勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

言葉は人

2005-09-17 23:45:56 | Weblog
 たくさんある美しい日本語の中から二つ選ぶとしたら、迷わず選ぶ言葉がある。
『ありがとう』『さようなら』 の二つである。

『ありがとう』は、言っても、言われてもうれしいものだ。
人に褒められたとき、素直に「ありがとう」と言うのは結構難しい。
つい照れたり、謙遜したりして「いや、そんなことありませんよ」などと言ってしまう。
せっかく褒めてくれたのだから、素直に「ありがとう」と言ったほうがスマートだ。謙遜するなら、それからでも遅くないと思う。
「ありがとう」をたくさん言える人間になりたい、それは、褒められたり、感謝しなければ言えない言葉だから。 

『さようなら』は、ひびきが好きであるが、あまり使いたくない。使うなら後ろに「またね」を付けて使いたい。
人生長く生きていると「さようなら」を言った回数も多い。
もっとも悲しい「さようなら」は同時に「ありがとう」でもあった。

  ◆     ◆     ◆     ◆     ◆     ◆

 ・・・・・そして一時間後、規則正しく立てていた寝息が、突然、ひと呼吸大きな呼吸になりました。
「 * * * * * 」
声をかけても反応はありません。呼吸は止まり、脈も止まっています。

・・・・・・・中略・・・・・・・

 それから4~5分経ったでしょうか。看護師さんに電話しているときです。突然眼を開き、口を動かしたのです。そして起き上がろうとしました。慌てて電話を切り、何度も名前を呼びました。すると、もう一度眼を開けて、口を動かそうとしています。しかし、先ほどのような力はありません。そして二度と眼を開けることはありませんでした。
 あれは何だったのでしょう。最後の力を振り絞って、私に別れを告げようとしたのでしょうか。
「ありがとう!」 そして 「さようなら!」
私と全く同じ言葉を言ってくれたに違いありません。

   ◆     ◆     ◆     ◆     ◆     ◆


 ある雑誌に載った、僕の体験談の一部分です。

 言葉は人を表わす道具でもある。美しい日本語を上手に使ってより美しくなりたいものです。

 このブログにコメントを下さる皆さんや、コメントはなくても興味を持って訪問して下さる方々に、今夜は「ありがとう」を言わせてください。
でも、「さようなら」は言いません。「またお逢いしましょう」
2005.09.17