五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

五感と体感の話

2008年04月13日 | 第2章 五感と体感
言葉という伝達ツールを使って生活しているのですが、それだけでは表現できないものがあります。

五感で感じる体感は、遠い過去のものでも時として時空を超え、現在に鮮烈に蘇ります。

今日、波音を奏でるフルートの音を聴きました。

そこで「季節を感じる波音、場所を感じる波音」の話題が出ました。

海風の吹く空を眺めながら奏でる音を聴いているうちに海にまつわる私の成育史が蘇ってきたのです。

定期的に訪れる鎌倉の海は、太平洋に面しています。私が生まれた高知の海も太平洋です。幼い頃までしか住んでいないので、具体的なことは覚えていませんが、太平洋の荒波と台風が過ぎ去ったあとの平安な波音は、印象に残っています。
瀬戸内海の海に平安感を感じたことは、以降、大人になって何度見ても同じ気持ちが湧き上がってくるのが不思議です。

小学生の頃住んでいた茅ヶ崎も太平洋。黒っぽい砂浜が続き、湘南の海ともてはやされている割には、殺風景なイメージがありますが、未だに烏帽子岩が見えてくると家に戻った気分になるのです。どちらかというと江の島から葉山にかけての海のほうが、太陽がきらきらと反射する美しさと華やかさを感じます。

横浜の海も格別。毎日毎日、京浜東北線の車窓から見る海は、元気の源でありました。高校の校舎から穏やかな根岸の海を眺め、心地よく差す日差しでうつらうつらしたのも良き体感の思い出だと言い訳しておきましょう。

同じ海でも、季節や天候、時間帯によって、違った表情を見せてくれます。
そのうえ、自分の心と体の状態によって、五感による体感は変化していきます。

穏やかな海。悲しい海。嬉しい海。怖い海。気ぜわしい海。優雅な海。
海の表情とともに生きてきた自分を改めて気付かされました。

感情を投影した海の風景を、音楽とともに愉しんだ一日に感謝。

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