遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

ガラス37 故玩館のステンドグラス②

2023年10月25日 | ガラス

今回は、故玩館内のステンドグラスです。

3か所にあります。

まず、2階へ階段をあがります。

階段両脇には、エスニックな品を掲げています。

上がり切った所にステンドグラスが一枚。

ほとんどの人が気がつきません。内側が暗いからです。

でも、反対側にまわると、

光を受けて、本来の輝きを出します。

26.7㎝x92.2㎝。昭和。

故玩館改修時に、周りと違和感のないステンドグラスをあちこち探しまわり、この品を見つけました。2階の間仕切りに嵌めこんでもらったところ、控えめなオレンジ、黄、薄緑が功を奏して、まあ、成功と胸をなでおろしました(^.^)

2階を進むと大皿のコーナーがあります。格子窓をバックにしています。ほとんどの人は、ここにステンドグラスがあることに気がつきません。

外からの光をあびると浮かび上がります(赤なのですがなぜか黄色に見えています)。

室内の灯りを消せば、くっきりと浮かび上がります。

格子窓に四角いステンドグラス・・・たしか、白州正子女史の武相荘に同じような物が・・・・他の場所だったかもしれません(昔のことで、記憶が曖昧(^^;)

品物はいたってシンプルな造りです。

50.5㎝x63.0㎝。大正ー戦前。

日本家屋には禁物の赤が使われています。しかし、英国のステンドグラスの赤のようにドギツク有りません。明治の建物にもしっくりきます。

ものすごく頑丈な造りです。どこかの洋館の窓として実際に使われていた物でしょう。私の持っている(た)ステンドグラスの中では一番古い物です(他にもいくつかありましたが、処分しました)。サイズも、誂えたかのようにピッタリ。何の支えも無しに窓枠に固定できました。

実はこの品、リサイクルショップで見つけました。当然格安。他にもあるはずと店主に掛け合いましたが、この一個だけでした。残念(^^;

階段を降りると、先日紹介した台所との間仕切りのある部屋に出ます。

左壁には、ランプシェードがあります。

これも、人は素通りです。

が、暗くなると存在感を示します。

幅 32.3㎝、高 15.3㎝、奥 16.1㎝。昭和。

これも主張が控えめなので、合格です(^.^)

辺りがほの暗くなると、

穏やかに故玩館を彩ります(^.^)

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ガラス36 故玩館のステンドグラス①

2023年10月23日 | ガラス

ここ何回か、故玩館内部のガラスを紹介してきました。

今回と次回は、ステンドグラス(色付き)です。

今回は、故玩館そのものではなく、居住部や故玩館と居住部を繋ぐ通路脇のステンドグラスです。

いずれも、故玩館大改修の以前に設えた物です。

今回のステンドグラスは、3か所です。

まず、私たちの居住建物のLDです。

上方の横長押は、アコーディオンカーテンの名残です(昔、流行った(^^;)。もう、築45年になります。リフォームをしたとき、大工さんに取り付けてもらいました。

LDの奥の方にあり、普段、太陽の光があまりはいらないので、南をみても、こんな感じでステンドグラスがほとんどわかりません(^^;

部屋の明かりを強くして反対側から見ると、

それらしく見えます。

29.5㎝x58.5㎝。日本製。昭和。

こちらが、台所から南を見た様子です。

控えめな色使いなので嫌な感じはしませんが、チョッと地味すぎ?(^^;

 

次のステンドグラスは、玄関を入ってすぐ、故玩館へ通じる通路の始まりの場所です。20年ほど前に増築しました。

向こう側は、一応、家事室となっています。修理、修復などの作業や資料置場として使っています。

その間仕切りの戸に、建具屋に頼んでステンドグラスを入れました。

昼間は玄関口が明るいので、ほとんど目立ちません。

夜、中で作業のため電気をつけると、

こんな感じになります。

19.0㎝x48.3㎝x2枚。英国製。20世紀。

設えてみてわかったのですが、日本の家屋(多少洋風でも)に本場、イギリスのステンドグラスはしっくりこないようです。特に、赤ガラスが入っていると、少しの間は綺麗ですが、いつも見ているとだんだん嫌気がさしてきます'(^^;

ここから階段を上がって故玩館へ行きます。

通路の右脇は、先日のブログで紹介したように洗面所になっています。

ここは光をひろう可能性の無い場所です。そこに、イギリスのステンドグラスが入っています。光が少ないことが幸いしてか、赤ガラスも違和感がありません(^.^)

洗面所の反対側は、トイレです。3か所目のステンドグラスがここにあります。

でも、ちょっと見た限りそれらしき物はどこにも・・・

このトイレ、広めなのです。広いのは良いのですが、少々落ち着きません。まあ、二人同時に入ることは無いにしても、何となく落ち着かないのです。

そこで、大と小の間を、間仕切りしました。

そして、そこへステンドグラスを入れました。

少の方・・・左に明るい解放感。

大の方はこんな感じ。

ぼやーと霞んでいるのが良いですね。

35.5㎝x78.9㎝。日本製。昭和。

赤ガラスを排して、紫、黄、青の配置が絶妙です。

次回のブログも含め、これまでステンドグラスをあちこちに使ってきました。どれも今一歩でした。が、この品だけは、我ながらうまくいったと思える成功例です。ステンドグラスを取り付けた大工さんや故玩館来訪者にほめていただいています(^.^)

