ベネトナシュ・１３

自分がつらい思いをしているのに
神がそれを助けてくれないからと言って
それは神が悪いのではない
おまえが悪いのだ

おまえはずっと
つらいことはいやだと言って
やらねばならないことを
さぼってきたからだ

一生懸命に働かねば
日々の糧は得られないというのに
おまえは疲れるのはいやだと言って
つらいのがいやだと言って
働かない
それでつらいことになって
自分のせいだとは思わずに
つらいつらいと言って
神や人にあたるのだ

それでいやなことをしてしまって
またつらいつらいと言って
神に訴える
神が助けてくれないとわかると
神などいるものかと言って
馬鹿をやりはじめ
神のようにふるまい
傲慢に自分のつらさを人に押し付けるようになる

自分のつらさを
人に背負わせて
それでつらさから逃げようとするのだ
そして一層つらくなる
馬鹿になって
いやなことになって
一層つらくなる

それでも神が助けてくれないので
きついことをやり始め
暴走に暴走を重ね
とうとう人類を破滅のきわまで追い詰める

何度言ってもわからない
それはおまえが
つらいことから逃げているから
つらいのだと

もうそろそろやめよ
おまえが今
皮膚のようにまとっている嘘を脱ぎ
新たな自分となり
最初からやり直すのだ

それは大層寒いだろう
激しくつらいだろう
何よりも
長い間を間違ってきたことを
認めるのがいやだろう
だがやらねばならない

もうこれ以上
つらいことから逃げていては
おまえはだめになる

もう逃げるのはやめなさい