今から30年前の1993年6月19日、米国カリフォルニア州サンディエゴで行われた試合結果です。
IBFウェルター級戦:
挑戦者フェリックス トリニダード(プエルトリコ)KO2回1分49秒 王者モーリス ブロッカー(米)
*専門家の間ではそれなりに知られる存在に成長しつつあったトリニダードですが、一般的にはほぼ無名の若干20歳の選手。そんな新鋭が、2度の世界王座を獲得し、1980年代中盤からウェルター級を牽引してきた選手の一人であるブロッカーをKO。キビキビとしたボクシングを披露し、その後10年に渡りボクシング界を引っ張っていく事となったスーパースターの誕生劇が米国の西海岸で行われました。
(トリニダードがキビキビとしたボクシングで古豪をKOし、世界初戴冠)/ Photo: BBC Sport + YouTube
WBCスーパーウェルター級戦:
王者テリー ノリス(米)TKO3回終了 挑戦者トロイ ウォータース(豪)
*ボクシング史に残る名選手シュガー レイ レナード(米)を下すなど、8連続防衛に成功していたノリスが地元サンディエゴでの凱旋防衛に臨みました。
この試合が行われた時点では、パウンド フォー パウンドのトップの一人に挙げられていたノリス。本来はフットワークとスピードを活かすボクシングが身上でしたが、防衛を重ねるごとに打ち合いを積極的に行っていくファイターに変貌。それが元々打たれ強くないノリスにとり、凶の兆しが見られた一戦となってしまいました。
初回早々に豪快にダウンを奪ったノリスでしたが、ダウン後にウォータースの後頭部にパンチを見舞ってしまい減点一を科されてしまいました。その後も必要以上に打ち合いを臨んだノリスは、2回にダウンを喫してしまいます。深いダウンを負ったにも関わらず、意地となり打ち合い続けたノリス。3回に再びライバルにカウントを聞かせ、その回終了時にギブアップさせることには成功しましたが、何とも危険な勝利となってしまいました。
(南太平洋の雄を相手に、ムキに打ち合ってしまったノリス)/ Photo: YouTube
数年後、1997年の夏にトリニダードとノリスの対戦話がありましたが、結局は実現せず。代わってトリニダードは、ウォータースを初回TKOで沈めています。またこの興行が行われた4ヵ月前に、ブロッカーはノリスに2回で粉砕されています。
(対戦が期待されたノリスとトリニダードでしたが、結局実現せず...)/ Photo: Youtube