今回は真空管アンプの音について語りたい
読者の皆さんは真空管アンプを実際に鳴らした事があるだろうか?
実際にアンプを購入しなくてもレンタルスタジオなどで気軽に体験できるのだ
不思議なもので何処の楽器店でもマーシャル段積みとジャズコは定番なのだ
根強い人気があるアンプなのだと思う
この二機種を軸にその他のアンプや機材は楽器店の好みで揃えている事が多い
アンプについて簡単に整理しておきたい
”真空管アンプ > トランジスタアンプ・・”
と思っている人も多い
概ね値段の違いとイメージで判断しているのだ
それぞれに得意な音が異なるのだ
クリーン系の音が主体ならば積極的にトランジスタを選ぶのもアリだと思う
ちなみにアンプ側をクリーンに設定して歪みを前段のエフェクトで作るという方法も定番の一つなのだ
任意の音量に設定できる事に加えて安定した歪みを得る事ができるのがメリットなのだ
ちなみにBoss製品は同社の看板アンプであるJC-120に接続する事を前提に設計されているのだ
もちろん他のメーカーのアンプを用いても何の問題もないがベストはジャズコという考え方なのだ
カリスマギタリストである布袋氏の若き日の定番の組み合わせなのだ
これを一つのきっかけにジャズコが『ロックアンプ』でると認識されるようになったのだ
もちろんジャズコーラスという名前だけにコーラスを効かせたクリーンは唯一無二の美しい音色なのだ
トランジスタにしては値段も高く、大きさも重量もヘビー級なのだ
素人ギター弾きが自宅で鳴らすには少々オーバークオリティだと思える
一方の真空管アンプの魅力はやはり歪ませた音に尽きる
”アンプに負荷をかけた状態の自然な歪みの音・・”
が最大の魅力なのだ
トランジスタ+歪み系の擬似的な歪みの音とは区別したい
しかしながら真空管アンプで心地良い歪み音を得るにはそれなりの大音量が不可欠なのだ
アッテネーターという便利な機能が付いているアンプもあるが厳密には圧縮した音は不自然に聴こえる
やはりジャズコ同様にハイワットの真空管を自宅で鳴らすのも現実的ではない
一般家庭で許されるアンプの音に多くを期待するのは酷なのだ
小型のアンプはダメだと決めつける自称ベテラン?が居るが・・・
個人的には十分に有りだと考えているのだ
私のピグノーズなど、ある意味で非常に個性的な音で鳴ってくれるのだ
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試行錯誤しながらマイキングで音を作り込むのも楽しい
身の丈に合ったギターライフいう考え方もあると思う
話をスタジオのアンプに戻そう・・
私の行き付けの楽器店では他店にはないアンプを揃えているのだ
その中でも私が気に入っているのがVOX AC-30とフェンダーのツインなのだ
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いわゆる背面開放のコンボタイプなのだ
特にVOXの音は好きなのだ
クリーンからクランチの芯があり艶っぽい音は他のアンプには真似できない魅力なのだ
古くはビートルズが好んで使ったアンプというイメージがある
クイーンのブライアンメイも愛用者の一人なのだ
私が大好きなペイジ師匠もレコーディングでは多用していたのだ
実験好き?なペイジ師匠は名も無きアンプもレコーディングに多用したのだ
『スプロ』という小型アンプがあるのだがペイジ師匠が使った事で有名になったのだ
その後、生産終了となり幻のアンプと言われ珍重されているのだ
近年、復刻版が再販されたが・・オリジナルとは異なるようだ
同様なのはその独特のルックスだけらしい
良くある話なのだ
VOXも時代のニーズに合わせて様々なアンプをリリースしているのだ
回路に真空管とトランジスタをミックスしたアンプもある
扱い易い音と低価格が魅力になっている
ライバル各社を意識してアンプモデリングを搭載したハイブリッドなアンプもある
私が以前に所有していたフェンダーの小型アンプに近い発想だと思う
しかしながら、やはりアンプとしての最大の魅力は『オールチューブ』にあると思う
音量を上げるにつれ自然に歪む様はマーシャルのそれとは異なるのだ
マーシャルもロックミュージックのアイコンになりつつあるが・・・
その他のアンプの個性的な音をもっと多くのギター弾きに知ってほしいと思う
ブルースマン御用達というイメージがあるフェンダーコンボも実は歪ませるとかなりロック系の音を出す
私も過去の曲でフェンダー系のアンプを多用している事実をご存じだろうか?
