遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

木製漆塗色替小茶托

2021年10月29日 | 漆器・木製品

先回に引き続き、今回も、色替わりの小品です。

五色の茶托セットです。

幅5.7㎝、長8.1㎝、高1.4㎝。戦前。

漆塗りの品で、厚さは2㎜弱、重さは8gしかありません。先回の菓子皿より、1g勝ち(軽い)ました(^.^)

底に、かすかに木目が見えます。まずは一安心(^.^)

この茶托には、5枚とも、金の三日月(草?)模様があります。

実はこれ、茶托に入っていたヒビを隠すために、私が金箔を貼ったものなのです。ヒビが入っていたのは一枚だけ。でも、5枚のうち一枚だけに金模様があってい不自然なので、全部に同じような模様を施しました(^.^)

さて、ここで問題です。

ヒビが隠れているのは、5枚の内のどれでしょうか?

小豆茶托。

緑茶托。

黒茶托。

赤茶托。

茶茶托。

正解は?

私にもわかりません。

忘れてしまいました(^^;

見分けがつかないほどに金箔を貼ることができた自分をほめてやるべきか(^.^)

とてもとても小さな茶托です。

これに合うとすれば、小さな小さな瑠璃南京煎茶碗ですね。

この大きさなら玉露なのでしょうが、生憎きれていました。普通の煎茶ですが、どうぞ(^.^)

飲み終えたところで、早口言葉を一番。

小豆茶托、緑茶托、黒茶托、赤茶托、茶茶托。

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扇形五色菓子器

2021年10月28日 | 漆器・木製品

今回は、再び、色替わりの漆器です。

古い桐箱には、「扇形五色菓子器」とあります。

古い刺繍を挟んで大切にされてきたと思われる漆皿が5枚。

非常に華奢な品です。

五色は、赤、深緑、濃茶、茶、薄茶(黄?)です。これまで見てきた色替わり漆器と少し異なります。

長 14.6㎝、幅 6.7㎝、高 0.3㎝。明治―戦前。

1.5㎜ほどの低い縁がついていて、重さは、9gしかありません。

以前に紹介した秘蔵の色替りコーヒーカップと組み合わせてみました。

今回の品は茶系統が多いので完全には合いませんが、大きさ、形もふくめれば、全体ではまあまあでしょう。

 

こんなに小さな菓子器ですから、のせる菓子も当然小さい(^^;

ちびちびと独珈琲をして、しばし浮世を離れました(^.^)

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欺天然木コーヒーカップ、ペアー2種

2021年10月27日 | 漆器・木製品

先回に続いて、ペアーのコーヒーカップです

 

カップ:口径 6.6㎝、底径 7.2㎝、高台径 4.3㎝、高 6.5㎝。ソーサー:径 14.7㎝、高 1.7㎝。現代。

カップ、ソーサー共に、底が厚く、側面は薄く作られています。

これは木を轆轤で挽いた物だろうか?木にしては硬い感じがするし、少し重い。手に持つと少しヒンヤリします。

すわ、プラスチック!?

この赤黒ペアーのカップを入手してからほどなくして、似た品を購入しました。

黒のペアーかと思いましたが、反対側に

鴛鴦が描かれた、文字通りのペアーカップでした(^^;

カップ:口径 6.6㎝、底径 7.2㎝、高台径 4.3㎝、高 6.5㎝。ソーサー:径 14.7㎝、高 1.7㎝。現代。

形、大きさや厚さなどは、先の赤黒ペアーカップと全く同じです。どうやら同じところで作られた物のようです。

カップとソーサー両方に、金で模様が描かれています。

カップの裏に、「加古川 金箔細工」のラベルが貼られています。

箱などはなくしてしまいましたので、品物の素材ははっきりとしませんが、たしか「木製品・・・」とあった記憶が・・・。

全く無疵だと思っていたのですが、幸いにも(^^; 赤カップの高台に小さな擦り疵がありました。

拡大して見ると・・・

朱の下に黒塗料が塗られ、その下に薄茶色の生地が見えます。しかし、木地のようには見えません。かといって、プラスチックのようなテカリはありません。木質の塊が削られたようにみえます(確かではありませんが)。

考えられるのは、木粉を樹脂で練り、プレスした物です。4個のカップ&ソーサーの形と大きさが全く同じなのも、プレス成型だと納得できます。この様な品は、意外と多く作られていて、性質は、木とプラスチックの中間になります。象牙やサンゴの練り物と一緒ですね(^^;

現在の品質表示では、「木乾」や「天然木加工品」と表示されることが多いようです。「木製」というあいまいな表示も使われています。いずれにしても、「天然木」ではありません。

また、今回の品の塗りは極めて均一です。漆を刷毛で塗った痕跡はまったくありません。塗料をスプレーで吹き付けてあると思われます。

という訳で、きれいなカップ&ソーサー4客(2ペアー)ですが・・・

やはり、下を向いてずっとお休みいただく事にしました(^^;

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曲げわっぱコーヒーカップ(2客)

2021年10月25日 | 漆器・木製品

今回は、曲げわっぱコーヒーカップ、2客です。

赤と黒のペアーです。

カップ:径 6.0㎝、高 6.3㎝。ソーサー:径 11.9㎝、高 0.9㎝。スプーン:幅 2.1㎝、長 10.9㎝。現代。

内側は漆塗り、他の部分は木肌そのままですが、防水処理がなされています。

カップは非常に薄く、厚さ1mmしかありません。薄く剝いだ杉の板を曲げてカップにしています。重さは、わずか16gです。

継ぎ目がはっきりと見え、やはり曲げわっぱ、秋田県大館の特産品です。

 

杉の木目が生かされています。手にしっとりなじみ、口当たりもやさしいです。

しかし、あまりに薄く軽いので、飲んでいて少し落ち着きません(あくまで個人的な感想です)。

それから、陶磁器でもそうですが、今時のこういう品は、カップルを意識してか、対になっているものが多いですね。

ヤングカップルならいざしらず、今さらという感あり(^^;   

で、当分は下を向いて休んでいてもらうことにします(あくまでも個人的な意見です(^.^))

 

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木製拭漆珈琲カップ(2客)

2021年10月24日 | 漆器・木製品

今回の品は、木製のコーヒーカップ、2客です。

以前に愛用していた品です。

 

カップ:口径 7.3㎝、底径 4.2cm、高 6.8㎝。 ソーサー:径 13.0㎝、高 1.7㎝。スプーン:幅 2.1㎝、長 12.2㎝。現代。

先回の色替木製珈琲カップは良い品です。が、手軽にというわけにはいきません。そこで、毎日気軽に使える木の器を探して、行きついたのがこの品です。

拭き漆のコーヒーカップです。

拭き漆は、透明漆を塗っては布で拭き取る作業を繰り返して、木地に漆を摺りこむ技法です。木目が浮き上がり、いかにも木製品という感じがします。複雑な漆塗りをしないので、値段もお手頃(^.^)

こんな感じになります。漆が浸みこんでいるので、防水性もあります。

カップの内側が黒ずんでいるのは、コーヒーの油分が沈着しているためです。

当時、フレンチプレスに凝っていました。この方法では、紙フィルターを使わないので、コーヒー豆の油分を含んだ、コクのあるコーヒーが味わえます。でも、コーヒーカップにも油分が付着します(^^;

何年もの間、毎日愛用してきたコーヒーカップですから、粗相をすることもしばしば。

金継ぎで補修しました(はっきり言って、下手(^^;)

 

内側が黒ずんだ、疵有りカップを手にすると、まだ元気だった頃の自分が浮かんできます(^.^)

 

 

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