読者の皆さんが一番気になっている部分はやはり『音』だと思うのだ
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実際に私も購入の際の最大のポイントが音色と弾き心地だったのだ
ここで一つだけご報告したい事があるのだ
”2013年モデルとそれ以前のモデルが別物である・・”
という事なのだ
これはカスタムショップ製のレスポールにも共通している事実なのだ
カスタムショップにおいてはネックの接着方法やトラスロッドの仕込み方法などが一から見直されたようだ
その他にも変更点が多数あるようなので興味ある方は検索していただきたい
レギュラーラインの一番のトピックはやはりボディ構造にあるといえる
特に私が購入したトラディショナルの『完全ソリッド化』は多くのファンが待ち望んでいた仕様変更なのだ
ちなみにトーカイのレスカスも完全ソリッドボディなのだ
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近年、レスポールのレギュラーラインの品質が低下したという巷の噂が気になっていたのも事実なのだ
実際のところは自分自身の目と耳と指先の感触で確かめてみるしかないと思っていたのだ
いつもの楽器店でレスポールの購入をする前に私なりに他店のレスポールも調べてみたのだ
何の取り決めがあるのかは知らないが値段は一律のようだ
しかしながら、ボディの木目などかなり個体差がるように感じられたのだ
レスポールの魅力は色々とあるがその一つがトップ材の雰囲気だといえるのだ
ストラトのようにベタ塗りのギターにルックス的な差は少ないがレスポールは同じギターがないのだ
私はチェリーサンバーストという王道のカラーを選択したのだが・・
すべてのギターで微妙に表情が異なるのだ
庶民には安くない買い物だけに気に入った木目とカラーを選びたいと思っていたのだ
メイプルトップ+マホガニーバックというのがレスポールの基本構成なのだ
安ギターにもメイプル風?のギターがあるが実はメイプルを極薄に削ったシールが貼られている場合が多いのだ
非常に高価な材だけに低価格帯のギターにふんだんに使うことは価格面で不可能なのだ
本物のメイプルを使用しているギターはマシなのだ
中にはメイプル風のビニールシートを貼り付けているギターも多々あるのだ
「俺のギターって凄くメイプル柄がキレイで整っているなぁ・・」
こんな場合は怪しいのだ
自分と同モデルをネットで検索していただきたい
そっくりなギターに出会ったならば完全なるシール仕様という事になる
まぁ、ルックスがお気に入りでカッコ良ければそれで良いとも思えるが・・
厳密にはトップ材の仕様は音質に影響を与えるのだ
レスポールにも色々なトップ材がある
プレーントップという単板を用いた仕様もマニアには人気なのだ
しかしながら多くのレスポールはメイプル2ピースという仕様なのだ
『ブックマッチ』という言葉をご存じだろうか?
厚手のメイプル板を真ん中当たりで二分割にスライスする工法なのだ
スライスした二枚の板を広げたものをレスポールの形にカットするのだ
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木目によってあらゆる表情を見せるのだ
左右で全く違う柄のレスポールを見かけるが・・
これは異なる板を合わせたのではないのだ
メイプル板の上部と下部で自然に木目が異なっているという事なのだ
まぁ、そんなギターも二本目には良いと思うが・・
やはりファーストギターとしては出来る限りキレイな木目のギターが欲しいと思うのが人情なのだ
バックのマホガニーもかなり重要なのだ
ラインでの切り出しだけに大きく材質が異なることはないと思うが・・
相手は自然の木なのだ
部位によって密度が異なる事も多々あるのだ
密度が低ければ、軽やかな音色のギターになる
逆に密度が高ければ太く伸びやかな音色になる傾向が見られるのだ
これはレスポールだけの話ではない
ストラトやその他のギターも同様なのだ
ギブソンもフェンダーもカスタムショップ製が珍重されるのはこの辺りの精度が高いからなのだ
「微妙な木だけど・・使っちゃえ~」
という事はあまりないらしい
成形の前に材料の綿密な選定から作業が始まるらしい
その辺りの手間暇が価格にも反映されているのだ
つまり、個体のバラつきが少ないのだ
それでも使用材が天然の木だけに個体差は生まれるのだ
ギブソン&フェンダー共にレギュラーラインに当たり外れがあるのはこんな理由なのだ
どこの国の何処の楽器店に当たりのギターが出荷されるかは分からない
生産の最終工程で『検品』という作業がある
これは安ギターにも必須の作業なのだ
高価なギター入念に・・
安ギターはそれなりに・・・
という違いこそあれ、必ず行われているのだ
この段階で大凡の出来は確認できるという
当たりのギターに出会うのはある意味で確率統計のようなものなのだ
あまりギターに慣れていない人の場合には同モデルが色違いで選べるようなお店がお薦めなのだ
単体では感じられない微妙な音の違いや弾き心地に気付くはずなのだ
