遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

マッサージガンを買ってみた

2023年04月30日 | ものぐさ有機農業

いま、巷で話題(?)のマッサージガンを買ってみました。

先回のブログで、孤独のアンマ器、中山式快癒器を紹介しました。このレトロな健康器具は、腰や首のコリをほぐすのにうってつけです。

ところがこのところ、腰や肩、首筋だけでなく、両腕が痛だるい状態が続いています。例の「中山式」は、自分の体重を使ってモミモミする器具ですから、腕には向いていません。どーする、遅生?

で、ピンとひらめいたのが今回の品でした。少し前、クリンちゃんのブログで紹介されていて、これはいいかも、と思っていました。しかし、すこしあたってみると、きたえた筋肉をほぐす、シェイプアップに良いなど、あたかも後期高齢者を排除するかのようなキャッチコピーばかりが目につき、二の足をふんでいました。実際、筋膜リリースガン、シェイプアップガン、ボディシェイプガンなどの名称がずらり。(^^; 

しかし、もはや待ったなし。販売店をのぞいてみると、この手の品があるわあるわ。普段は全く気が付かなかったのですが、健康器具のコーナーにいろんな製品がずらっと並んでいます(いつも見ているのに見えていない(^^;)。デモ品を試しながら、あれやこれやと迷ったあげく、下の品を購入しました。

先が振動するハンディなマッサージ器です。

片手で持って、患部に当てる。少し重さがあるので、軽く当てるだけで結構効きます。

当てたい部位によって、先端のアタッチメントを選びます。

もちろん電動、USB端子で充電します。振動の強さ(振動数)は、6段階に調節可。

で、肝心の使い心地はどうかというと、これは使えます。あまりに気持ち良いので、つい当てすぎになりがちですが、10分経つと自動で電源が切れます。腰部には当てずらい(持手が湾曲したタイプの品なら可)ので、中山式と使い分けですね。

携帯用のケースがついていて、お値段も手ごろ。若者専科ではなく、シニアにもお勧めの品でした(^.^)

 

で、ふと思い出しました。そういえば、同じような品が故玩館にもあったことを。

ずいぶん依然のブログで紹介した、戦前の手回し式肩叩き器です。ハンドルを回すと、先端がブルブルと震え、凝った部位に当てると大変気持ちが良い。

両者、基本的な作りは一緒ですね(^^;

マッサージガンの開発者は、「古きをたずね、新しきを知る」を地で行ったのでしょうか(^.^)

 

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君は「中山式」を知っているか

2023年04月28日 | ものぐさ有機農業

この怪しげな品を見て、ピンとくるあなたは物知りそれなりの年配者(^.^)

かつては、ほとんどの雑誌の裏表紙に、中年のオジサンが微笑んでいる広告が出ていました。「中山式快癒器」です。

実は、ガラスの腰を持つ遅生は、この器具を長年愛用してきた一人なのです。

4球式、2球式のセットです。戦後すぐに開発され、60年代までは木製、その後、プラスチック製になりました。

4球式の現行品には裏にダイヤルが付いていて、回すと指圧球が上下して、指圧の強さを調節できるようになってます。

仰向けに寝て、これを腰の下にあてがえば、バネ仕掛けの丸玉が筋肉をもみほぐしてくれるという優れものです。

自重でモミモミ、電気要らずの一人按摩。SDGs先取りで、表彰ものですね(^.^)

一昨年、キンコンカン(金婚冠)を迎えましたが、スタート以前から愛用しています。連れ合い殿よりも古い付き合いで、半世紀以上、これでモミモミしていたわけです。海外へ行くときも一緒。

上写真の品は、2球式が3代目、4旧式が4代目です。

寿命があるのですね。少しわかりずらいですが、この写真でにぼんやりと2つの円が見えます。指圧の球が押し当てられて、プラスチック板に跡がついてきているのです。やがて、ここが割れます(^^;

そこで、買い替えとなります。

ところが、薬局へ行って、「中山式ください」と言っても、店員は怪訝な顔をするのみ・・・中山式快癒器を知らないのです。もちろん、店頭に品物は無し。

超レトロな按摩器、「中山式」も遠くなったものです。

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サトイモ用に平マルチを張った

2023年04月26日 | ものぐさ有機農業

なぜか前倒し農作業が続く遅生農園です。

雨が降る前に大急ぎで、サトイモ用地に黒マルチを張りました。畝をつくらず、一面をマルチで覆います。

急いだ理由は、後ほど。

サトイモ栽培は、例年通りです。そう、連作の鬼(^^;)、遅生は、農業教科書にあえて背き、連作を続けています。特に、サトイモ、ソラマメ、ジャガイモの連作歴は長く、10~20年、同じ場所で栽培しています。なんの問題もなくすくすく生育し、収量もgood(^.^)