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ガラス35 故玩館のガラス建具ーすりガラス花鳥吉兆紋引戸

2023年10月21日 | ガラス

故玩館のガラス建具を紹介します。

故玩館の内部は基本的に明治のままですから、書院横のガラス窓(改修時に撤去)を除いては、ガラスの建具はありませんでした。しかし、故玩館を大改修するにあたって、採光などの関係から、ガラス戸がどうしても必要となり、それらしき雰囲気の品を私が探し求めて、改修工事に組み入れました。

主な物は二つ。玄関を上がってすぐ、仏間との境の戸と台所の間仕切りの戸です。

まず、仏間の戸です。

92.6㎝x176.5㎝(1枚)。昭和。

花鳥模様が下方にあります。

このようなガラスは、すりガラスの一種で、ガラスに型を置いて金剛砂を吹き付けると、型の部分だけが透明なまま残り、模様になります。

すりガラスの部分が白っぽくなるので、透明の部分が黒く見える場合が多いです。この品は、線描き模様です。

 

もう一つのガラス建具は、台所の間仕切りです。

ここはもともと土間でしたが、床を張って部屋にしました。

 

71.3㎝x175.8㎝。昭和。

三枚の戸に、異なった模様が描かれています。

これは、松竹梅ですね。

しかも、先のガラス戸と違って、線描きではなく、メリハリのある絵画的表現になっています。

実は、この戸はもう一枚あります。

 

先の線描きの戸較べて、非常に重いです。ガラスが分厚いのです。木枠の黒漆も、本格的な塗りです。上手の品ですね。

この一枚を加えれば、元々は、松竹梅+牡丹の吉祥紋だったのです。台所の間口の大きさの都合で、松竹梅の3枚を使いました。

しかし、残りのこの一枚。もう、使途がありません。

この品も、粗大ゴミの運命です

 

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ガラス34 『大金魚鉢』

2023年10月19日 | ガラス

大きな金魚鉢です。

口径 20.5㎝、胴径 24.3㎝、高 29.5㎝。重 1.47㎏。中国製。現代。

この品も、先回の透胎七宝花紋鉢とほぼ同じ時期に、骨董市で求めたものです。

上の写真のように大きな気泡が所々にあります。

これは戦前の金魚鉢ではないか。しかも値段は相場の十分の一。スワっとばかりに入手しました。

グラビールで花模様が彫ってあります。

しかしっ!!

彫りがいかにも粗雑です。

どうもこれは、中国で作られた新物の可能性が大

そうこうしているうちに、どの骨董市でも似たようなガラス鉢が並ぶようになりました

オンリーワンの掘り出し物!と思い込み、あわてて手を出して小火傷(金銭的には)。先回とおなじく量産品をつかむことになりました

初めて出合うと、あばたもえくぼに見えてしまうものですね。

好環境において、しばしの間、輝かせてあげました

ずっと昔、空箱から金魚を取り出すマジックで使った日本製の金魚鉢と較べても、大きさでは圧倒的。

一度、水をはって金魚を泳がせてみるのも一興かと。

その後は、粗大ゴミへまっしぐらの運命です

 

 

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ガラス33 透胎七宝花紋鉢

2023年10月17日 | ガラス

25年ほど前、いつものように骨董市をひやかし歩いていた時、見慣れない物に目がとまりました。それが今回の品です。

口径 13.9㎝、高台径 5.4㎝、高 6.3㎝。中国。現代。

珍しい物にはすぐ手が出る性格なので、すぐにゲット。

当時、ガラスや七宝に興味がありました。特に、金属のボディに植線した通常の七宝の金属ボディを溶かした省胎七宝に憧れていました。しかし、手が届かない高嶺(値)の花(^^;

そこへ、この器が現れたのです。

しかも、お値段は省胎七宝の20分の1。ビンボーコレクターが飛びつくのは仕方ありません(^^;

真鍮ボディの網目に、水で溶いた色ガラスを入れ、焼成した物です。網目の作り方はわかりません。

家へ帰ってじっくり見ると、いくつかの疑念が。

とにかく、省胎七宝特有の上品な透明感がないのです(^^;

七宝の透明度が悪い、ムラがある、色に深みがない、造りが粗雑・・・・

これは、省胎七宝!!?

拡大してみると、色ガラスが融けきらずに色ガラスの粉が散らばっていて、焼成も不十分であることがわかります。

調べてみると、ボディの無いこのような七宝は、透胎七宝と呼ばれていることがわかりました(たいていは、この品より造りが丁寧(^^;)

中国のこの手の品は、その後、どの骨董市でも見かけるようになりました。

そうなるともうその気がなくなり、ずっと放ってありました(^^;

今回、ブログでかろうじて日の目をみたのです。この機会です。実際に日の光をあててやりました。

いつか、本家の省胎七宝でブログアップしたいものです。

 

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