遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

鑑定本2 常石英明、古書画の鑑定評価本(3冊)

2024年08月29日 | 骨董本・雑誌

先回に引き続き、古美術研究家、常石英明の著作3冊です。やはり、金園社発行です。

今回は、古書画が中心です。

『日本の古美術入門 古書画の鑑定と鑑賞』昭和52年、10版(初版、昭和45年)、950円。

平安時代から近代まで、日本の絵画と書について概説しています。絵画にしろ、書にしろ、膨大な作家と作品があるわけですから、それを一冊にまとめるのはどだい無理な話しです。でも、何回も目を通しているうちに、おぼろげながらこんなものか、という感覚ができてくるから不思議です。古陶磁でも同じですが、特に書画の場合は、時代の大きな様式の中に、作者の個性がピョンと乗っかっています。そこの所の微妙なバランスを感じ取ることができれば、書画の面白さが増すと思いました。

『書画骨董 人名大辞典』平成元年、8版、5000円。

日本美術に関係する有名人、一万有余名の略歴が載っています。書家、画家はもとより、歌人、俳人、茶人など文人のたぐい、さらに、陶工、金工、漆工、武人、僧侶などまで、幅広く収録されています。

落款や印章も簡単に載せてあります。聞いたことのある人はわずかです。日本の古美術がいかに幅広く奥が深いか、あらためて知らされます。

『古書画・現代絵画・刀剣・陶磁他 古美術鑑定評価便覧』平成元年、4版、4500円。

平安時代から現代までの書家、画家の作品の評価(価格)を中心に、陶磁器、刀剣など工芸品の価格について、ずらーっと載っています。

骨董には、陶磁器、掛軸などいろいろありますが、いずれにしろ、最初から最後まで、お金の問題がつきまといます。この品の相場はどれくらいが妥当か? ある程度の目安がつかないと先にすすめません。品物の価格には、作品の出来や時代の流行、景気など様々な要因が関係するので、一義的には決まりません。でも、こういう本を手元に置いておくと、気休めにはなります(^^;

さすがに『日本刀の鑑定と鑑賞』はパスしましたが、常石英明氏の著書、これだけ揃えると思わずウナリますね、ボリュームと金額(^^;

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鑑定本1 常石英明、古陶磁の鑑定鑑賞本(3冊)

2024年08月27日 | 骨董本・雑誌

しばらく、手元にある骨董関係の書籍のうち、骨董の鑑賞、鑑定、評価に関係した物を紹介します。

今回は、骨董研究家、常石英明氏の古陶磁関係の書籍、3冊です。

私が、伏魔殿のような骨董屋を、おそるおそる覗き入るようになったのは昭和40年代の終わり頃です。当時、本屋で入手できる骨董関係の本は大変少なく、情報に飢えていました。右も左もわからないなかで、手引きになるものは・・・と、たどり着いたのが今回の本です。

この3冊は、趣味の本を多数出版していた金園社で、版を重ねていました。

そして、田舎の骨董屋の帳場には、必ずこの本がありました。どうやら主人も参考にしているらしい。

で、これはどうしても読破せねば、と必死にくらいついたのでした。

陶芸美術の入門書 中国陶磁の鑑定と鑑賞』

400頁以上にわたって、小さな活字で、中国陶磁器について、びっしりと書かれています。「陶芸美術の入門書」とありますが、初心者にはチンプンカンプンで、とても入門書とは思えません。その頃、定窯の白磁に興味をもっていたので、景徳鎮窯と定窯白磁の違いなど、結構つっこんだ内容に感心しました。また、最近、法花の壷を入手しましたが、類書では法花についての記述がほとんど無いのに対して、この本では数頁にわたって書かれているのを発見し、あらためて大したものだと思いました。

『朝鮮陶磁の鑑定と鑑賞』

第一編 高麗青磁、第二編 李朝の陶磁器、第三編 朝鮮の茶碗の三部構成です。今、あらためてページを繰ってみると、なるほどと思う記述が多いですが、初心者の私には、全くチンプンカンプンでした。それでも、青磁や白磁など、普段我々にはなじみが薄かった陶磁器の奥深さを知ることができました。驚いたのは、「第三編 朝鮮の茶碗」が、本の半分以上を占めていることでした。雑器でありながら、茶の湯に取り上げられた朝鮮茶碗について、詳細に書かれています。著者が活躍した時代の骨董界の事情が反映されているのでしょう。