まぁ、弾き心地に関してはその楽器店がすべて同じにセッティングしている事が前提になる
店頭のギターのネックが反っているのを放置しているようなお店は避けた方が良い
「あっ・・ネック反ってますね・・ちょっと待っててくださいね」
「すぐに直しますから・・ この時期って簡単に反っちゃうんですよ」
などと季節や湿度を理由にする場合が多い
つまりは販売しているギターに愛着がないという証なのだ
脱線してしまったが・・・・
ギター&お店選びの参考にしていただきたい
話をレスポールに戻そう・・
購入の本命はトラディショナルだったが・・・
その他のモデルも参考程度に弾かせてもらったのだ
2013モデルのスタンダードも数本弾いてみたのだ
ゴールドトップやスタジオなども弾いてみたのだ
高価なギターだけにこんな機会がなければ気軽に触れることはできない
購入の意思もないのに試奏している人がいるが・・・
モラル的にどうかな?と思ってしまう
今回、色々なレスポールを腰を据えてじっくりと弾いてみたのだが・・
やはりトラディショナルが一番レスポールらしいと感じられたのだ
完全ソリッドによって他のモデルよりも格段に重いのだ
この重さがレスポールらしい太い音を作り出しているように感じられた
さらにはトラディショナルだけネックが極太なのだ
あえて極太という表現をしたのは他のメーカーのギターと比較してのことなのだ
アイバニーズのような極薄ネックのギターと比較するとまるで丸太なのだ
実はこれが黄金時代59年製レスポールのネックなのだ
ストラトは手が小さい人にも弾き易いギターだが・・
ストラト独特の音は誰にでも出せるものではないという深みがある
ある意味で非常に難しいギターなのだ
ロックから流れてきた人がブランドネームだけに惹かれて購入すると必ず後悔するギターなのだ
一方のレスポールの本格仕様は弾き手の身体的能力を求めるギターなのだ
4kgを越える重量級のボディを抱えながら長時間立って演奏できる体力があるか?
極太のネックで握り込みのコードフォームが出来るか?
ボディコンターもエルボーコンターも無いのだ
決して弾き易いギターではない
ガンズのスラッシュのような肉体派に似合うギターだと思う
楽器店のお兄さんによると2013年のトラディショナルはカスタムショップの59モデルに似ているそうだ
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ちなみにトーカイのレスカスもかなり極太ネックなのだ
薄いネックに慣れている人は確実に違和感を感じると思う
レスポールは弾き手を選ぶギターなのだ
好きと弾きこなすという事は違うように感じる
アニメでは女子高生が軽々と弾いているようだが・・
現実世界では女子にはかなり厳しいギターだと思う
丸太ネックのトラディショナルでは指が届かないような・・
結局、色違いのトラディショナルを数本弾き比べて決めたのだ
幸いにもどのギターもかなり杢目が美しかったのだ
「コピーモデルじゃ絶対にギブソンの音は出ないよ・・」
ネットのQ&Aの回答で見かける文言なのだ
正直なところ、この言葉には私自身眉唾だったのだが・・・
実際にレスポールを弾いて驚いたのだ
「え~凄いね~ これがギブソンの音なんだ」
「他のギターと全然違うね~ これがレスポールなんだ」
まるで感動的な風景に出合ったような感じで感嘆の声を上げてしまったのだ
何本もレスポールを所有しているお兄さんは慣れたものなのだ
「だから言ったじゃないですか・・・」
「本物は違うって・・コピーとは違いますよ」
実はトーカイを弾いた時にも恥ずかしながら感動してしまったのだ
美しい女性に一目惚れしたような感じだったのだ
安ギター特有の弦だけが鳴っているような感覚とは対照的な響きだったのだ
今回のギブソンはその時の感動をさらに上回る衝撃だったのだ
大袈裟に感じる方も多いと思うが・・・
これが当たりのギブソンの音なのだ
数本の中からチェリーを選んだのだ
決定理由は色ではないのだ
もっとも私の好みの音色だったのだ
数本の中で最も重量が重く感じられたのだ
私の年代ではチェリー≒ジミーペイジなのだ
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実は世間で珍重されているヴィンテージのサンバーストはすべてチェリーサンバーストなのだ
50年代後半にゴールドトップからサンバーストにモデルチェンジしたのだが・・
カラーは一色だけだったのだ
当時の質が悪いラッカー塗装の為に褪色してしまったのだ
カスタムショップのギターをサンプルにご覧いただきたい

当時はすべてのレスポールがこんな感じに統一されていたのだ
チェリーが変色してこんな感じになるのだ
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さらに色が抜けると・・
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『レモンドロップス』という色を耳にしたことはないだろうか?