その理由は、「常識に挑戦!!」というカッコ良いものではなく、ただ単に輪作のやりくりがめんどくさいだけなのです(これぞ、ものぐさ農業(^^;)

というわけで、10日前、定場所に牡蠣殻石灰、鶏糞、ボカシを撒いて耕しておきました。これまでは、耕してすぐにマルチを張っていたのですが、今年はしばらく置いてから張ることにしました。その理由は、耕作直後に張ると、土がフカフカすぎて、マルチ止めのピンが効かないからです。そして、少し強い風が吹くと、マルチが煽られて、飛んで行ってしまいます。そこで今年は一考、少し日をおいてからマルチ張りをすることにしたわけです。

10日間のうちに、一度雨が降り、土がだいぶ締まりました。上を歩いてもズボッと足がめり込むことがありません。しかし、天気予報では雨(昨日の段階)、急がねばとなり、5時から8時までかかって何とか張りおえました。案の定、その後、すぐに降り出しました。もし、この雨がモロに土にあたったなら、さらに堅く締まって、サトイモ植えの作業が難しくなったでしょう(その理由は、最後に)

孤独のマルチの成果(^^;)をご覧ください。

1.3m幅、長さ10mを六枚半、繋いであります。

問題は繋ぎ目。今回はピンが効いているのですが、それだけでは心もとない。継ぎ目を抑えておく必要があります。

手持ちの廃物を活用。

フェンスの鉄支柱と竹に、

洗濯物干し竿も活用(^.^)

その上を、古瓦で押さえてあります。

継ぎ目以外の場所は、瓦片や石をおいて完成。

さて、雨が上がったら、いよいよ種芋の植え付けです。例年、一列に16株、それが6列半あるわけですから、合計104個ものサトイモを植え付けなければなりません。これではとうていガラスの腰がもちません(^^;

そこで使っているのがこの品。

長さ1.3mの単管パイプ(建築足場用)です。これを両手で持って上から突き刺し、マルチに穴をあけていくのです。土にも、程よい大きさ、深さの穴が開くので、里芋種をポンポン入れていけばOK。この時、土が堅いと力が要るので疲れます。ほどよい柔らかさの土がよいので、土の締まり具合に気を使っていたわけです。

パイプで穴をあけるとき、内側に細い支柱を入れて振り下ろします。そうしないと、そのうちパイプが詰まってしまい、穴があけられなくなります。

これで、104個の種芋植え付けもラクラク(^.^)

この方法は、塚原農園さんのyutubeで知りました。遅生の失笑!実用新案ではありません(^^;

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らくちん水やりマルチを張った

2023年04月24日 | ものぐさ有機農業

少し前のブログで、エンドウの高棚を紹介しました。

今年は豊作の予感通り、順調に生育し、もうヒトの背丈を越えています。もちろん、実もどっさり(^.^)

さて、そろそろ、夏野菜植えの時期。そのためには、畝をたて、マルチを張らねばなりません。私は、通常のマルチ張りとは異なり、畑全面をマルチで覆います。酷暑下での草取りから免れるためです。

この方法には弱点が二つあります。

①マルチを張るとき、側面を土中に入れて固定しないので、強い風が吹くと剥がれやすい。

②開口部が少ないので、水やりが難しい。

①については、風に順方向になるようにシートを重ねて、ピンで固定します。こうすると、隙間から風が入って煽られる心配がありません。さらに、重しを置いて、シートが土に馴染むのを待ちます(数週間)。

②については、妙案がなく、毎夕、水を撒いていました。しかし、手間と水道代が大変。特に、大量の水を必要とするキュウリとナスだけは何とかしないと・・・・そこで考え出したのが今回の実用新案(^.^)

以前、庭木と草花用に使っていた散水ホースの活用です。小さな穴がたくさん開いていて、そこから水が出ます。

10mのホースを2本つないで、片方の端は閉じてあります。以前はこれをマルチの上に置き、散水をしていたのですが、マルチの上からの水やりはなかなかはかどりませんでした。

右端がナス、真ん中をキュウリに決定。

いよいよマルチ張りです。これが、なかなか大変。猫の手も借りたい。しかし、現実は、孤独のマルチ(^^;

そこで活躍する助っ人が、実用旧案、楽々マルチ(^.^)

早朝5時半(風が弱い)から始めて8時までかかってしまいました。

途中、おもわぬ風がふいたからです。が、何とか完成。

この口に、水道水を通じたらOK。ドンと来い夏(^.^)

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五榜の掲示第三札『切支丹邪宗門の禁止』

2023年04月22日 | 高札

今回は、五榜の掲示第三札『切支丹邪宗門の禁止』です。

 