陶芸美術入門 日本陶器の鑑定と観賞』

これは、文字通りの入門書です。330頁の大半を、「二.全国の諸窯と陶工」に費やしています。日本には、それだけ多種多様な焼物が存在することの証しでもあります。いきおい、それぞれの焼物についての詳しい記述はなく、概要の紹介になっています。伊万里焼については、別個に扱われている鍋島焼、柿右衛門焼を含めても、10頁足らずです。一方で、全国の〇〇焼を網羅してあるので、日本の焼物の全体をざっと知るには便利です。ここで得た〇〇焼についての知識は、骨董屋で話をするとき、随分と役に立ちました。〇〇焼を知らないと、なめられる!?(^^;

このシリーズ3冊は、最初、古本屋で買いました。辞書がわりに使っていたので、かなりボロボロになり、後に何度か買い換えました。

『日本陶器の鑑定と観賞』の新旧本を比較してみると・・・

左:平成5年発行、38版、2500円、右:昭和58年発行、33版、1200円。

ずいぶん、版を重ねています。ベストセラーだったのですね。奥付に発行年月は書かれておらず、表紙に小さく表記されているだけです。これなら、版を重ねるごとに、カバーを変えるだけで値上げができます(^^;  ちなみに、最初に古本屋で入手した初版本は、昭和43年発行で、500円ほどの定価だったと思います。

今となってみれば、用語や内容がどうかなと思う所もあります。が、一人で、これだけの物を書いてしまう・・・昔の人はすごいと思います。明治44年生れの著者は、古陶磁だけでなく、書画や刀剣、さらには骨董の評価についても書物を残しています。

それらにつては、次回のブログで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ヒヨドリの巣が蛇に襲われた

2024年08月20日 | 故玩館日記

左手を負傷して、家でぶらぶらしている毎日です。

と、突然、窓の外で、鳥がけたたましく鳴くではありませんか。

何だろうと思い、外へ出てみました。

キンモクセイの木があります。

大きくなりすぎたので、春先に伐り詰めました。

そのせいかどうか、鳥が巣を作ったようです。

ピー、ピーと激しく鳴いていたのは、この鳥、ヒヨドリでした。

巣をよく見ると・・・

巣の左側に怪しい生き物が。

蛇です。

しばらくすると・・・・

白いものが、ゆっくりと下がってきます。

ゲゲッ、蛇ではありませんか。

しかも、鳥を飲み込んでいます。

蛇は、懸垂のような動きを非常にゆっくりと繰り返した後、鳥の巣の方へ戻りました。

中山道上の電話線には、ヒヨドリがとまり、

ピーピー鳴きながら、巣を見つめています。

思いあまって、巣のすぐそばまで来て鳴きます。

そして、バッと巣の上を飛んで威嚇。

しかし、蛇には通じません。

棒で蛇を突いて追い払おうかとも思ったのですが、左手を負傷して静養の日々。右手に持ったコンパクトカメラのシャッターを押すのが精一杯でした(^^;

ふと道路をみると、雛鳥の死骸がありました。蛇に襲われた時、道路へ飛び降りたのですね。そこで、車に轢かれてしまった。

ヒヨドリの雛は、もうすぐ巣立つところまで育っていたのです。ところが、蛇に襲われて、2羽が犠牲になってしまいました。

普段は、野菜や果実を食い荒らす、にっくきヒヨドリですが、今日ばかりは、長年飼ってきたペットを不意に失ったような気分になりました。

病気で、落ち込んでいる身にはツライ出来事です。

しばらくすると、あれだけ激しく鳴き続けていたヒヨドリの姿はなく、遠くで、時々小さな鳴き声がするのみです。

もう、巣の近くに蛇はみあたりません。

どこかへ行ったらしい。

と・・・巣の中央で動くものが・・・

な、なんと、

雛が一羽います。

無事に生き延びたのですね。

今はずいぶん減りましたが、私の辺りは、蛇の多い地域です。家の中も含め、多くの蛇を見てきました。

5歳頃、故玩館向かいの家を撤去し、高1.5mほどの石垣も壊しました。その時、石垣の石と石の隙間すべてに、蛇が一匹ずついて、驚きました。その光景が今も忘れられません。