イメージ的にはゲイリームーアのレスポールのような感じなのだ
チェリーの赤い部分が完全に脱色してしまったのだ
ラッカーの色落ちの原因は色々あるようだ
一般的には紫外線によるものとされるが人の汗や湿度による影響も軽視できないのだ
この色落ちこそがヴィンテージの醍醐味なのだ
現代のレスポールは様々な色がある
ギブソンの公式カラーは全25色だと聞いたことがある
先にもご説明したようにチェリーが褪色した様を色々なカラーで表現しているのだ
タバコサンバーストという色も渋くて良い色だが化学変化で赤色がこげ茶色(タバコ色)になるのだ
実際のところ、ギブソンスタッフでさえ、色の変化は予測できないそうだ
当時は褪色はクレームの的だったようだ
クレーム処理と言う事でギブソンがギターを預かって塗りなおしていたようだ
50年前の人々の中に色が抜け落ちたギターの価値が高騰すると予測できた人がいただろうか?
2013モデルの機能的な面をご紹介したいと思うのだ
注目はピックアップなのだ
ギブソンの大定番である『57クラッシック』&『57クラッシックプラス』なのだ
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リアのコイルの巻き数を増やす事でフロントと差別化しているのだ
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従来は同じピックアップを二基搭載していたのだ(一部のモデルを除く)
57という言葉の通り、57年製の『P・A・F』のコピーなのだ
一般的に『パフ』と呼ばれている名器なのだ
他社の多くのコピーモデルがこのピックアップを手本にしているのだ
ダンカンにもディマジオにも類似したピックアップが存在する
現在、単体で現存するパフは皆無なのだ
ヴィンテージレスポールと一体化しているのだ
希少価値が高いこのピックアップを社外製品に交換するコレクターはいないと思う
ギブソン社でも自社のストックを分解し入念に研究して開発した渾身の名器なのだ
『バーストバッカー』や『カスタムバッカー』というピックアップもあるが・・
これらは57をさらにパワフルにチューンナップしたピックアップという位置づけなのだ
トーカイ以降、『非力なハム』に魅力を感じているのだ
ストラトのシングルの『枯れ』とは異なるハム独特の枯れた音も魅力なのだ
とにかく歪みまくっていた数年前と比較して我ながら成長したと感じているのだ
伝統を継承しながらも現代的な快適装備も盛り込んでいるのが2013モデルの良い所なのだ
ブリッジをご覧いただきたい
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良くあるレスポールタイプのブリッジと若干異なるのがお分かりいただけるだろうか?