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実はレコーディングではマーシャル系のアンプをあまり使わないのだ
マーシャルは大好きなアンプだが・・・
あまりにも定番過ぎて敬遠してしまうのも事実なのだ
自分が目指している音が其処にあるという人はマーシャル一本でも良いと思うが・・
話は変わるが・・・
読者の皆さんは楽器店での試奏の際にどんなフレーズを弾いているのだろうか?
私の場合、他のお客さんがギターやアンプを選んでいる姿が気になってしまうのだ
ギター系のブログを立ちあげているという立場も多かれ少なかれあると思う
常にアンテナを張りながらネタを探しているのだ
私が楽器店で出会うお客さんと読者の皆さんを重ねているのだ
お客さんの素朴な疑問は・・≒読者の疑問であると考えているのだ
ネットのQ&Aなどもとても参考になるのだ
楽器店の試奏の場合、何を弾いても構わないと思う
しかしながらカッコいい演奏とそうでない演奏がある事を知っていただきたい
悪い例・・
現在、練習中の速弾きの一節を繰り返してしまう人・・
それもかなりぎこちないのだ
聴いていて疲れてしまうのだ
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誰もが知っている有名なリフを自慢げに弾いている人・・
本人は満足げではあるが・・フレーズのノリが微妙なのだ
特にペイジ師匠のブラックドックなどは簡単そうで結構難しいのだ
さすがに『スモーク・オン・ザ・ウォーター』のあの有名な一節を弾く人はいないが・・
それに近い人は結構いるのだ
特に私に近い年代のオジさん世代に多いようだ
オリジナリティと独創性とは程遠い世界なのだ
独自のリフやフレーズを捻り出す事は簡単なようで難しい
いずれにしてもカッコ良く決めるには練習過程の楽曲を披露してはダメなのだ
眠っていても弾けるくらいに練習すべきなのだ
ちなみに誰でも知っているフレーズは間違いが許されない
「あ~ 今のところ間違えちゃった・・・」
と傍らで聴いているお客さんに悟られてしまうのだ
その点、オリジナルのフレーズは良い
何が正解なのか? ミスなのか?
一聴しても分からないのが良いのだ
私が皆さんに披露しているフレーズも微妙なところなのだ
「ちょっと間違えちゃったけど・・ いいかな?」
という事も多々あるのだ
楽器店での試奏でお薦めなのが『スケール』なのだ
スケール練習をするというのではない
スケールを発展させたオリジナルフレーズを繰り出すという事なのだ
極めればスケールも数多くあるが・・・
とりあえず、ロック好きならばペンタトニックは押さえておくべきだと思う
どんなキーでもどんなポジションでも自在にペンタを出動させられるスキルは必須なのだ
これができればポップス~ロックのアドリブが組み立てられるようになる
フュージョンとジャズは別の勉強が必要になる
抱えるギターの種類でフレーズの弾き分けができれば上級者だと思う
動画などでプロの模範演奏を目にする機会も多い
いつも感心しているのだ
「流石に分かっているね~」
「まさにストラトの鳴らし方だね」
厳密にはアンプにも慣らし方があるのだ
フェンダー系のアンプをフルアップさせても誰も振り向いてくれない
やはり音の粒立ちが分かるくらいのクランチが美味しい音域なのだ
イメージとしてはレイヴォーンの音なのだ
あのパキパキとした雰囲気が表現できれば免許皆伝なのだ
マーシャルならばスラッシュのような音が出せれば合格だと思う
やはり時代の音や人気がある音色というものも若干は理解し取り入れるべきだと思うのだ
今回はスタジオで鳴らしたVOXアンプをマイク録りしてみたのだ
ギターを持ち換えているのだ
前半はレスポールなのだ
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先にも述べたようにスケールで押し切るという定番?フレーズなのだ