41㎝x57㎝、厚 2.8㎝。重 3.7㎏。慶応四年三月。故玩館、高札N0.9。

駒形屋根付きで、裏木補強がなされています。吊り金具はありません。分厚い板で頑丈に作られています。墨書きは非常に鮮明に残っています。裏書にある古市場村は、現在、岐阜大学がある辺りです。


     
一切支丹宗門之儀者
 是迄御制禁之通
 固く可相守事
一邪宗門之儀者固く
 禁止候事
慶応四年三月 太政官

  (裏面)    山縣郡古市場村

この高札文の意訳です。

    定
一キリスト教は
 ずっと禁制であり、
  今後もこれまで通り堅く守るべきである。
一邪教は堅く
  禁止である。
    慶応四年三月 太政官
  
(裏面) 山縣郡
       古市場村(現、岐阜市古市場)

この高札は、正徳元年五月の切支丹札に相当します。
正徳大高札『切支丹札』は次の通りです。
き里志たん宗門ハ累年御禁制
たり、自然不審成ものこれあらハ、申
出へし、御不うひとして 
  はて連んの訴人    銀五百枚
  い累まんの訴人    銀三百枚
  立かへ里者の訴人    同 断
  同宿并宗門の訴人   銀百枚
右の通下さるへし、たとひ同宿
宗門の内たりといふとも、申出る
品により銀五百枚下さるへし、かく
し置他所よりあらはるゝにおゐては
其所の名主并五人組迄一類ともに
可被行罪科候也
    正徳元年五月日
                          奉行


新政府になっても、キリシタン政策は変わらなかったのですが、今回の高札を見る限り、表現はずっと簡素であり、密告の推奨や報賞金の記述はありません。また、匿った場合の罰則なども書かれていません。
         
ところで、『太政官日誌第六』に載った五榜の掲示第三札『切支丹邪宗門の禁止』の文面と今回の高札とを照合してみます。
『太政官日誌第六』での第三札は、次の様でした。

   
きりしたん邪宗門之儀ハ、固く御制禁たり、若不審なるもの有之は、其筋の役所江申出べし、御ほふび下さるべく事
  慶応四年三月 太政官

同じ五榜の掲示第三札なのに、『太政官日誌第六』と今回の品は、大きく異なっています。
相違点は二つ。
(1)『太政官日誌第六』では、「きりしたん邪宗門」が禁止なのに対して、今回の高札では、触書が2ケ条から成っていて、キリスト教はこれまで通り禁止、邪宗門も禁止と述べて、キリスト教と邪宗門を分けています。
(2)『太政官日誌第六』では、「不審者をみつけたら役所へ申し出よ、報奨金を与える」との文面が、今回の高札では削除されています。

 実は、慶応四年三月に五榜の掲示が出されましたが、その中で第三札『切支丹邪宗門の禁止』に対して、海外の諸国から強い反発の声があがったのです。
そこで、新政府は、慶応四年四月四日、第三札の改訂を布告しました。最初に発布された第三札切支丹禁止に対して、50日もたたないうちに、改訂の布告が出されたのです。
  
太政官布告 第二百七十九号 『切支丹宗門及ヒ邪宗門禁止ノ制札ヲ改ム』
 「一切支丹宗門之儀ハ是迄御制禁之通固ク可相守事
  一邪宗門之儀ハ固ク禁止候事」
      
これは、今回の高札と全く同じ文面です。但し、布告では、かなはすべてカタカナになっています。後に明治政府が学校や政令での文章に、ひらがなではなくカタカナを推奨するようになりますが、その兆しがうかがえます。

このように、今回の高札は、改訂された文面の第三札だったのです。布告では、第三高札『切支丹禁止』の変更理由を、次のように記しています。
  「先般御布令有之候切支丹宗門ハ年来固ク御制禁ニ有之候處其外邪宗門之儀モ總テ固ク被禁候ニ付テハ混淆イタシ心得違有之候テハ不宜候ニ付此度別紙之通被相改候條早々制札調替可有掲示候事」
 「キリスト教はこれまで禁制であったが、同時に邪宗も禁止であったので、両者が混同され間違いが起こるといけないので文面を訂正する」というのです。何か、今の国会で政治家や官僚の答弁を聞いているような錯覚に陥りますね(^^;)
そこで、「切支丹邪宗門」を「切支丹」と「邪宗門」の二つに分けて、それぞれが禁止だとの表現に変更した訳です。「切支丹」=「邪宗門」ではないと言いたかったのでしょう。しかし、これで諸外国からの非難がおさまるはずはありませんでした。
このように、開国の一方でキリスト教を禁止するという新政府の矛盾は、やがて高札制度を崩壊へと導くことになります。

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