サドルの可動範囲が広いのだ
さらにサドルの向きにも注目していただきたい
すべてのサドルが同一方向にセットされているのだ
可動範囲が広い事で不必要にサドルを反転させる必要がなくなったのだ
さらには動きも非常に滑らかでチューニングの精度が格段に向上しているように感じられる
従来のサドルは何となく不安定というか・・
ストラトタイプのようにオクターブを追い込むことが難しかったのだ
ドライバーでサドルを前後に移動したとしても指で触れると僅かに動いてしまったのだ
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これは安レスポールでも高級品でも同様なのだ
そういうサドルなのだ
弦をを張りテンションをかけることでサドルが押し付けられて固定されるという仕組みなのだ
ストラトのように弦を張ったままサドルを動かすのもご法度だったのだ
まぁ、勘と慣れの問題もあるが・・・
そのギターの癖を熟知すれば確実にオクターブを合わせることは出来るが・・
熟練の技が必要というギターはある意味、初心者には向かないと思うのだ
教科書のとおりにオクターブを合わせてみるも微妙に狂った状態というレスポールタイプが多かった
オクターブの狂いが気にならないという人は問題ないが・・

さらにはテールピース(弦を支えているストッパー)の支柱が従来よりも長くなったのだ
より深くボディに刺さっているのだ
ブリッジのポストも同様なのだ
弦の振動をボディに伝達するという意味では非常に重要なパーツなのだ
テールピースを軽量なアルミに換えるだけで音の立ちあがりが実感できるほど速くなるのだ
重量があるテールはいわゆるコンプでアタックを速めたような感じなのだ
一概には言えないが・・・
低価格帯のレスポールタイプには重量級のテールピースが用いられている
高級なギターにはアルミが用いられていることが多いようだ
レスポールマニアの改造ポイントなのだ
興味ある方は検索してみていただきたい
サイズが微妙に異なるので交換の際は充分に確認していただきたい
さらにはネックの仕込み角度がギブソンは独特なのだ
言葉では上手く表現できないが・・・
これによって安レスポールのようにテールピースをボディに密着するほど下げられないのだ
「何が違うの?」
と思った方も多いと思う
これによって独特のテンション感を得ているのだ
ギブソンタイプのヘッドに傾斜がついているのと同様の考えなのだ
トーカイがもう少し角度が浅いのだ
この辺りも忠実にコピーすれば良いと思うが・・・
各メーカーごとにテンションには拘りがあるようだ
レスポールタイプといっても本家を100%忠実にコピーしているメーカーはない
コピーの制約もあると聞いている
外観はそっくりさんだが・・
”似て非なり・・・”
という感じなのだ
コピーモデルと本家の音が違うという要因は色々とあるようだ
ノブにマーカーが付いているのも高級感が合って良いと思う
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この仕様もギブソンのお約束なのだ
無くても困らないが・・
あれば嬉しい仕様なのだ
現状に不満はないが・・
トグルスイッチのノブの色が気に入らないのだ
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トーカイ以降『アンバー』にハマっているのだ
ヴィンテージの多くがアンバーだというのも理由の一つだと思う
小さなパーツだがこの目に付く部分なので拘りたいのだ
キャパシタ(コンデンサー)もトラディショナルはオレンジドロップを採用しているのだ
別注のコンデンサーだと聞いているのだ
最新の機能を追求している2013スタンダードには採用していないのだ
これもギブソン社の一つの回答だと思うのだ
ヴィンテージコンデンサーの音は分からないが・・・
トーカイのレスカスも別注のオレンジドロップなのだ
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ヴィンテージ系の音を目指すレスポールタイプとオレンジドロップは相性が良いのだと思う
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コンデンサーだけで劇的に音が変わることはないが無変化ということは絶対にあり得ないのだ
レスポールタイプのギターを使っている方は楽器店に相談しながらチャレンジしてみていただきたい
特にキャビティ内部を開ける理由もないので機会があったらレスポールの配線や内部もお見せしたいと考えているのだ
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とにかくラッカー塗装と杢目が美しいレスポールなのだ
良い買い物をしたと思うのだ
ギブソン&フェンダーの二大ブランドを手に入れたという意味はギター弾きには大きいと思う
私の年代にとっては手が届かなかった憧れのブランドなのだ
大昔鍵付きのショーケースの中のレスポールとストラトをガラスに張りつくように眺めていて
店員さんに睨まれてしまった苦い記憶が蘇るのだ
