3月9日と11日に白内障の手術を受け、色あせたセピア色の世界が鮮やかな総天然色に変わってから、早、半年が過ぎた。
小田原の佐伯眼科の診察は、退院後の週に1度の通院も、2ヵ月経つと隔週になり、半年経った今日の診察を区切りに、月に1度になった。
春というにはまだ寒い早春の1週間の入院だったが、退院時にはうぐいすが初鳴きで祝福してくれた。
それから半年、早朝に出かける小田原行きは、その都度楽しみを見つけ、病院に行くというより小旅行の気分で出かけたものだった。
夏も終ろうとする今日の小田原は、澄み渡った空に夏を惜しむ太陽が眩しい。緑に囲まれた丘の上の病院は、降りそそぐ蝉時雨のシャワーを浴び、見慣れた景色もこころなしか寂しそう。
入院時、遠くの山なみに雪を抱いた春浅い丘は、やがて緑に萌え、花が咲き、初夏の風が汗と戯れ、初秋の丘のみかん畑には、たわわに実った青い実が、葉陰から顔を覗かせている。
季節ごとの丘の景観は、手術で色鮮やかな世界を取り戻した僕の目を楽しませてくれた。
その診察が1ヵ月に1度になったことを喜ぶと同時に、一抹の寂しさも交え、今日の小田原は爽やかな秋風が丘の上を吹き抜けていた。
小田原の佐伯眼科の診察は、退院後の週に1度の通院も、2ヵ月経つと隔週になり、半年経った今日の診察を区切りに、月に1度になった。
春というにはまだ寒い早春の1週間の入院だったが、退院時にはうぐいすが初鳴きで祝福してくれた。
それから半年、早朝に出かける小田原行きは、その都度楽しみを見つけ、病院に行くというより小旅行の気分で出かけたものだった。
入院時、遠くの山なみに雪を抱いた春浅い丘は、やがて緑に萌え、花が咲き、初夏の風が汗と戯れ、初秋の丘のみかん畑には、たわわに実った青い実が、葉陰から顔を覗かせている。
季節ごとの丘の景観は、手術で色鮮やかな世界を取り戻した僕の目を楽しませてくれた。
その診察が1ヵ月に1度になったことを喜ぶと同時に、一抹の寂しさも交え、今日の小田原は爽やかな秋風が丘の上を吹き抜けていた。