チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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クリスマス

2007年12月25日 | チエの玉手箱
遠い昔のクリスマス。
チエちゃんには、欲しい物が2つありました。       

1つは、クリスマスツリー。 
 あの頃、豊かさを求めて、どこの家庭でもクリスマスケーキを買い求めるようになり、チエちゃんの家でもこれぐらいの贅沢は許されるだろうと12月24日にはケーキを食べていました。
ケーキが食べられることはうれしかったけれど、ただ、それだけのことでした。
七面鳥の代わりのチキンもなければ、プレゼントもなし、クリスマスツリーなどあるわけがない。
でも、チエちゃんだって女の子、きれいなもの、ロマンチックなものへの憧れがありました。
うちにもクリスマスツリーがあったらいいなと思いましたが、おねだりしても買って貰えるはずはありません。
それで、和光堂から、グリーンと金・銀のモールを買い求め、リース式のツリーを自分で作って机に飾り、いつの日か本物のクリスマスツリーを飾ることを夢見ました。

もう1つは、銀色のボール紙製の長靴に入ったお菓子の詰め合わせ。 
 当時、300円から500円ぐらいだったでしょうか?
親の懐具合に気を使い、欲しかったけれど、あれが欲しいとは一度も口にできませんでした。
それで、働いてお金が自由に使えるようになってから、恥ずかしかったけれど、あの長靴入りのお菓子セットを買ってみました。
中から出てきたものは、ミルキー、ビスケット、チョコレート、あとはスナック菓子が2・3個。
なあんだ、こんな中味だったのかと夢が壊れてしまった気分になりました。

時に、夢や憧れは、いつまでも夢や憧れのままであった方が良いのかもしれません。