滅亡という名の大烏賊が
青い墨を吐きながら
都市の空を泳いでいる
在って当然と思っていたものたちが
青い墨をすいこんで
突然 おもしろくなくなる
在っても意味のないものに
ぼろぼろと落ちてゆく
すべては幻だということは
こういうことだったのか
あらゆるものに意味の光を
注いでくれていた見えないものたちが
一斉に愛の手を引いた
その結果 すべては馬鹿になった
人間のやったことはみな
馬鹿になった
哀れな
呆れるほどやった大遊びが
根元からこける日がやってきた
もう二度と人間は
元のように美しくなることはできない
馬鹿なことをやった報いが
イモムシの大軍のように
おまえの足元から這い上がってくる
命もないのに生きている
人間の淫らな顔を食い始める
もうだめだ
もうあきらめろ
何度も言う
もうだめだ
もうやめろ
愛の時代が終わったのだ
もう愛は二度と
子供の頃のようには
人間を愛してはくれないのだ
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