勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

都会の奇跡

2014-10-10 21:07:58 | Weblog
 造園業を営む友人がいる。東北岩手出身で、明るく歌好き話し好き、波乱万丈の人生を明るく語る、何事にも前向きなプラス思考の哲学を持つ。その友人が今日一日だけ仕事を手伝ってくれと言ってきた。それなりの事情があったとはいえ、僕にとって全く未知の世界、お断りしようと思ったのだが、植栽をカットした後に出る葉屑の清掃だけでいいといわれ、恐る恐るではあるが承諾した。

 まだ薄暗い早朝の5時に起きて、自転車で30分弱の彼の自宅兼事務所に行った。与えられたそれらしい身支度に整え、2か所の仕事現場で汗を流す。僕が植物が好きとはいえ、鉢植えの花を愛でるのとは比較にならない大変な仕事である。

 一日の仕事を終え、午後5時過ぎ事務所に戻って着替えをしようとしたが、持って行ったはずのバッグが見当たらない。彼に言わせると来た時は何も手に持っていなかったという。しまった、自転車の前かごに入れてきたので、そのままで事務所に行ってしまったらしい。バッグの中にはタオルや着替えの他に、コンパクトデジカメや、スマホの充電器などが入っていた。蔵前橋通りという大きな通りに面した歩道に置いた自転車である。当然人通りも多い。バッグがそのままであるはずがないと諦めた。


 ところがである、通りに出てみるとなんと自転車の前かごにそのままバッグが入っているではないか。そのバッグを持って、事務所に戻り報告すると、彼曰く「この辺りには悪い人は住んでいないんだよ」と自慢げに言った。スポーツや物理学の世界などで、次々と日本人による快挙が伝えられる中、改めて日本人であることを誇りに思いながら、疲れもどこかに飛んで行ってしまった都会の奇跡であった。