遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

古活花を探る(2)古銅筒型花瓶

2024年06月28日 | 花道具

先回のブログで、祖父の古い活花写真を紹介しました。

花器に注目して写真をチェックしたところ、おやっと思う物がありました。

当初、花器は月並みで、隣りの木彫達磨ばかりが目立っていました。

しかし、よく見てみると、この花器はどこかで見かけたような気がする・・・

もう一度、花道具類を探してみました。

おお、ありました。

平凡な筒型の銅器です。

口径 8.6㎝、最大径 10.4㎝、底径 7.8㎝、高 30.5㎝。明治ー大正。

内側の底に、水漏止め処理がなされています。

かなり使い込まれた品です。

以前、花器類を紹介した時、この品はあまりに平凡なのでブログに書くほどでもないだろうと、ボツにした品です(^^;

しかし今回、まじまじと眺めてみると・・・

陶磁器にあらわれる窯変のような色・模様が表面に見られるではないですか。

斑紫(むらし)銅の一種?

上から降ってきた青緑色の霰が、

どんどん積もってきたかのような景色です。

顕微拡大してみました。

銅の地に濃紺と緑の降り物が混然一体となっています。創生期の地球を思わせます。

白黒の写真からは、想像もつきません。

頭の中でカラー化して、この銅花瓶と椿との対比を味わってみます。

それにしても、達磨さんとの組み合わせは不思議ですね(^.^)

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古活花を探る(1)

2024年06月26日 | 花道具

これまで、花ぐるいであった祖父がのこした膨大な花道具を紹介してきました。

しかし、情けない事に、私も含め周りには正式に花生けをマスターした者はいません。ですから、古い花道具を前にしても、それを活用するすべがありません。

そんな折、祖父関係の物を整理していたら、活花の古い写真が出てきたので、それを手掛かりにして、これらの花道具がどのように使われていたのか考えてみます。

いずれも、大正ー昭和初期のものだと思われます。

活花大会の会場でしょうか。

何かの式典で生花を飾っているのでしょう(人物は祖父)。

これらとは別に、写真屋さんに頼んで、作品を撮っておいたのですね。

バランスの勝利?・・・・・直立しているのが不思議です。

木彫の達磨さん、以前に紹介した物とは違いますね。

と、ここで、次の写真に釘付けになりました。

豪快に活けられた松と梅・・をかろうじて支えている花器・・・・見覚えがあります。

『古銅唐人三脚丸水盤』です。

さらに、写真の花台も見つかりました。

これで、もう花(樹枝)を挿すだけですね(^.^)

でも、今時、写真のような枝ぶりの松や梅を探すのは困難。何よりも、あんなに大きくて重い枝をどうやってとめる?(^^;

 

 

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竹花生け⑪竹編双耳花瓶

2023年07月03日 | 花道具

やはり、家にあった花瓶です。

これまでの物のような仰々しさはなく、私でも使えそうな品です(^.^)

口径 12.6㎝、最大径(耳部含まず) 17.6㎝、底径 12.4㎝、高 21.9㎝。明治ー大正。

程よい大きさの軽い花瓶です。

竹ヒゴで編んだ籠に落しを入れてあります。

 

奇をてらわずに、きっちりとした素朴な味わいの竹細工です。

編みの始まりと終わりはわかりません。

〇〇作と銘のあるような品ではありませんが、職人技はすばらしいですね。

これで何とかならなければ、ブログをやめる?・・・天の声が聞こえて来そうです(^^;

梅雨しばし 花と花瓶に 助けられ  遅生子

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唐物?『古銅唐人三脚丸型水盤』

2023年07月01日 | 花道具

今回も、祖父の遺した花道具からの一品です。

口径 22.6㎝、最大径 26.0㎝、高 10.1㎝。重 2.65㎏。中国?、時代不祥。

しっかりとした造りの銅製丸型水盤です。

はっきりとした時代はわかりません。一般に、古銅といわれる銅器です。

その中でも、非常に味わいのある器肌と造形の器です。

底の銅は、周りの部分と質感が異なります。厚みは、他の部分の三分の一ほどで、とても滑らかです。

 

み込みを観察すると、平らな部分は、周りを切り取った痕跡が見られます。しかも、他よりも1㎜ほど上に出ています。

どうやら、底の平らな部分は、別に作った本体(おそらく蝋型細工)に、丸く切り取った銅板を張り付けてあるようです。なぜ、そのように手の込んだ造り方をしたのか不明です。

今回の品の一番のウリは、何といっても脚の部分。

3人の男性が水盤を支えている造形です。

しかも、3人は異なる人物です。一番上の人は、衣服がはだけていて、裸足です。他の二人は、衣服をしっかりと着こなし、靴をはいています。もちろん、容貌もそれぞれ異なります。人物が器を支える造形の器は、元々、中国由来のモチーフで、唐子が主です。日本でも、同じような銅器が作られてきました。

しかし、今回の品は、その範疇に入らない人物たちです。一人目はワイルド、二人目はターバンを巻いているようにも見え、三人目はインド風?(仏像?)の髪型です。この3人は、よくある唐人や唐子のような人物ではなく、シルクロードを想わせる大陸的な風貌です。彼らは、大きく重い丸容器を肩に担いでいるのでしょうか。それとも、重荷を肩にして、両手で必死に支えている難行苦行の最中でしょうか。いずれにしても、中国の何かのお話に出てくる人物たちでしょう。

もし、日本で、このような人物を取り上げて銅器に使う場合、有名な人でなければ意味がありません。しかし、そのような人物は思い当たりません(ただ、私が知らないだけかも(^^;)  また、日本で中国モチーフの品を作った場合には、表情はやわらかく、どことなく和を感じるものに変化します。

以上のようなことから、この銅器は中国製ではないかと考えています。

 

というわけで、品物の由来に頭を使いすぎて疲れました(^^; 

とても花を活ける余力はありません(見え透いた言いわけ(^^;)

男たちに逆立ちをしてもらって、遊ぶことにします。

3人とも、お尻に太い穴が開いています。これは一体何???

 

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白磁四方筒形大花瓶

2023年06月29日 | 花道具

今回も、祖父の大きな花道具です。

口 13.2x13.3㎝、底 13.4x13.5㎝、高 59.3㎝。重 6.75㎏。明治、大正。

四角筒形の大花瓶です。非常に重い品です。少しクリームがかった白磁釉が、内側、外側に掛かっています。

底に、「み〇〇作」とあるので、近代の作です。

とにかく、大きくて重い。

よっこらしょと横たえると、

デパートで催される〇〇展の出品オブジェみたいですね(^.^)

でも、それではいけないと、気を取り直して直立させました。

しかし、ここから先は、やはり私の手にあまります(^^;

ブログ読者各位、想像力をいかして、ご自分の花をお入れください(^.^)

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