遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

中山道美江寺宿ウォークで親子連れがぞくぞく故玩館へ

2024年11月25日 | 故玩館日記

昨日の日曜日は、中山道美江寺宿を中心としたファミリーウォーキング大会の日でした。

このイベントは、若いスタッフを中心に、昨年度から催されています。今年は、規模を大きくしてネットで参加者を募集したようです。QRコードから入らなければいけないので、遅生にはとても無理(^^;

で、故玩館もコースに入れてほしいとのことで快諾。ここ一週間は、準備に追われました。200人ほどの参加者がやってくるので、故玩館の内部を見学してもらうのはとても無理。そこで、玄関を入った土間を開放することにしました。グツグツに並べてあったガラクタをかたずけ、らしい感じに飾り付けを行いました。

当日は、風は少々あるものの、絶好のウォーキング日和。

いつもは、デーンと構えている流木獅子君も軒下に都落ち、室町の常滑大壷の陰で、恨めしそーなおももちです(^^;

ガラクタ類をかたずけて玄関土間を、飾り付けました。

 

故玩館のあゆみ。

観測史上最大震度の濃尾大震災。

俳諧美濃派九世道統、山本友左坊(江戸後期、美江寺宿本陣当主)。

美江寺で売られていた蚕土鈴。

故玩館大改修。

広重の浮世絵と故玩館。

中山道分限絵図と故玩館。

参加者には特典も(^.^)

江戸後期の地図で自分ち探し。

三々五々、ウォーキングの人たちがやってきます。

子供連れのヤングママが目立ちます。

スタンプラリーのポイントにあたるので、子供たちも必死。

階段を上がるのが一つの難関(^^;

そこで・・・・・

子供たちの方が積極的ですね(^.^)

ごく一部の観光地を除いて、どこの宿場町も衰退の一途です。私の所でも、残っている古民家は4軒になりました。しかも、そのうちの2軒は廃屋同然、消えるのは時間の問題です。

せっかく大枚をはたいて改修をした故玩館です。有効に活用しないと。

多くの宿場町で、町興しがなされてきましたが、一番の問題は、活動を次の世代へどうやってバトンタッチするかです。これが、なかなかうまくいきません。今回のイベントは、若いスタッフが、新鮮な感覚で企画しました。

可能性を摘まないためにも、ロートルの我々は、じっと見守るのが肝要かと・・・・流木獅子君がつぶやいているようです(^.^)

 

 

 

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和漢朗詠集断簡「秋・紅葉」と能『紅葉狩』

2024年10月31日 | 故玩館日記

先回のブログで、傳寂連筆『和漢朗詠集断簡「秋・紅葉」』を紹介しました。

よく知られているように、能には、和歌や中国の漢詩が多く取り入れられています。

特に、和漢朗詠集は、和と漢の詩を集めて編まれたものですから、多くの能にその一部が取り入れられています。

飯塚恵理人氏によれば、和漢朗詠集には、589句の漢詩文があり、そのうち、163句が、367曲の謡曲に取り入れられているそうです(飯塚恵理人「和漢朗詠集から謡曲へ」國文學 : 解釈と教材の研究 / 學燈社 [編] 49 (10), 29-35, 2004)

今回の『和漢朗詠集断簡「秋・紅葉」』も、能に取り入れられています。

紅葉
不堪紅葉靑苔地 又是涼風暮雨天 白 
黄夾纈林寒有葉 碧琉璃水浄無風 白 
洞中清浅瑠璃水 庭上蕭条錦繍林 保胤
外物独醒松澗色 余波合力錦江声 山水唯紅葉 
しらつゆもしくれもいたくもるやまは
したはのこらすいろつきにけり 貫之
      モミジシニケリ
むら/\のにしきとそみるさほやまのはゝ
そのもちきりたたぬまハ 清正

このうち、能『紅葉狩』に取り入れられているのは、「不堪紅葉靑苔地 又是涼風暮雨天」の部分です。

<能『紅葉狩』あらすじ>平維茂が鹿狩りで山奥へ入ると、女たちが紅葉狩りの酒宴を催していた。通り過ぎようとすると留められ、酒宴に引き入れられた。維茂が盃を重ねると、女は舞を舞い、維茂は酔い伏してしまう。女はこれを見届け山中に隠れてしまう(前場)。維茂が目を覚ますと、鬼女が現れ、襲ってきたが、維茂はこれに立ち向かい、討ち平らげた(後場)。

