せっかく桜が満開になったというのに、日替わりの気まぐれな天気は薄情な女心のようでもある。しかし、昨日の冷たい雨が嘘のように晴れ上がった東京は、穏やか春の陽射しが降り注ぐ絶好の花見日和になった。

♪
花は上野よ 柳は銀座 月は隅田の屋形船
と、東京音頭にも歌われるように、花の上野に行かずして花を語るなかれ、などと云うつもりはないが、うららかな春の陽気に誘われて出かけた上野公園。心配した花は散りもせず、桜の下は人の波。
春眠暁を覚えず
処処に啼鳥を聞く
夜来風雨の声
花落つること知んぬ
多少ぞ
-孟浩然-

春あけぼのの うすねむり
まくらにかよう 鳥の声
風まじりなる 夜べの雨
花ちりけんか 庭もせに
-土岐善麿 訳-
左甚五郎作の眠り猫が、日光から上野まで花見に来たのかと驚いたが、その人気にもニャンとも言わず、<花の下(もと)にて春眠らむ>と言ったかどうかは定かではない。

花の雲 鐘は上野か 浅草か
-芭蕉-
眠り猫が日光東照宮ならば、上野東照宮傍には寛永寺五重塔があり、花の雲に霞んでいた。<明日ありと思う心の仇桜・・・>というが、花見は何度してもいいもんだ。夜半(よわ)の嵐が吹かぬうち。。。

♪
花は上野よ 柳は銀座 月は隅田の屋形船
と、東京音頭にも歌われるように、花の上野に行かずして花を語るなかれ、などと云うつもりはないが、うららかな春の陽気に誘われて出かけた上野公園。心配した花は散りもせず、桜の下は人の波。

春眠暁を覚えず
処処に啼鳥を聞く
夜来風雨の声
花落つること知んぬ
多少ぞ
-孟浩然-

春あけぼのの うすねむり
まくらにかよう 鳥の声
風まじりなる 夜べの雨
花ちりけんか 庭もせに
-土岐善麿 訳-


花の雲 鐘は上野か 浅草か
-芭蕉-
