チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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第102話 夏休みの宿題

2007年08月21日 | チエちゃん
 昭和40年代のあの頃、東北地方のこの地域では、夏休みは7月21日から8月20日の1ヶ月間だけでした。
テレビの子供向け番組は、8月末まで、まだまだ、夏休み!
こんな時だけ、東京はいいな!と思うチエちゃんでした。


 夏休み最後の夜に、明日学校へ持っていく夏休みの宿題をランドセルに入れ始めます。

夏休みの友、(1・2年生なら絵日記)、読書感想文(悪戦苦闘して書いた)、

夏友に出題されていた図画工作作品(これも残り2~3日で仕上げた)、

そして、理科の自由研究。

 やってもやらなくてもよい自由なら、当然やらなかったのに、根が真面目なチエちゃんは「ねばならない」と考えていたふしがあります。

 あれは、何年生のことだったのでしょうか?
「カビ」をテーマに取り上げたのです。
お母さんのサンドイッチ事件がヒントとなった訳ではありませんが、あの時はチエちゃんの発想であったのか、お母さんのアドバイスであったのか、今となっては定かではありません。

 ご飯と食パンを準備し、何もしないそのままのもの、指で触ったもの、水を少し掛けたもの、というようにいくつかサンプルを用意し、味噌や糠味噌のある納屋へと置きました。

 さて!早くカビが生えないものかと、1日目、2日目は、頻繁にのぞいて見たものの、あとは「チエ来て見ろ!こんなにカビが生えたぞ!」と言われるまで、見向きもしなかったのです。
呼ばれて見てみれば、なるほど、白カビがもっさりとその頭に黒い点々を付けており、所々には青カビや赤カビも発生していたのでした。

 そして、肝心の自由研究はお母さんの記録を基に「私、書くだけの人」を見事に演じ、完成したのでした。

 そんな自由研究が金紙などをもらってしまったとなっては、どうにも、後ろめたい想いのチエちゃんなのです。


 ところで、マサキ君は、この自由研究出品の常連で、もちろん、いつも金紙。
マサキ君は、一人で研究するのかなあ?すごいなあ!と思うチエちゃんなのでした。