
ドラマ「ゾウの花子」を見た。上野動物園の猛獣たちは、空襲によって逃げ出すことを危険と判断して毒殺させられた。僕が生れた1943年のことである。毒殺するための餌を食べないゾウの花子は、餓死させるため水も食事も与えられず、腹を空かせた花子が、餌が欲しくて飼育員の前で芸をするシーンには胸が熱くなった。
「人間の都合で連れてこられ、人間の都合で始めた戦争のせいで殺せですか!」と叫ぶ飼育員の声が虚しい。
旭山動物園の園長・小菅正夫さんの話によると、病気になった動物を手当てして、回復したと思っているとある日突然死んでしまう。何故だ!と悲しむこともしばしば。いつ敵に襲われるかもしれない彼らは、極限になるまで自分の弱った姿を見せないそうだ。
原爆投下を「しょうがない」と言って辞めさせられた大臣もいたが、間もなく終戦記念日が来る。
「動物園は平和な国にしかありません」という言葉でドラマは終わった。