レスポールの紹介動画などでプロが弾きそうなフレーズを真似てみたのだ
「確かに・・こんなフレーズって良く耳にするなぁ・・」
と気付いた方は良い感性をしていると思う
後半はストラトなのだ
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この音の違いが重要なのだ
ちなみにアンプは同じ、セッティングもほぼ同様なのだ
ギターの違い、ピックアップの違い、ポジションの違い・・
が音に表れているのだ
途中で音がブーストされる部分が確認できると思う
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先日、ご紹介したコンパクト歪みでブーストさせているのだ
名器『ビッグマフ』を意識しているのだ
調整しだいで似たような雰囲気を出せるのだ
「あの音はファズスマイルじゃなきゃ無理だね~」
などと特定のエフェクターを名指しで語っているブログや人を見かける事が多い
間違ってはいないが・・・
要するに弾き方と機材の調整しだいでどんな音でも作れるのだ
特に経済的に厳しい学生さんが次から次へと機材を揃えるのも難しいと思う
それよりも手持ちの機材で音作りの幅を広げる事に尽力すべきなのだ
正直な話、ギター歴何十年というベテランでも音作りが微妙な人は多い
まぁ、それが素人なのだが・・・
素人がプロに肉薄する
あるいはプロを越える?
という事があってはならない
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今回のような音はGT-100で表現するのは難しい
耳の良い方は途中のノイズが確認できると思う
良くも悪くもライン直結のマルチではこのようなノイズが出ないのだ
”ノイズゲートをカットしてシングルでゲインを高く設定・・”
という感じであえてノイズを出す事も出来るが・・・
ある意味ではマルチ使いとしては本末転倒になってしまうのだ
真空管アンプの実機をマイク録りする音とデジタル処理で作りだす最新の音を使い分けるのも大事なのだ
定期的に耳の鼓膜が破れるような音量で色々な真空管アンプを鳴らすのだが・・
最新の高性能マルチには出せない(表現きない)アナログの部分に惹かれてしまう
その大きな違いは『空気感』なのだ
まぁ、録り音も厳密には異なるが・・・
最も異なるのは弾き手の聴覚上の感覚なのだ
GT-100などの場合、常にヘッドフォンで音をモニターしているのだ
リバーブなどで適度にアンビエンスを加えているがリアルな部屋鳴りとは異なる
実際に防音が施されたスタジオの場合、その部屋の大きさやアンプの位置でも音が変わる
立って弾くのか?
座って弾くのか?
も重要なのだ
背が低いコンボアンプの場合、立って弾いた状態で演奏者に聴こえる音と
キャビネットの中央にマイクを立てて集音した音とは異なることが多い
私がスタジオで本テイクを収録する際には最終的なチェックとしてヘッドホンにモニターするのだ
実際にキャビネットから聴こえる音とヘッドフォンから聴こえる録り音の差を体に覚え込ませるのだ
これはプロの世界では常識であり、特に意識する事なく日常的に行われているのだ
素人の録り音がショボいケースの多くはこの『イメージ力』が不足している事に起因している
何だか理屈っぽくなってしまったが・・・
読者の皆さんはこの手の濃い話?がお嫌いではないと思う
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それでは
”リアルな真空管アンプの音・・・”
をお楽しみいただきたい
オールチューブの小型アンプの購入を前向きに検討しているのだ
良さそうなアンプを見つけたので近々に試奏する予定なのだ
マルチも便利で良いがアナログアンプも捨て難い魅力があると思う
結果的には楽曲の一部として取り入れるのだが『方法論』が異なるという事なのだ
ホントにギターは楽しい趣味だと思う