラシ川にはあの頃、うなぎも生息していました。

 チエちゃんのお母さんは、この浅瀬にかいご様で使ったわらだを洗いによく来たのですが、ある時、弟たかひろ君を連れてきた時、ちょっと目を離したすきにたかひろ君が流されてしまい、二人とも全身ずぶ濡れになりながら、やっとの思いで摑まえたのだということです。

 現在では、川遊びをする子ども達の姿もなく、白いしぶきを上げて川が流れているだけでなのです。



追記:写っていませんが、画像の上方、奥に不動様があります。