今から30年前の数日前となる1994年12月10日、米国メイン州で行われた試合結果です。
WBAライト級戦:
王者オルズベック ナザロフ(キルギスタン/協栄)KO2回2分50秒 挑戦者ジョーイ ガマチェ(米)
(旧ソ連圏出身のナザロフとアメリカ人ガマチェの対戦。「冷戦(the Cold War)」という言葉が頻繁に使われていた時代でした)/ Photo: ボクシング名勝負
*この試合が行われた前年10月とこの年の3月に敵地南アフリカに乗り込み、強豪リティンガン トベラ(南ア)と2度にわたる死闘を繰り広げたナザロフ。その実力にさらに筋金を加えたナザロフは、2年前までナザロフが保持している王座のタイトル保持者だったガマチェにとり、手に負える相手ではありませんでした。
プロフィールでは168センチとされるガマチェですが、ナザロフと比べると一回り小柄に映りました。打ち合い好きで防御感に欠ける挑戦者はナザロフにとり格好の相手。王者は初回から地元ガマチェを圧倒していきます。
(リング中央で対峙するナザロフ(右)とガマチェ)/ Photo: KO Boxing Forum
2回、サウスポー(左構え)スタイルからの左ショートで先制のダウンを奪ったナザロフ。挑戦者に大きなダメージを負わせたナザロフは、連打で2度目のダウンを追加。最後はまたしても左を決めガマチェを完全にKO。敵地のど真ん中で快勝劇を演じると同時に、その名を世界に知らしめる事になりました。このガマチェとの試合後、ナザロフの国際的評価は盤石のものとなりました。
この試合と同じ時期に、ナザロフの対抗王者たちも試合を行っています。ナザロフがガマチェと対戦した同じ日に、WBO王者オスカー デラホーヤ(米)が米国西海岸でジョン アビラ(米)と対戦。マイナー団体IBOのタイトル保持者でもあったアビラを9回で退け2度目の防衛に成功しています。
13日にはWBC王者ミゲル アンヘル ゴンザレス(メキシコ/東京三太)が米国ニューメキシコ州のリングに登場。元IBFフェザー級王者カルビン グローブ(米)を一蹴し、防衛記録を7にしました。IBF王者ラファエル ルエラス(米)は、8日に同じくニューメキシコ州のアルバカーキで試合を行っています。無冠戦に登場したルエラスは、オマール パチェコ(メキシコ)を3回でKO。そのレコードに、順当に白星を加えています。
1994年師走の時点では、実績と実力でゴンザレスがトップ。それに若干遅れて続くのがナザロフ。その2人を追うのがデラホーヤで、ルエラスが4番手と言った所でしょう。ライバル王者たちの目には、ナザロフの北米のリングでのデビュー戦はどのように映ったのでしょうかね。
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