また、輪中堤には、蛇やさんが時々来ました。白い袋を腰に下げ、堤上のヒト一人しか通れない細い道を歩いていきます。我々子供もその後についてゾロゾロと。するとある所で、蛇やさんは草叢の中へ入って行って、グッと蛇をつかまえるのです。捕まえるのは、金になるマムシのみ。マジックをみているかのようでした、どうも、匂いで居場所がわかるらしい。

蛇にまつわるお話はまだまだあります。しかし、今回のような惨劇を目の当たりにするのは、この年になって初めてです。おまけに、体が思うようにならず、鬱々とした毎日をすごす身。蛇の襲撃で、さらに落ち込んでしまうところですが、三羽の雛の内、一羽が無事であったことによって、少し清々しい気持ちになりました。

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ブログ、ゆるゆると行きます

2024年08月13日 | 故玩館日記

現在の姿です。

冷蔵用ガラスポットにお茶を移そうとした時、誤ってガラス瓶が割れ、指をザックリと切ってしまいました。

見たこともないほど出血しました。

悪い事に、靭帯が切れたので、繋ぐ手術をしました。

結果、5週間はこの状態(^^;

なので、ブログはゆるゆると、になります。

ブログ訪問やコメントは何とか。

一番のゆるゆるはブログアップ(^^;

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光合成細菌(PSB)の威力に驚きました

2024年08月11日 | ものぐさ有機農業

ここ数年、家庭菜園で光合成細菌(PSB)を野菜に散布する記事を見かけるようになりました。

例によって、お試し願望の虫がむくむくと頭をもたげてきました(^^;

しかし、光合成細菌は、種菌を通販で得て、自分で培養して増やさねばなりません。

そんなわけでグズグズしていたのですが、先日、JAの売店でPSB種菌を見つけました。

メダカ売場にありました。水質が良くなるそうです。餌にもなり、一挙両得。

迷わず購入。300円弱でした。

これを種にして、自分で増やしていくのです。

光合成細菌の餌はこれ。

胃腸の弱い自分用にもなるので、大瓶を購入(^^;

2リットルのペットボトルに、種菌500mlをいれ、一夜置いた水道水で一杯にしました。

そこへ、エビオス錠を8粒入れます。

光合成細菌は嫌気性菌なので、空気が入らないように完全に満たすのがコツです。しかし、どうしても液がこぼれます。この時、耐えられない程の悪臭(ドブ臭さ)がする、と多くの培養記事に書かれていました。が、わずかにドブの臭いがしただけで、拍子抜けでした(^^;

後は、一日に一回振って、中味を動かしてやるだけ。

日なたに置いておけば、一週間で培養、完成です。

  左:一週間後。  右:作りたて。

さて、光合成細菌の効力やいかに?

現在の畑の様子です。左から、トマト、オクラ、ササゲ、ナス、キュウリです。マルチ全面張りですので、どうしても畝間が狭くなり、窮屈です(^^;

トマトは盛期をすぎ、キュウリはほとんど終わっています。例年、この時期に一番頭を悩ますのがナスです。それまで実り盛っていたのがパタリと止まり、葉が落ち、樹勢がみるみる衰えてしまいます。いわゆる土用疲れ。やむなく、枝をバシバシ落します(更新剪定)。

さて、今年のナスの状態です。

今年は、花もボツボツ咲いていて、例年よりはマシです。

しかし、葉には例年のごとく、黄色い斑点がたくさんできています。

だんだん症状がすすみ、全体がボロボロになって、葉は落ちます。

病気なのか、虫のせいか?

そこで、ダメもと、光合成細菌をかけてみました。

300倍くらいが標準ですが、今回は濃い目の100倍液を葉面散布しました。

次の日、ナスを見て驚きました。全体に緑が濃くなり、生き生きとしているのです。

葉を見ると、驚くことに、黄色い斑点はちいさくなっています。

よく見ると、斑点の黄色が薄くなり、あたかも傷口の修復がすすんでいるかのようです。

光合成細菌の作用はよくわかっていません。田んぼの水の中など、どこにでもいる細菌で、植物のように、光のエネルギーを利用して有機物をつくりだす原始生物です。過酷な環境でも生息できる強い細菌です。

これを植物に散布すると、病気を引き起こすなどの悪さをする悪玉菌を駆逐して、植物を健康にするといわれています。

今回のナスも、その効果が表れたのでしょうか。うまくいけば、更新剪定をしなくても良い?

数日おきに散布して、経過をみてゆく必要がありますね

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