チエ~、時計止まったがら、巻いどいで~
屋外から、お母さんの声がしました。
うん、わがった~
チエちゃんは、道理で何だか静かだと思ったのでした。
チエちゃん家の柱時計は1時間ごとに、その時刻の数だけ、ボーン、ボーン、ボーンと打ち、30分にはボーンと1回だけ打つのでした。
静かにしていれば、チクタク、チクタクという音が聞こえます。
チエちゃんは廊下の隅っこから、踏み台を持ってきて、茶の間の時計の下に据えました。
チエちゃんの家では、時計のねじを巻くのは、ずっとおじいちゃんの仕事でした。
でも、最近では、おじいちゃんからねじの巻き方を教わったチエちゃんもできるようになっていたのです。
踏み台に上ったチエちゃんは、時計の蓋を開けました。
中には、ねじを巻くための道具、鍵状のねじ巻きが収納されています。
それを取って、文字盤の中にあるねじ穴に差し込み、ぜんまいねじを巻くのです。
ねじ穴は左右に2つあって、どっちからでもよいのですが、右利きのチエちゃんは右側からやります。
最初は軽く回るのに、ねじが締まってくると、だんだんきつくなってゆきます。
10回ねじ巻きを回しました。続いて、左側。
それから、止まっていた振り子を指でツンと強く押しました。
時計は、また、チクタク、チクタクと動き始めました。
このとき、チエちゃんはいつも思ったものです。
私が振り子を押す力は弱すぎて、すぐにまた止まってしまうのではないかと。
しばらくして振り子が止まらないことを確認したチエちゃんは、静かに時計の蓋を閉めました。
屋外から、お母さんの声がしました。
うん、わがった~
チエちゃんは、道理で何だか静かだと思ったのでした。
チエちゃん家の柱時計は1時間ごとに、その時刻の数だけ、ボーン、ボーン、ボーンと打ち、30分にはボーンと1回だけ打つのでした。
静かにしていれば、チクタク、チクタクという音が聞こえます。
チエちゃんは廊下の隅っこから、踏み台を持ってきて、茶の間の時計の下に据えました。
チエちゃんの家では、時計のねじを巻くのは、ずっとおじいちゃんの仕事でした。
でも、最近では、おじいちゃんからねじの巻き方を教わったチエちゃんもできるようになっていたのです。
踏み台に上ったチエちゃんは、時計の蓋を開けました。
中には、ねじを巻くための道具、鍵状のねじ巻きが収納されています。
それを取って、文字盤の中にあるねじ穴に差し込み、ぜんまいねじを巻くのです。
ねじ穴は左右に2つあって、どっちからでもよいのですが、右利きのチエちゃんは右側からやります。
最初は軽く回るのに、ねじが締まってくると、だんだんきつくなってゆきます。
10回ねじ巻きを回しました。続いて、左側。
それから、止まっていた振り子を指でツンと強く押しました。
時計は、また、チクタク、チクタクと動き始めました。
このとき、チエちゃんはいつも思ったものです。
私が振り子を押す力は弱すぎて、すぐにまた止まってしまうのではないかと。
しばらくして振り子が止まらないことを確認したチエちゃんは、静かに時計の蓋を閉めました。
去年お婆ちゃんが亡くなって
娘が古い柱時計貰って帰ったね
やはり思い出があるのだね
体験のない私には、チエちゃんの姿があこがれです。
SF映画なら、子供に変身して、入りこんでいけるだろうにね
私も、右は右手、左は左手でねじを回しました・・・。
そうか、このころから、両手使いができたんだ・・・。(笑)
いつまでも、大切に使ってくださいね。
> 右は右手、左は左手が主ですね
そういわれれば、私もそうしていたかもしれません・・・きっとそうでした。
持ち替えた覚えがあるもの。
娘さんには、大切な思い出があるのかもしれませんね。
私も、形見にまつわるお話を考えているところです。
え~、そうなんですか。
同世代でも、ちがうのかなあ?
巻きすぎると、壊れちゃったりしてね。
そういえば、腕時計もねじ巻き式でしたよね。
自動巻きが出てきて、ねじを巻かなくても良くなって、味気ない気もしました。
最近では、ねじ巻き式の時計は珍しいようですが、このね巻き式の時計は、長い年月を経て未だに頑張っているんですって・・・。
自動巻き、電池式、ソーラー式、電波式と変遷していても、やっぱりあの柔らかい鳴り音が懐かしいです。
昔から、長い間使われてきたものは、良いものなんですよねぇ。
今では、ねじ巻き式の方が高級なのかの知れませんね。