河鍋暁翠「紅葉狩」木版)、18.5㎝x25.5㎝。明治時代。

地「・・月の盃さす袖も。雪を廻らす袂かな。堪えず紅葉。
       ≪中之舞≫ 
シテ「堪へず紅 葉青苔の地 
地「堪へず紅葉青苔の地。又これ涼風暮れ行く空に。雨うち濺ぐ夜嵐の。物凄しき。山陰に月待つ程の假寐に。片敷く袖も露深し。夢ばし覺まし給ふなよ夢ばし覚まし給ふなよ

女(シテ)は、中の舞を舞った後、「堪へず紅葉青苔の地~」と謡って、地の謡にのって舞いながら、維茂(ワキ)をあしらい、作り物の中へ消え入ります。

前場の最後のこの場面が、能「紅葉狩」の一番の見どころと言って良いでしょう。

なお、能『紅葉狩』には、今回の断簡のみならず、和漢朗詠集の他の部分(やはり白居易の漢詩)からの引用があります。
林間煖酒燒紅葉
石上題詩掃緑苔
(白居易「送王十八帰山、寄題仙遊寺」)  
林間に酒を煖めて紅葉を燒く
石上に詩を題して緑苔を掃ふ

能『紅葉狩』前場の中ほど、惟茂と女とのやりとりの場面です。
・・・・
地ク「げにや虎渓を出でし古も。心ざしをば捨てがたき。人の情の盃の。深き契のためしとかや。
シテ林間に酒をあたゝめて紅葉を焼くとかや。
地「げに面白や所から。巌の上の苔莚。片敷く袖も紅葉衣の。くれなゐ深き顔ばせの。
ワキ「此世の人とも思はれず。
地「胸うち騒ぐばかりなり。
・・・・

今回の『和漢朗詠集断簡「秋・紅葉」』に戻ります。この断簡には、『紅葉狩』に取り入れられた漢詩以外に、やはり白居易の2行目の漢詩「黄夾纈林寒有葉 碧琉璃水浄無風」(の意)が能『江口』に取り入れられています。

能『江口』
クセ「紅花の春の朝。紅錦繍の山粧ひをなすと見えしも。夕べの風に誘はれ黄葉の秋の夕べ。黄纐纈の林。色を含むといへども朝の霜にうつろふ。松風蘿月に言葉を交はす賓客も。去つて来る事なし。翠帳紅閨に。枕を竝べし妹背も何時の間にかは隔つらん。およそ心なき草木。情ある人倫いづれあはれを遁るべき斯くは思ひ知りながら

能『紅葉狩』:今回の部分は、40分頃から。ちなみに、笛は師匠です(作り物の陰で、ほとんど見えません(^^;) いつもながら、冴えた音色です。

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草叢畑から片手で野菜収穫

2024年09月20日 | 故玩館日記

左手を負傷してから1か月ちょっとになります。

今だ左手は使えません。

これで最も影響が大きいのは、ものぐさ有機農業です。

野菜のお世話が全くできません。

炎天下、連日、精を出していた、あの「草刈りますよ君」の姿は、どこにもありません(^^;

その結果、畑は伸び放題の草に包囲されています。

ところが、夏野菜が終盤のなかで、草と猛暑をものともせず、今を盛りと繁っているのがローゼルです。あれよあれよという間に、2m越え。元々、南方のハイビスカスの一種、暑さに強いはずですね。

可憐な花は、すぐ実にかわります。実本体は不要。実の周りを包むガクを外して集め、ハーブティーやジャムにするのです。このガクをはずす作業が大変。昨年は試に数本を育てただけでした。ハーブティーやジャムが好評だったので、今年は種から育て、一畝分、植えました。おそらく、数十㎏の実が採れるでしょう。それらのガクを片手ではずす!?・・・・考えただけで、気が遠くなりそうです(^^;

ローゼル畝の横には、ヤシの木のように伸びたオクラが残っています。もはや3m位。実はまだ柔らかいです。

オクラの向こうのモロヘイヤは伸びるにまかせてこんな状態。

全面刈って、葉を採ればまだOKなのですが、何分片手なので放棄(^.^)

その横の十六ササギ(ゲ)も、さすがに終盤です。今年は、4波の収穫がありました。トータルでは相当の量でした。

ナスは、秋の実りが真っ盛りです。

特に今年は、左手を負傷する直前に散布した光合成細菌の効果でしょうか、葉の色艶が良いです。必然的に実りもグッド。

問題は収穫ですね。片手ではなかなか大変です。それに、落ちた実を挟みをもった手でひろうのは、厄介なだけでなく、危険です。

そこでプチ工夫。大きめのバケツを下に置き、スパッと切れば、見事に実はバケツの中へ(^.^)

