静かな 静かな 里の秋
お背戸に木の実の 落ちる夜は
あぁ かあさんと ただ二人
栗の実煮てます いろりばた
ひと雨ごとに深まる秋。秋分から15日後(10月8日)を寒露というそうだ。この頃からを晩秋といい、草の葉に宿る露も冷たくなり、秋の深まりを感じさせる頃のこと、とある。
秋を歌った童謡の代表といえる「里の秋」は、終戦の年(1945年)「外地引揚の同胞激励の午後」という、NHKの特別番組のために作られた歌だそうだ。
二番の歌詞には「あぁ 父さんのあの笑顔 栗の実 食べては 思い出す」。そして、三番では「あぁ 父さんよご無事でと 今夜も 母さんと 祈ります」と歌われている。
「里の秋」は、それぞれの境遇で、戦地の父や夫、兄弟や息子を思って聴き、歌った悲しい歌なのだ。(参考資料・合田道人さん著「童謡の謎」から)
◇ 栗の実 ◇
こんなところにも
しあわせな
ものたちがいた
イガの中に
栗の実が三つ
-星野富弘さん-
深まる秋に、栗の実を食べながら思い出すのは、父のこと?母のこと?それとも・・・♪ 栗の実にしあわせを噛みしめてみませんか?
秋深き となりはなにを する人ぞ
(松尾芭蕉)
(松尾芭蕉)