迷走した民主党代表選の行方は、二転・三転したが、一番良い形で決着した。勿論、2週間後の選挙結果がどうなるかは不明だが、小沢・菅両氏の密室談合で候補者を一本化しなかったことを歓迎する。
停滞が許されない厳しい社会情勢下で、代表選を行うことに対する批判の声もある。が、反面、政権交代達成後の目指す方向が不透明だった民主党の基本理念を明確化する好機でもある。両候補に、それぞれの政策ビジョンを分かり易く説明して貰いたい。
菅首相には、「最小不幸社会」の実現に向けて、「強い経済・社会保障・財政」を具体的なロードマップに踏み込んで示してほしい。一方の小沢氏には、「マニフェスト最優先」の財源確保策は必須事項だ。単なる「無駄遣いの排除」で納得出来る段階ではない。また、自身の政治資金に関する説明責任は当然果たすべきだ。
社会運動から身を起こした菅首相の粘り腰による「うっちゃり」か、過去の遺物”トロイカ体制”復活にかけた鳩山前総理の「勇み足」か、決まり手は微妙だが、混乱した茶番劇もようやく沈静化した。3カ月前に辞任した伝書鳩は、改めてその真因を国民の前にぶざまに露呈した。