最近、「アンチ・エイジング」なるものが注目を浴びている。誕生仕立ての、新しい学問分野だけに、各専門家が、それぞれの立場で旗揚げをしている。基本コンセプトは、老化を遅らせるための病気予防や治療方法、更には毎日のケアやライフスタイルに到るまでと、カバーする領域は広範。
全国的には、既に「老化度判定ドック」を実施している病院もあるし、準備中の病院も増えている。老化度をチェックして、老化(⇒病気)を食い止め、医療費総額を抑制したいとの政府の思惑も絡み今後の展開に関心が集まるところだ。
さて、老化予防は誰もが歓迎するところだが、アンチ・エイジングの目的とするところは、「健康に老いる」ことのはず。何も難しい新語を創らなくても、日常生活を見直すことから始めれば良いだけのことだ。私は門外漢だが、既存の生活習慣病予防と同義(或いはプラスアルファ)と考えても構わないと思う。
最も重要なことは、若い頃から自分の生きがいやライフスタイルまで含めた人生設計を確立することだ。そうすれば、自ずと自分の身体をケアし、健康で老いる方策が見つけ易くなる。そうでないと、アンチ・エイジングなる運動論的な医療費抑制策の一環として、政府の得意な対症療法に振り回される危険性があると思っている。