当時は加湿器などなかったのだ
笑える話だが・・
ギターの横に水を張ったコップを置いていたのだ
木材という事でピアノを真似ていたのだと思う
プロですらUSA製に手が届かなかった時代なのだ
良い時代になったと思うのだ
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実際に私も購入の際の最大のポイントが音色と弾き心地だったのだ
ここで一つだけご報告したい事があるのだ
”2013年モデルとそれ以前のモデルが別物である・・”
という事なのだ
これはカスタムショップ製のレスポールにも共通している事実なのだ
カスタムショップにおいてはネックの接着方法やトラスロッドの仕込み方法などが一から見直されたようだ
その他にも変更点が多数あるようなので興味ある方は検索していただきたい
レギュラーラインの一番のトピックはやはりボディ構造にあるといえる
特に私が購入したトラディショナルの『完全ソリッド化』は多くのファンが待ち望んでいた仕様変更なのだ
ちなみにトーカイのレスカスも完全ソリッドボディなのだ
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近年、レスポールのレギュラーラインの品質が低下したという巷の噂が気になっていたのも事実なのだ
実際のところは自分自身の目と耳と指先の感触で確かめてみるしかないと思っていたのだ
いつもの楽器店でレスポールの購入をする前に私なりに他店のレスポールも調べてみたのだ
何の取り決めがあるのかは知らないが値段は一律のようだ
しかしながら、ボディの木目などかなり個体差がるように感じられたのだ
レスポールの魅力は色々とあるがその一つがトップ材の雰囲気だといえるのだ
ストラトのようにベタ塗りのギターにルックス的な差は少ないがレスポールは同じギターがないのだ
私はチェリーサンバーストという王道のカラーを選択したのだが・・
すべてのギターで微妙に表情が異なるのだ
庶民には安くない買い物だけに気に入った木目とカラーを選びたいと思っていたのだ
メイプルトップ+マホガニーバックというのがレスポールの基本構成なのだ
安ギターにもメイプル風?のギターがあるが実はメイプルを極薄に削ったシールが貼られている場合が多いのだ
非常に高価な材だけに低価格帯のギターにふんだんに使うことは価格面で不可能なのだ
本物のメイプルを使用しているギターはマシなのだ
中にはメイプル風のビニールシートを貼り付けているギターも多々あるのだ
「俺のギターって凄くメイプル柄がキレイで整っているなぁ・・」
こんな場合は怪しいのだ
自分と同モデルをネットで検索していただきたい
そっくりなギターに出会ったならば完全なるシール仕様という事になる
まぁ、ルックスがお気に入りでカッコ良ければそれで良いとも思えるが・・
厳密にはトップ材の仕様は音質に影響を与えるのだ
レスポールにも色々なトップ材がある
プレーントップという単板を用いた仕様もマニアには人気なのだ
しかしながら多くのレスポールはメイプル2ピースという仕様なのだ
『ブックマッチ』という言葉をご存じだろうか?
厚手のメイプル板を真ん中当たりで二分割にスライスする工法なのだ
スライスした二枚の板を広げたものをレスポールの形にカットするのだ

木目によってあらゆる表情を見せるのだ
左右で全く違う柄のレスポールを見かけるが・・
これは異なる板を合わせたのではないのだ
メイプル板の上部と下部で自然に木目が異なっているという事なのだ
まぁ、そんなギターも二本目には良いと思うが・・
やはりファーストギターとしては出来る限りキレイな木目のギターが欲しいと思うのが人情なのだ
バックのマホガニーもかなり重要なのだ
ラインでの切り出しだけに大きく材質が異なることはないと思うが・・
相手は自然の木なのだ
部位によって密度が異なる事も多々あるのだ
密度が低ければ、軽やかな音色のギターになる
逆に密度が高ければ太く伸びやかな音色になる傾向が見られるのだ
これはレスポールだけの話ではない
ストラトやその他のギターも同様なのだ
ギブソンもフェンダーもカスタムショップ製が珍重されるのはこの辺りの精度が高いからなのだ
「微妙な木だけど・・使っちゃえ~」
という事はあまりないらしい
成形の前に材料の綿密な選定から作業が始まるらしい
その辺りの手間暇が価格にも反映されているのだ
つまり、個体のバラつきが少ないのだ
それでも使用材が天然の木だけに個体差は生まれるのだ
ギブソン&フェンダー共にレギュラーラインに当たり外れがあるのはこんな理由なのだ
どこの国の何処の楽器店に当たりのギターが出荷されるかは分からない
生産の最終工程で『検品』という作業がある
これは安ギターにも必須の作業なのだ
高価なギター入念に・・
安ギターはそれなりに・・・
という違いこそあれ、必ず行われているのだ
この段階で大凡の出来は確認できるという
当たりのギターに出会うのはある意味で確率統計のようなものなのだ
あまりギターに慣れていない人の場合には同モデルが色違いで選べるようなお店がお薦めなのだ
単体では感じられない微妙な音の違いや弾き心地に気付くはずなのだ
