今年もこの日がやってきた。若い頃、8月15日の「終戦記念日」は教わったが、6月23日の「慰霊の日」を知らなかった。不勉強を恥じるだけだが、毎年、沖縄を訪ねるようになって、6月23日のもつ意味合いが年々重く圧し掛かってくる。
最近の高校生の修学旅行先でトップを占めるのは、沖縄だそうだ。青い海と南国的な景観は、若者を惹きつけるのに十分魅力的で、国際通りを歩けば、アイスクリームと携帯電話を手に土産物を物色する高校生のグループのオンパレードだ。店先には、「高校生割引き」なる張り紙も珍しくない。
だが、同じ年頃の若者が命を散らしたことは紛れもない歴史上の事実。沖縄が米軍の占領下にあり、本土に返還された事実すら知らない生徒も居たのに驚いたことがあった。本土に返還された1972年は、彼らが生まれる前ではあるが、日本人としての常識だ。
平和記念公園の「平和の礎」の前でピース・ポーズをとるだけでなく、ピースの有難味も味わって貰いたい。でないと、修学旅行の意義すら消えかねない。