少し西の桜の木の下には、トウガラシ・ピーマン類の畝があります。もちろん、連作。ズーっと青枯れ病にやられて、全滅の年が続きましたが、垂直栽培と放線菌の組み合わせで徐々に成果が上がり、今年は12本、全部が生き残りました。大きい物は。丈が2mを越えています。草やカボチャの蔓をものともせず、がんばっています。

そんなわけで、今日の収穫。

庄屋大長ナスは、この時期としては特上。

シシトウ(伏見甘なが)は、1本分です。

それにしても、これだけの量を片手で獲るのは、疲れますね。

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ヒヨドリの巣が蛇に襲われた

2024年08月20日 | 故玩館日記

左手を負傷して、家でぶらぶらしている毎日です。

と、突然、窓の外で、鳥がけたたましく鳴くではありませんか。

何だろうと思い、外へ出てみました。

キンモクセイの木があります。

大きくなりすぎたので、春先に伐り詰めました。

そのせいかどうか、鳥が巣を作ったようです。

ピー、ピーと激しく鳴いていたのは、この鳥、ヒヨドリでした。

巣をよく見ると・・・

巣の左側に怪しい生き物が。

蛇です。

しばらくすると・・・・

白いものが、ゆっくりと下がってきます。

ゲゲッ、蛇ではありませんか。

しかも、鳥を飲み込んでいます。

蛇は、懸垂のような動きを非常にゆっくりと繰り返した後、鳥の巣の方へ戻りました。

中山道上の電話線には、ヒヨドリがとまり、

ピーピー鳴きながら、巣を見つめています。

思いあまって、巣のすぐそばまで来て鳴きます。

そして、バッと巣の上を飛んで威嚇。

しかし、蛇には通じません。

棒で蛇を突いて追い払おうかとも思ったのですが、左手を負傷して静養の日々。右手に持ったコンパクトカメラのシャッターを押すのが精一杯でした(^^;

ふと道路をみると、雛鳥の死骸がありました。蛇に襲われた時、道路へ飛び降りたのですね。そこで、車に轢かれてしまった。

ヒヨドリの雛は、もうすぐ巣立つところまで育っていたのです。ところが、蛇に襲われて、2羽が犠牲になってしまいました。

普段は、野菜や果実を食い荒らす、にっくきヒヨドリですが、今日ばかりは、長年飼ってきたペットを不意に失ったような気分になりました。

病気で、落ち込んでいる身にはツライ出来事です。

しばらくすると、あれだけ激しく鳴き続けていたヒヨドリの姿はなく、遠くで、時々小さな鳴き声がするのみです。

もう、巣の近くに蛇はみあたりません。

どこかへ行ったらしい。

と・・・巣の中央で動くものが・・・

な、なんと、

雛が一羽います。

無事に生き延びたのですね。

今はずいぶん減りましたが、私の辺りは、蛇の多い地域です。家の中も含め、多くの蛇を見てきました。

5歳頃、故玩館向かいの家を撤去し、高1.5mほどの石垣も壊しました。その時、石垣の石と石の隙間すべてに、蛇が一匹ずついて、驚きました。その光景が今も忘れられません。

また、輪中堤には、蛇やさんが時々来ました。白い袋を腰に下げ、堤上のヒト一人しか通れない細い道を歩いていきます。我々子供もその後についてゾロゾロと。するとある所で、蛇やさんは草叢の中へ入って行って、グッと蛇をつかまえるのです。捕まえるのは、金になるマムシのみ。マジックをみているかのようでした、どうも、匂いで居場所がわかるらしい。

蛇にまつわるお話はまだまだあります。しかし、今回のような惨劇を目の当たりにするのは、この年になって初めてです。おまけに、体が思うようにならず、鬱々とした毎日をすごす身。蛇の襲撃で、さらに落ち込んでしまうところですが、三羽の雛の内、一羽が無事であったことによって、少し清々しい気持ちになりました。

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ブログ、ゆるゆると行きます

2024年08月13日 | 故玩館日記

現在の姿です。

冷蔵用ガラスポットにお茶を移そうとした時、誤ってガラス瓶が割れ、指をザックリと切ってしまいました。

見たこともないほど出血しました。

悪い事に、靭帯が切れたので、繋ぐ手術をしました。

結果、5週間はこの状態(^^;

なので、ブログはゆるゆると、になります。

ブログ訪問やコメントは何とか。

一番のゆるゆるはブログアップ(^^;

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