まぁ、弾き心地に関してはその楽器店がすべて同じにセッティングしている事が前提になる
店頭のギターのネックが反っているのを放置しているようなお店は避けた方が良い
「あっ・・ネック反ってますね・・ちょっと待っててくださいね」
「すぐに直しますから・・ この時期って簡単に反っちゃうんですよ」
などと季節や湿度を理由にする場合が多い
つまりは販売しているギターに愛着がないという証なのだ
脱線してしまったが・・・・
ギター&お店選びの参考にしていただきたい
話をレスポールに戻そう・・
購入の本命はトラディショナルだったが・・・
その他のモデルも参考程度に弾かせてもらったのだ
2013モデルのスタンダードも数本弾いてみたのだ
ゴールドトップやスタジオなども弾いてみたのだ
高価なギターだけにこんな機会がなければ気軽に触れることはできない
購入の意思もないのに試奏している人がいるが・・・
モラル的にどうかな?と思ってしまう
今回、色々なレスポールを腰を据えてじっくりと弾いてみたのだが・・
やはりトラディショナルが一番レスポールらしいと感じられたのだ
完全ソリッドによって他のモデルよりも格段に重いのだ
この重さがレスポールらしい太い音を作り出しているように感じられた
さらにはトラディショナルだけネックが極太なのだ
あえて極太という表現をしたのは他のメーカーのギターと比較してのことなのだ
アイバニーズのような極薄ネックのギターと比較するとまるで丸太なのだ
実はこれが黄金時代59年製レスポールのネックなのだ
ストラトは手が小さい人にも弾き易いギターだが・・
ストラト独特の音は誰にでも出せるものではないという深みがある
ある意味で非常に難しいギターなのだ
ロックから流れてきた人がブランドネームだけに惹かれて購入すると必ず後悔するギターなのだ
一方のレスポールの本格仕様は弾き手の身体的能力を求めるギターなのだ
4kgを越える重量級のボディを抱えながら長時間立って演奏できる体力があるか?
極太のネックで握り込みのコードフォームが出来るか?
ボディコンターもエルボーコンターも無いのだ
決して弾き易いギターではない
ガンズのスラッシュのような肉体派に似合うギターだと思う
楽器店のお兄さんによると2013年のトラディショナルはカスタムショップの59モデルに似ているそうだ
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ちなみにトーカイのレスカスもかなり極太ネックなのだ
薄いネックに慣れている人は確実に違和感を感じると思う
レスポールは弾き手を選ぶギターなのだ
好きと弾きこなすという事は違うように感じる
アニメでは女子高生が軽々と弾いているようだが・・
現実世界では女子にはかなり厳しいギターだと思う
丸太ネックのトラディショナルでは指が届かないような・・
結局、色違いのトラディショナルを数本弾き比べて決めたのだ
幸いにもどのギターもかなり杢目が美しかったのだ
「コピーモデルじゃ絶対にギブソンの音は出ないよ・・」
ネットのQ&Aの回答で見かける文言なのだ
正直なところ、この言葉には私自身眉唾だったのだが・・・
実際にレスポールを弾いて驚いたのだ
「え~凄いね~ これがギブソンの音なんだ」
「他のギターと全然違うね~ これがレスポールなんだ」
まるで感動的な風景に出合ったような感じで感嘆の声を上げてしまったのだ
何本もレスポールを所有しているお兄さんは慣れたものなのだ
「だから言ったじゃないですか・・・」
「本物は違うって・・コピーとは違いますよ」
実はトーカイを弾いた時にも恥ずかしながら感動してしまったのだ
美しい女性に一目惚れしたような感じだったのだ
安ギター特有の弦だけが鳴っているような感覚とは対照的な響きだったのだ
今回のギブソンはその時の感動をさらに上回る衝撃だったのだ
大袈裟に感じる方も多いと思うが・・・
これが当たりのギブソンの音なのだ
数本の中からチェリーを選んだのだ
決定理由は色ではないのだ
もっとも私の好みの音色だったのだ
数本の中で最も重量が重く感じられたのだ
私の年代ではチェリー≒ジミーペイジなのだ
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実は世間で珍重されているヴィンテージのサンバーストはすべてチェリーサンバーストなのだ
50年代後半にゴールドトップからサンバーストにモデルチェンジしたのだが・・
カラーは一色だけだったのだ
当時の質が悪いラッカー塗装の為に褪色してしまったのだ
カスタムショップのギターをサンプルにご覧いただきたい
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当時はすべてのレスポールがこんな感じに統一されていたのだ
チェリーが変色してこんな感じになるのだ
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さらに色が抜けると・・
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『レモンドロップス』という色を耳にしたことはないだろうか?
