勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

柴又帝釈天

2010-04-26 00:45:26 | Weblog
わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯に浸かり、姓は車、名は寅次郎、人呼んでフーテンの寅と発します。
 
ご存知フーテンの寅さんの名台詞である。
 
 風は冷たいが、よく晴れ上がった土曜日の午後、下町に興味を持ち始めた、シティーボーイを自認する友人に誘われて出かけた柴又帝釈天。そぞろ歩きの和服美人に目を奪われながらも、だんご屋、煎餅屋、飴屋、佃煮屋、漬物屋、料理屋など、数多くの店が所狭しと軒を連ね、昔ながらの町並みと人情が残る下町情緒の味と香りを楽しんだ。その味のひとつには、勿論とらやの団子も含まれている。

 軽快な包丁のリズムが参道を歩く足を止める、伝統の飴切りの音は、現在5代目が継承する、飴の専門店「松屋の飴総本店」。この飴切りの音をこちら の動画でお楽しみいただけます。

 参道を抜けて二天門をくぐり抜けると、帝釈堂の前の多くの参拝者の間から「けっこう毛だらけ 猫灰だらけ お前の尻(ケツ)は・・・」と、威勢のいい寅さんの口上が聞こえてきそうな賑わいを見せている。

 帝釈堂内殿の外壁は装飾彫刻で覆われており、当時の名人によって彫られた法華経説話だそうだが、その繊細さに思わず目を瞠(みは)った。


大客殿前に広がる邃渓園(すいけいえん)の回廊式庭園は、新緑に覆われて、心落ち着く静けさを漂わせている。

 
 帝釈天を堪能したあとは、下町の匂いと加齢臭の交じり合った僕を揶揄しながらも、気のおけない下町人情のよさも認めつつある、自称シティーボーイと、あの矢切の渡しへと向かった。