遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

嗤うアフリカ7 シマウマ太鼓

2024年10月25日 | おもしろグッズ

今回の品は、アフリカの太鼓です。

上径 46.1㎝、下径 19.3㎝、高 42.2㎝。アフリカ。20世紀。

地域は不明ですが、アフリカの太鼓です。木を刳り貫いた胴に、シマウマの皮を張ってあります。

まるで、抽象画のような模様です。

皮を張っているのは、無数の紐です。

この紐も、シマウマの皮でできています。

どこかで見た抽象画に似ています。

下部にも、同じようにシマウマの皮を張り、皮でできた紐でギュッと上下の皮を締めてあります。

やはり、美しい模様。

上側はシマウマの皮をそのまま使っているのに対して、下側の皮は、シマウマの毛を抜いています。

が、一部、取り残しがあります(^^;

この太鼓には、片側に紐がついています。

これはなんだろう?

片方だけですから、持って運ぶためのものではなさそうです。

このシマウマ太鼓、どんな音がする?

叩いてみると、その大きさから予想されるほどの響きや音量はありませんでした。

ん?!アフリカの太鼓って、こんなもの?!!

ひょっとして、と思い、紐をつかんで横にしてみました。

同じように叩くと、なかなかの音。

もう一方の底になっていた、小さい方の皮を叩くと、少し高い音が小気味よく鳴り響きます。

両側を使えば、高低の打音で、リズム音楽が出来上がります。

ただ、シマウマ太鼓を横倒しただけでは、安定しません。この紐によって、使いやすい角度に固定して使うのでしょう。

でも、このシマウマ太鼓、

楽器として使うよりも、

スツールの方がピッタリきます(^^;

気分は、もう、シマウマ(^.^)

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嗤うアフリカ6 謎のスプーン女

2024年10月19日 | おもしろグッズ

ここしばらく、性信仰を思わせる木製品を紹介してきました。

こういう物は万国共通ですから、日本に限らず遠く離れたアフリカにもあります。以前には、アフリカ・ドゴン族の穀物倉庫の扉を紹介しました。そこには、豊穣の祈りでしょうか、多数の人物とともに、乳房が彫られていました。

もう少し、直接的な物があったはず・・・ということで探し出したのが今回の品です。

高 61.9㎝、幅 11.2㎝、奥 10.8㎝。アフリカ。19-20世紀。

全体に、かなりの風化が見られます。

足先が欠けている!・・・・と思ったら、もう一本の足先にも割れ目が!

どうやら、足先は両方ともくっつけてあります・・・ん!わざわざ、足先を別に作った??!!

一本の木から彫り出した物だとばかり思っていましたが、そういう眼であらためて全体をくまなく観察してみると・・・

な、なんと、頭、胴体、陰部、脚、足先が接合されて、この木彫スプーン女は出来ていることがわかりました。

どうして、わざわざパーツに分けて作ったのでしょうか?

ひょっとすると、何かの儀式において、部品を組み合わせてスプーン女を組み立てる、あるいはその逆に、スプーン女を分解する、そのための物ではないかと思えるのです。

左足の数字は何?

スプーン女の名称も、私がつけました。

謎に満ちたアフリカ木彫品ですが、日本の土俗的な品と相通じる部分が多いので、手持ちの品と組みあわせてみました。

 

スプーンが祠にぴったりですね(^.^)

調子にのって、他の小物たちも参加。

 

 

 

 

遅生のマスコットキャラも登場。

にぎやかなガラクタ祭りになりました(^.^)

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道神面

2024年10月17日 | おもしろグッズ

先回のブログで、九州に多く伝わる民衆像、田の神さぁ(タノカンサァ)を紹介しました。田の神さぁは、田の端などに置いて豊穣を祈るためのもので、性信仰と結びついています。

同じような物がないかと探しだしたのが今日の品です。

信州松本の道神面、4枚です。

信州では、悪霊や疫病などを防ぐ神様として、峠や辻や村境などの道端に、「道祖神」が祀られています。男女一対で祀られることが多い道祖神は、交合の象徴でもあります。

この道祖神にヒントを得て、家内に持ち込めるように制作されたのが道神面(道祖面)です。考案したのは、民芸作家、宮田嵐村です。地元の民芸品店で購入することができます。

暦に記載される日時・方位などの吉凶や運勢を表す暦注の一つ「十二直」になぞらえて作られるので、いろいろな表情のお面があります。

縦 18.2㎝、横 12.8㎝、奥 4.3㎝。昭和。

縦 16.5㎝、横 14.6㎝、奥 3.8㎝。昭和。

縦 19.0㎝、横 14.5㎝、奥 4.1㎝。昭和。

縦 9.2㎝、横 7.4㎝、奥 2.1㎝。昭和。

おおらかで不思議な表情をたたえた道神面は、田の神さぁと共通する点が多いですね。

そこで、田の神さぁに、道神面を被っていただきました。

題して、「田の道祖神さぁ」(^.^)

これに気をよくして、サポテカ神像にも。

インターナショナルなお守り!?(^.^)

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木像、田の神さぁ(タノカンサァ)

2024年10月15日 | おもしろグッズ

先日、mash1125さんが「田の神さぁ」についてブログをアップされ、えびの市の「田の神さぁ」を紹介されていました。

そういえば、故玩館にも「田の神さぁ」(タノカンサァ)がありました。

台座込木像:高 71.0㎝、幅 41.2㎝、奥行 18.7㎝。重 5.0㎏。木像部:高 66.2㎝、幅 23.3㎝、奥行 21.3㎝。幕末(文久元年)。

木彫の「田の神さぁ」です。この田の神像は、一本の木から彫られ、台座に固定されています。

「田の神さぁ」は、南九州地方を中心に、田の畔道端などに設置され、稲作の豊穣を祈ります。江戸中期頃から広まった民衆信仰の神様で、石彫りの像です。

今回の品は、木彫の「田の神さぁ」で、類例の稀な品です。

 

「田の神さぁ」にはいくつかのパターンがありますが、今回の品は最もポピュラーな農民型です。右手にすりこぎ、左手にしゃもじを持っています。いずれも、豊作を象徴します。

どこからみても、にこやかな表情です。

頭にかぶった傘は、男性のシンボル形です。これも、豊穣を祈る性信仰によるものです。

注目されるのは、裏に刻まれた文字。

「文久元年(1861)秋 五木村」とあります。

地域の祠に祀られ、大切にされてきたのでしょう。

五木村(熊本県)は、近年、ダム建設に揺れました。川辺川ダム建設の話しが持ち上がり、その渦中にこの「田の神さぁ」は流出したと思われます。にこやかなこの木像は、ダム利権に群がった政治家や官僚たちが、山河と人々の暮らしを荒廃させていく様子を、じっと眺めていたことでしょう。

 

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これは何だ! 空中浮揚台?

2024年03月26日 | おもしろグッズ

先日、DIYが得意な方から、不思議な物をいただきました。

詳しくは動画をご覧ください。

なお、BGMは、先日、五年越しで上がった能管の秘曲「真之寝取」を、新たに調整した能管(先回のブログ)で吹いてみたものです。これまで、十数本の能管を使いましたが、この能管が一番楽に音が出せます。結果、この難曲を、息が上がることなく吹くことが出来ました(^.^)

 

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