イメージ的にはゲイリームーアのレスポールのような感じなのだ
チェリーの赤い部分が完全に脱色してしまったのだ
ラッカーの色落ちの原因は色々あるようだ
一般的には紫外線によるものとされるが人の汗や湿度による影響も軽視できないのだ
この色落ちこそがヴィンテージの醍醐味なのだ
現代のレスポールは様々な色がある
ギブソンの公式カラーは全25色だと聞いたことがある
先にもご説明したようにチェリーが褪色した様を色々なカラーで表現しているのだ
タバコサンバーストという色も渋くて良い色だが化学変化で赤色がこげ茶色(タバコ色)になるのだ
実際のところ、ギブソンスタッフでさえ、色の変化は予測できないそうだ
当時は褪色はクレームの的だったようだ
クレーム処理と言う事でギブソンがギターを預かって塗りなおしていたようだ
50年前の人々の中に色が抜け落ちたギターの価値が高騰すると予測できた人がいただろうか?
2013モデルの機能的な面をご紹介したいと思うのだ
注目はピックアップなのだ
ギブソンの大定番である『57クラッシック』&『57クラッシックプラス』なのだ
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リアのコイルの巻き数を増やす事でフロントと差別化しているのだ
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従来は同じピックアップを二基搭載していたのだ(一部のモデルを除く)
57という言葉の通り、57年製の『P・A・F』のコピーなのだ
一般的に『パフ』と呼ばれている名器なのだ
他社の多くのコピーモデルがこのピックアップを手本にしているのだ
ダンカンにもディマジオにも類似したピックアップが存在する
現在、単体で現存するパフは皆無なのだ
ヴィンテージレスポールと一体化しているのだ
希少価値が高いこのピックアップを社外製品に交換するコレクターはいないと思う
ギブソン社でも自社のストックを分解し入念に研究して開発した渾身の名器なのだ
『バーストバッカー』や『カスタムバッカー』というピックアップもあるが・・
これらは57をさらにパワフルにチューンナップしたピックアップという位置づけなのだ
トーカイ以降、『非力なハム』に魅力を感じているのだ
ストラトのシングルの『枯れ』とは異なるハム独特の枯れた音も魅力なのだ
とにかく歪みまくっていた数年前と比較して我ながら成長したと感じているのだ
伝統を継承しながらも現代的な快適装備も盛り込んでいるのが2013モデルの良い所なのだ
ブリッジをご覧いただきたい
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良くあるレスポールタイプのブリッジと若干異なるのがお分かりいただけるだろうか?
サドルの可動範囲が広いのだ
さらにサドルの向きにも注目していただきたい
すべてのサドルが同一方向にセットされているのだ
可動範囲が広い事で不必要にサドルを反転させる必要がなくなったのだ
さらには動きも非常に滑らかでチューニングの精度が格段に向上しているように感じられる
従来のサドルは何となく不安定というか・・
ストラトタイプのようにオクターブを追い込むことが難しかったのだ
ドライバーでサドルを前後に移動したとしても指で触れると僅かに動いてしまったのだ
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これは安レスポールでも高級品でも同様なのだ
そういうサドルなのだ
弦をを張りテンションをかけることでサドルが押し付けられて固定されるという仕組みなのだ
ストラトのように弦を張ったままサドルを動かすのもご法度だったのだ
まぁ、勘と慣れの問題もあるが・・・
そのギターの癖を熟知すれば確実にオクターブを合わせることは出来るが・・
熟練の技が必要というギターはある意味、初心者には向かないと思うのだ
教科書のとおりにオクターブを合わせてみるも微妙に狂った状態というレスポールタイプが多かった
オクターブの狂いが気にならないという人は問題ないが・・
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さらにはテールピース(弦を支えているストッパー)の支柱が従来よりも長くなったのだ
より深くボディに刺さっているのだ
ブリッジのポストも同様なのだ
弦の振動をボディに伝達するという意味では非常に重要なパーツなのだ
テールピースを軽量なアルミに換えるだけで音の立ちあがりが実感できるほど速くなるのだ
重量があるテールはいわゆるコンプでアタックを速めたような感じなのだ
一概には言えないが・・・
低価格帯のレスポールタイプには重量級のテールピースが用いられている
高級なギターにはアルミが用いられていることが多いようだ
レスポールマニアの改造ポイントなのだ
興味ある方は検索してみていただきたい
サイズが微妙に異なるので交換の際は充分に確認していただきたい
さらにはネックの仕込み角度がギブソンは独特なのだ
言葉では上手く表現できないが・・・
これによって安レスポールのようにテールピースをボディに密着するほど下げられないのだ
「何が違うの?」
と思った方も多いと思う
これによって独特のテンション感を得ているのだ
ギブソンタイプのヘッドに傾斜がついているのと同様の考えなのだ
トーカイがもう少し角度が浅いのだ
この辺りも忠実にコピーすれば良いと思うが・・・
各メーカーごとにテンションには拘りがあるようだ
レスポールタイプといっても本家を100%忠実にコピーしているメーカーはない
コピーの制約もあると聞いている
外観はそっくりさんだが・・
”似て非なり・・・”
という感じなのだ
コピーモデルと本家の音が違うという要因は色々とあるようだ
ノブにマーカーが付いているのも高級感が合って良いと思う
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この仕様もギブソンのお約束なのだ
無くても困らないが・・
あれば嬉しい仕様なのだ
現状に不満はないが・・
トグルスイッチのノブの色が気に入らないのだ
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トーカイ以降『アンバー』にハマっているのだ
ヴィンテージの多くがアンバーだというのも理由の一つだと思う
小さなパーツだがこの目に付く部分なので拘りたいのだ
キャパシタ(コンデンサー)もトラディショナルはオレンジドロップを採用しているのだ
別注のコンデンサーだと聞いているのだ
最新の機能を追求している2013スタンダードには採用していないのだ
これもギブソン社の一つの回答だと思うのだ
ヴィンテージコンデンサーの音は分からないが・・・
トーカイのレスカスも別注のオレンジドロップなのだ
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ヴィンテージ系の音を目指すレスポールタイプとオレンジドロップは相性が良いのだと思う
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コンデンサーだけで劇的に音が変わることはないが無変化ということは絶対にあり得ないのだ
レスポールタイプのギターを使っている方は楽器店に相談しながらチャレンジしてみていただきたい
特にキャビティ内部を開ける理由もないので機会があったらレスポールの配線や内部もお見せしたいと考えているのだ
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とにかくラッカー塗装と杢目が美しいレスポールなのだ
良い買い物をしたと思うのだ
ギブソン&フェンダーの二大ブランドを手に入れたという意味はギター弾きには大きいと思う
私の年代にとっては手が届かなかった憧れのブランドなのだ
大昔鍵付きのショーケースの中のレスポールとストラトをガラスに張りつくように眺めていて
店員さんに睨まれてしまった苦い記憶が蘇るのだ
当時は加湿器などなかったのだ
笑える話だが・・
ギターの横に水を張ったコップを置いていたのだ
木材という事でピアノを真似ていたのだと思う
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プロですらUSA製に手が届かなかった時代なのだ
良い時代になったと思うのだ
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